農業分野でも人手不足や高齢化が深刻化するなか、「省力化投資補助金(一般型)」を活用したいと考える農業法人・個人事業主が増えています。
結論から言うと、省力化投資補助金(一般型)は農業分野でも活用可能で、実際に農業・畜産・農産加工分野での採択事例も公表されています。
ただし、本補助金は「農業なら何でも対象」「生産量を増やせば評価される」という制度ではありません。
特に農業分野では、補助対象外経費に該当しやすい投資や、単純な生産規模拡大と誤解されやすい計画が多く、ここを理解せずに申請すると不採択リスクが高まります。
本記事では、実際の採択事例と公募要領(補助対象外経費)を踏まえ、農業で省力化投資補助金(一般型)を活用するためのポイントと注意点を、実務目線で網羅的に解説します。
✅ 省力化投資補助金(一般型)の制度概要と農業分野での考え方
✅ 農業・畜産・加工分野での実際の採択事例と評価ポイント
✅ 単純な生産規模拡大が評価されにくい理由
✅ 公募要領に基づく「農業で特に注意すべき補助対象外経費」
✅ 失敗しない事業計画の組み立て方と専門家相談の重要性
Contents
省力化投資補助金(一般型)とは?農業で使える制度の前提
制度の目的は「省力化による経営改善」
中小企業省力化投資補助金(一般型)は、人手不足への対応を目的に、
業務工程の省力化・効率化を通じて、生産性や付加価値を高める投資を支援する制度です。
農業分野においても、
- 作業時間(人時)の削減
- 作業工程の自動化・標準化
- 属人化の解消
- 限られた人員でも回る体制づくり
といった省力化効果が明確な投資であれば、制度趣旨と合致します。
カタログ型ではなく「一般型」が農業と相性が良い理由
農業は作物・地域・栽培方式・出荷形態によって業務工程が大きく異なります。
そのため、登録設備を選ぶだけのカタログ型よりも、自社の工程に合わせて省力化内容を設計できる一般型が選ばれやすい傾向があります。
中小企業省力化投資補助金関連リンク
実際の採択事例から見る「農業 × 一般型」で評価された内容
公表されている省力化投資補助金(一般型)の採択事例には、農業関連のものも複数確認できます。
以下はいずれも実際に採択された事業計画名(農業・畜産・関連分野)です。
- 新型農耕設備導入による草地整備の生産性向上
- 畜産現場における作業工程の省力化投資
- 牧場運営における省力化設備導入
- 農業生産工程の省力化による持続可能な農業経営の確立
- 農場作業工程の省人化・効率化
- 籾摺り工程の自動化による農業生産性向上
- カメラ搭載型にんじん選果機導入によるスマート農業の実践
- いちご農園での収穫予測AIシステム
- 農業資材受注システム構築による業務省力化
- 新スライサー導入による牛肉スライス工程・清掃工程省力化事業
これらの事例に共通しているのは、「生産量を増やすこと」ではなく「作業工程をどう省力化するか」が中心に据えられている点です。
農業分野は、作業時間・作業人数・処理量などを用いて導入前後の比較を数値で説明しやすいため、一般型の審査と非常に相性が良い業種といえます。
単純な生産規模の拡大目的では評価されにくい
公募要領には「農業の生産拡大は不可」といった直接的な記載はありません。
しかし、実務上は単純な生産規模拡大を主目的とした計画は、一般型では評価されにくいのが実情です。
なぜ「生産拡大」が前面に出ると危険なのか
一般型の審査では、
- 人手不足への対応
- 省力化による生産性向上
- 付加価値向上
が一貫して重視されます。
そのため、
- 作付面積を増やしたい
- 飼養頭数を増やしたい
- 生産量を拡大したい
といった量的拡大のみを目的とした説明は、制度趣旨とズレやすくなります。
「規模拡大 × 省力化」であれば可能なケース
一方で、
- 省力化によって現状人員のまま対応可能範囲が広がる
- 高齢化で維持が難しくなった工程を省力化で安定化させる
といったように、省力化が主目的で、その結果として規模が維持・拡張される構成であれば、一般型でも評価される余地があります。
農業分野で特に注意すべき補助対象外経費
ここからは、公募要領「3-2-4 補助対象外経費」を踏まえ、
農業で特に注意すべきポイントを整理します。
① ビニールハウス・牛舎・堆肥舎などの建屋は対象外
ビニールハウス、牛舎、豚舎、鶏舎、倉庫、堆肥舎などの建物・構築物は明確に補助対象外です。
「中で使う設備」は対象になり得ますが、「箱そのもの」は対象外となります。
② 基礎工事・整地・舗装費用は対象外
農業では設備導入とセットで、コンクリート打設・床改修・整地・舗装などが発生しがちですが、設置場所の整備工事・基礎工事費用は補助対象外です。
③ トラクター・軽トラなど車両は原則対象外
公道を走行できるトラクター、軽トラック、フォークリフトなどは原則対象外です。
「作業所内専用」「公道走行不可」を明確に説明できない限り、対象外前提で考えるのが安全です。
④ 中古農機・中古設備は一律対象外
農業では中古農機の活用をすることも多いですが、省力化投資補助金(一般型)では中古品購入費は一律対象外です。
⑤ 汎用性の高いIT機器は用途特定が必須
パソコン、タブレット、スマートフォン等は、農業用途が明確に限定されていない場合、汎用性が高いとして対象外になりやすい点に注意が必要です。
⑥ 自社・家族の人件費は補助対象外
自分や家族の作業時間、自社対応による調整作業などは、どれだけ省力化に寄与しても補助対象にはなりません。
だからこそ重要になる「補助金選択」と「事業計画設計」
農業分野では、
- 省力化投資補助金(一般型)
- 新事業進出補助金
- ものづくり補助金
の境界が分かりにくく、制度選択を誤ると不採択につながりやすいのが実情です。
「規模拡大が主目的なら別補助金」
「省力化を軸に組み替えれば一般型」
といった初期判断が極めて重要になります。
駒田会計事務所に相談するメリット
駒田会計事務所では、農業分野における省力化投資補助金(一般型)の採択事例傾向と公募要領を踏まえ、
- 一般型が本当に適しているかの見極め
- 補助対象外経費を踏まえた投資整理
- 省力化効果の数値化(人時・工程・処理量)
- 規模拡大と誤解されない事業計画設計
まで含めた申請前段階からの支援を行っています。
全国対応のため、地方の農業法人・個人事業主でも相談可能です。
まとめ
今回は省力化投資補助金(一般型)を農業分野で活用する際のポイントについてまとめてきました。ポイントは下記の通り。
- 省力化投資補助金(一般型)は農業分野でも実際に採択事例がある
- 評価の中心は「生産量」ではなく「工程の省力化・効率化」
- 単純な生産規模拡大を主目的にすると評価されにくい
- 農業では補助対象外経費(建屋・基礎・車両・中古農機)に特に注意が必要
- 制度選択と計画設計を誤らないため、専門家への相談が有効
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