中小企業省力化投資補助事業(一般型)を検討している事業者の多くが、最初にぶつかるのが「オーダーメイド設備って具体的に何?」という疑問です。
結論から言うと、省力化投資補助金(一般型)は“オーダーメイド性(専用設計・構成設計)”が審査の中核です。
単なる設備の買い替え・更新(いわゆるリプレイス)だけでは、採択はかなり厳しくなります。
この記事では、公式FAQ・公募要領の審査観点に沿って、
- 「オーダーメイド設備」の公式定義
- なぜオーダーメイドが重視されるのか
- 採択されやすい具体例(業種別)
- 認められない(不採択になりやすい)NG事例
- 事業計画書での書き方(省力化指数/回収期間/付加価値)
を、できるだけ具体的に解説します。
✅ 省力化投資補助金(一般型)における「オーダーメイド設備」の正確な定義と考え方
✅ なぜ省力化投資補助金ではオーダーメイド性が審査で重視されるのかという制度背景
✅ 採択されやすいオーダーメイド設備の具体例と、不採択になりやすいNG事例の違い
✅ 汎用設備でもオーダーメイド設備として認められるケース・認められないケースの判断基準
✅ 省力化指数・投資回収期間・付加価値額を事業計画書で評価されやすく書くための実践ポイント
Contents
- 1 省力化投資補助金(一般型)における「オーダーメイド設備」の公式定義
- 2 なぜ「省力化投資補助金 オーダーメイド」が重要なのか
- 3 書面審査(技術面)で見られる4つの観点:オーダーメイド設備の位置づけ
- 4 実際の採択事例から見る「採択されやすいオーダーメイド設備」の具体例
- 5 採択事例から読み取れる共通点
- 6 「認められない」と考えられるNG事例:不採択になりやすい典型パターン
- 7 「オーダーメイド設備」として評価されやすい構成のチェックリスト
- 8 よくある質問:汎用設備でもオーダーメイド扱いになる?
- 9 まとめ:省力化投資補助金(一般型)で「オーダーメイド設備」を通すコツ
- 10 まずは無料相談から始めてみませんか?
省力化投資補助金(一般型)における「オーダーメイド設備」の公式定義
まず、よくある質問(FAQ)で示されているオーダーメイド設備の考え方は次のとおりです。
オーダーメイド設備とは、ICTやIoT、AI、ロボット、センサー等を活用し、単一もしくは複数の生産工程を自動化するために、外部のシステムインテグレータ(SIer)との連携などを通じて、事業者の個々の業務に応じて専用で設計された機械装置やシステム(ロボットシステム等)を指す。
なお、汎用設備であっても、導入環境に応じて周辺機器や構成する機器の数、搭載する機能等が変わる場合や、汎用設備を組み合わせて導入することでより高い省力化効果や付加価値を生み出すことが可能である場合には、オーダーメイド設備とみなす。
ここで重要なのは、「フルスクラッチ(完全特注)でなければならない」ではないという点です。
- 専用設計(現場業務に合わせて設計された装置・システム)
- 構成設計(周辺機器・台数・機能を現場に合わせて変える)
- 組み合わせ設計(複数の汎用機を連携させ、工程全体の省力化を実現)
このいずれか(あるいは複合)で、“自社の工程に合わせた専用の省力化設計”が説明できれば、オーダーメイド設備として評価される可能性が高くなります。
なぜ「省力化投資補助金 オーダーメイド」が重要なのか
補助金の目的は「設備購入」ではなく「人手不足の解消」
省力化投資補助金(一般型)は、単に設備を導入する制度ではありません。
狙いは明確で、人手不足の解消と省力化による生産性・付加価値向上です。
そのため、次のような投資は評価されにくく、不採択になる傾向があります。
- 古い設備を新しい設備に置き換えただけ(更新投資)
- 現場の工程が変わらない(人時が減らない)
- 省力化の根拠が「たぶん便利」「最新だから早い」レベル
逆に、オーダーメイド設備は業務の流れ(工程・導線・担当)を変える前提になりやすく、審査で求められる「省力化指数」「投資回収期間」「付加価値」「人手不足解消」の説明と相性が良いのが特徴です。
書面審査(技術面)で見られる4つの観点:オーダーメイド設備の位置づけ
公募要領の書面審査(技術面)では、次の4つの観点で評価されます。
① 省力化指数:算出根拠が妥当か
省力化指数は以下の考え方で評価されます。
省力化指数 = [(設備導入により削減される業務時間)-(設備導入後に発生する業務時間)] ÷(設備導入により削減される業務時間)
ポイントは、削減される時間を「業務単位」で分解して示すことです。さらに、導入後に増える作業(監視、設定、データ入力、保守点検など)も入れる必要があります。
② 投資回収期間:短い取組であることが示せるか
投資回収期間は次の式の考え方で評価されます。
投資回収期間 = 投資額 ÷(削減工数×人件費単価 + 増加した付加価値額)
ここでのコツは、「削減工数」だけに頼らないことです。オーダーメイド設備の強みは、工程全体の安定化や品質向上によって付加価値増も説明しやすい点にあります。
③ 付加価値額:年平均成長率が大きいか
省人化だけでなく、次のような「付加価値向上の筋」がある計画は強いです。
- 不良率低減 → 原価改善 → 粗利向上
- リードタイム短縮 → 回転率向上 → 売上増
- 標準化・自動化 → サービス品質安定 → 単価アップ
④ 人手不足解消に向けた「専用設備(オーダーメイド設備)」か
ここが記事の主題です。
審査では、上記に加えて人手不足の解消に向けてデジタル技術等を活用した専用設備(オーダーメイド設備)の導入が示されているかを見ます。
さらに公募要領には、次の趣旨が明記されています。
- 汎用設備でも、導入環境に応じて周辺機器・構成・機能が変わる、または複数導入で省力化効果・付加価値が高まるなら「オーダーメイド」とみなす
- 単に汎用設備を単体で導入する事業は対象外
実際の採択事例から見る「採択されやすいオーダーメイド設備」の具体例
ここでは、中小企業省力化投資補助金(一般型)の実際の採択事例(第3回公募)をもとに、オーダーメイド設備として評価されやすい事業計画のパターンを整理し、評価されたと考えられるポイントをまとめます。
① 特注機械によるボトルネック工程の自動化(製造業)
ある製造業の事例では、既存ラインの中で人手依存度が高く、処理能力の限界となっていた工程に対し、自社製品専用仕様の特注機械を導入することで省力化を実現しています。
- 対象工程:計量・仕分け・篩い分けなどの手作業工程
- 導入内容:製品特性に合わせた寸法・処理能力を持つオーダーメイド機
- 省力化効果:作業時間の大幅削減と品質の安定化
評価ポイント:
汎用機では対応できない製品特性に合わせて設計されており、「なぜ専用設計が必要なのか」が明確に説明されている点が評価されています。
② 複数工程を一体化した特注自動化設備の導入(食品加工業)
食品加工分野の採択事例では、複数の工程を一体で自動化するオーダーメイド設備が多く見られます。
- 対象工程:充填・脱気・包装など連続する複数工程
- 導入内容:製品形状・衛生基準に対応した特注仕様の自動化設備
- 省力化効果:作業人員削減と工程間待ち時間の解消
評価ポイント:
単体設備の導入ではなく、工程全体の流れを再設計しており、人手不足の解消に直結する計画として評価されています。
③ 汎用機+専用改造による高付加価値生産体制の構築(製造業)
採択事例の中には、汎用設備をベースにしつつ、自社仕様へ改造することで、オーダーメイド設備として評価されているケースも多くあります。
- 対象工程:加工・組立・仕上げ工程
- 導入内容:汎用加工機に専用治具・制御機能を追加
- 省力化効果:段取り替え工数削減、熟練作業の標準化
評価ポイント:
「汎用設備+専用治具・制御」という構成で、自社工程に最適化された構成設計が明確に示されています。
④ オーダーメイドの業務システム構築による間接業務の省力化
機械設備だけでなく、業務システムをオーダーメイドで構築した事例も採択されています。
- 対象業務:受注・見積・進捗管理・帳票作成
- 導入内容:自社業務フローに特化した業務管理システム
- 省力化効果:手入力・転記作業の削減、ミス防止
評価ポイント:
既存のパッケージソフトでは対応できない業務フローを前提に、専用設計のシステム構築で省力化を実現している点が評価されています。
⑤ 専用搬送・自動供給装置による人手作業の排除
製造・加工業の採択事例では、加工機そのものではなく、前後工程(供給・搬送)を
オーダーメイドで自動化するケースも多く見られます。
- 対象工程:材料供給・製品搬送・積み下ろし
- 導入内容:加工機と連動する専用自動搬送・供給装置
- 省力化効果:常時張り付き作業の解消、夜間・連続運転の実現
評価ポイント:
「加工機の能力向上」ではなく、人が介在していた工程を狙って自動化しており、
人手不足解消との因果関係が非常に明確です。
採択事例から読み取れる共通点
- 単体設備ではなく、工程全体・業務全体を見ている
- 「なぜ汎用ではダメか」が論理的に説明されている
- 省力化指数・削減工数の根拠が具体的
- 人手不足解消と設備導入の因果関係が明確
- オーダーメイド性が設計・構成・改造のいずれかで示されている
これらはすべて、実際の採択事例に共通して見られる特徴です。
「認められない」と考えられるNG事例:不採択になりやすい典型パターン
公募要領には、明確に「単に汎用設備を単体で導入する事業は対象外」という趣旨があります。ここでは、特に落ちやすい例を挙げます。
NG① 既製品を1台買うだけ(工程が変わらない)
- 自動包装機を1台導入するだけ
- 券売機を1台導入するだけ
- 最新の工作機械に更新するだけ
これらは「省力化」になり得ますが、“オーダーメイド性”が示せないと、一般型では厳しい評価になりがちです。
NG② 「便利そう」「最新だから早い」で省力化を説明している
審査側は、数値根拠(人時・単価・件数)を求めます。「たぶん効率が上がる」は通りません。
NG③ 導入後に増える作業を無視して省力化指数を高く見せる
- 監視・設定・データ入力の工数を0扱い
- 保守点検・教育・例外対応を見積もらない
このタイプは、算出根拠が不自然と見なされやすく、評価を落とします。
NG④ “専用設計”の中身がない(SIer連携が名ばかり)
「SIerと連携してシステム構築」と書いても、
- どの工程を
- どう自動化し
- 何が削減され
- なぜ自社仕様が必要か
が書けていないと、オーダーメイドとして評価されません。
NG⑤ 省力化ではなく「単なる売上拡大」を狙った投資
たとえば、増産目的で設備を入れても、人手不足解消の説明が弱いと通りにくいです。省力化投資補助金は、あくまで「省力化」が主題です。
「オーダーメイド設備」として評価されやすい構成のチェックリスト
- 単一機器導入ではなく、工程全体(単一または複数工程)の自動化になっている
- ICT/IoT/AI/ロボット/センサー等の活用が具体的
- SIer等との連携内容(設計・構成・調整)が書けている
- 省力化指数の算出根拠が業務分解で示されている
- 投資回収期間の根拠が妥当で、付加価値増も説明できている
- 導入後に増える業務(監視・点検等)も見積もっている
よくある質問:汎用設備でもオーダーメイド扱いになる?
Q. 市販の汎用機械を買うだけでも「オーダーメイド設備」になりますか?
A. 原則として難しいです。公募要領の趣旨として、単に汎用設備を単体で導入する事業は対象外とされています。
Q. では汎用設備は絶対にダメですか?
A. ダメではありません。ただし、以下のいずれかが必要です。
- 導入環境に応じて周辺機器・構成機器数・機能が変わる(構成設計がある)
- 複数の汎用設備を組み合わせて、より高い省力化効果・付加価値を生み出す(連携設計がある)
つまり、汎用設備を使うなら「単体」ではなく、工程全体の設計として示す必要があります。
まとめ:省力化投資補助金(一般型)で「オーダーメイド設備」を通すコツ
省力化投資補助金(一般型)におけるオーダーメイド設備は、単なる「特注機械」ではありません。
自社の工程・導線・例外処理を踏まえ、専用設計(または構成設計・連携設計)で省力化を実現する投資が求められます。
最後にポイントを整理します。
- 設備の説明より工程の変化を中心に書く
- 省力化指数は「業務分解×回数」で根拠を作る
- 投資回収期間は削減工数だけでなく、付加価値増もセットで示す
- オーダーメイド性は「なぜ自社仕様が必要か」を言語化する
- 汎用設備は「単体」だと弱い。構成設計・連携設計で強くする
この型に沿って整理すれば、審査の4観点(省力化指数・回収期間・付加価値・オーダーメイド設備)に対して、説得力のある計画に仕上げやすくなります。
まずは無料相談から始めてみませんか?
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