省力化投資補助金

省力化投資補助金【一般型】は林業でも使える?実際の採択事例から見る活用ポイントを解説

省力化投資補助金【一般型】は林業でも使える?実際の採択事例から見る活用ポイントを解説

林業業界では、人手不足・高齢化・作業の危険性といった構造的な課題が年々深刻化しています。一方で、

  • 高性能林業機械を導入したい
  • ICTやDXを進めたい
  • 作業人数を減らしつつ生産性を上げたい

と考えても、初期投資の負担が大きく踏み切れないという事業者も多いのが実情です。

こうした課題解決の手段として注目されているのが、中小企業省力化投資補助金(一般型)です。

結論:林業でも省力化投資補助金は十分に活用できます。実際に公表されている採択者一覧には、林業・木材関連の採択事例が複数掲載されています。採択されるかどうかの分かれ目は、「林業だから」ではなく投資がどれだけ省力化・生産性向上に直結しているかを、審査員に伝わる形で説明できるかどうかです。

この記事でわかること
  • 省力化投資補助金の制度概要と林業との相性
  • 林業分野で実際に採択されている省力化投資の内容(企業名なし)
  • 採択されやすい林業事業計画の共通点
  • 林業で申請する際の注意点(不採択になりやすい例)
  • 専門家に相談すべき理由
駒田裕次郎

監修: 駒田 裕次郎(こまだ ゆうじろう)

駒田会計事務所 【コマサポ】代表

【来歴】大手監査法人の経験を活かし、創業支援・補助金支援を中心とする「駒田会計事務所」を東京・渋谷に設立。資金調達や事業計画の作成、税務や経営相談まで顧客に寄り添うきめ細やかなサポートを提供。

【実績】創業融資・補助金の支援実績は、累計3,000件以上(2025年1月末現在)

【所有資格】公認会計士・税理士・認定支援機関

「一人ひとりの起業家の成功を願い、日本の未来を明るくする」をモットーに、日々奔走。

Contents

省力化投資補助金とは?林業でも対象になる理由

制度の概要(押さえるべきポイント)

省力化投資補助金(一般型)は、人手不足に直面する中小企業が、省人化・自動化・生産性向上につながる設備投資を行う際に支援する制度です。ポイントは次のとおりです。

  • 対象は製造業に限らず、一次産業・建設業・サービス業等も含む
  • 評価されるのは「業種」ではなく省力化効果(人員削減・時間短縮・作業統合など)
  • 機械導入だけでなく、ICT・基幹システム・測量DX等の投資も採択されている

林業が「対象外」と誤解されがちな理由

補助金=製造業の設備投資、というイメージが強いため、林業では「使えないのでは?」と誤解されがちです。しかし実際には、採択事例の中に林業機械導入、林業DX、木材加工の自動化などが複数見られます。

つまり、林業=対象外ではない。むしろ、現場の省力化インパクトが大きい分、要点を押さえた計画なら十分に勝負できます。

【採択事例】林業分野で実際に採択された省力化投資パターン(企業名なし)

ここからは、公開されている採択者一覧の記載(事業計画名)をもとに、林業関連で採択されている投資の代表パターンを整理します。企業名は出さず、取り組みの中身だけを抽出しています。

パターン1:高性能林業機械・林業専用重機の導入(伐採・造材・集材の省力化)

採択事例には、林業専用バックホーの導入による伐採工程の省力化と生産量拡大林業用重機導入による省力化と未利用材活用体制の構築といった趣旨の計画が確認できます。

このパターンで評価されやすいのは、次のような「省力化の説明」が明確なケースです。

  • 工程が統合され、作業人数を減らせる(例:2名→1名、3名→2名など)
  • 段取り・移動・手作業が減り、作業時間を短縮できる
  • 危険作業の機械化により、安全性を高めつつ稼働率を上げられる

ポイント:「機械が欲しい」では弱いです。どの工程が、どれだけ短縮され、何名分の省力化につながるかを数字で示すほど強くなります。

パターン2:多機能林業機械(1台多役)で作業統合し、省人化する

採択事例には、「1台4役」等の万能林業機械システム導入により、伐採作業を省力化する趣旨の計画が見られます。林業は工程が多く、機械と人員の組み合わせが複雑になりやすい分、多機能化による作業統合は審査上も「分かりやすい省力化」になりやすい傾向があります。

  • 機械の入れ替え回数削減(段取り時間の削減)
  • 同一オペレーターで工程を連続実施(人員配置の最適化)
  • 稼働率向上により、繁忙期の外注依存を減らす

パターン3:GNSS・測量機器・3次元データ等による「林業DX」(間接作業も省力化)

採択事例には、GNSS測量機の導入による林業DXと省力化、また林業・建築・土木の領域でICT施工(チルトローテータ等)を用いた省力化を狙う趣旨の計画が見られます。

林業は現場作業だけでなく、

  • 境界・測量・作業道計画
  • 進捗管理、出来高管理、写真管理
  • 発注者提出資料の作成

といった間接業務の負担が大きい業種です。ここが省力化できる計画は、現場の稼働時間を増やせるため、説得力が出ます。

書き方のコツ:「測量が楽になる」ではなく、再測量の削減、データ作成時間の短縮、提出書類の作成工数削減など、審査員がイメージできる形に落とすと通ります。

パターン4:基幹システム刷新・業務一元化(林業のバックオフィス省力化)

採択事例には、基幹システム刷新による業務一元化と高付加価値業務へのシフトといった趣旨の計画が見られます。林業では、案件ごとの原価・進捗・請求・外注管理が煩雑になりやすく、属人的な運用に陥りがちです。

ここで重要なのは「システム導入=採択」ではない点です。次のように、省力化の因果関係を示せると強くなります。

  • 二重入力の解消 → 月次集計時間の削減
  • 紙・Excel管理の廃止 → 転記ミス削減と確認作業の削減
  • 案件別粗利の見える化 → 不採算案件の抑制(利益率改善)

パターン5:木材加工・製材工程の自動化・DX(製材ラインの省人化)

林業そのものだけでなく、周辺領域である木材加工・製材でも採択事例が確認できます。例えば、製材ラインをDX化・自動化して省人化と効率化を図る趣旨、あるいは特注加工可能な製材設備導入による工程省力化と高付加価値化を狙う趣旨の計画が見られます。

製材・木材加工は「省人化の数字」が出しやすい分、強いです。例えば、

  • 搬送・選別・検査の自動化
  • 段取り替え時間の削減
  • 不良率低下による手直し工数削減

などを定量化できると、審査上の説得力が一気に上がります。

採択されやすい林業計画の共通点:結局「省力化の説明力」

共通点1:省力化を数字で説明している

採択されやすい計画に共通するのは、投資の効果を定量的に示している点です。林業の現場は「慣れた人なら分かる」内容が多いので、審査員(非専門)でも理解できる形に翻訳する必要があります。

  • 作業人数:2名→1名(▲1名)
  • 作業時間:1日6時間→4時間(▲2時間)
  • 月次集計:20時間→5時間(▲15時間)

こうした数字があると、計画の強度が上がります。

共通点2:「省力化」だけでなく「高付加価値化」につなげている

採択事例の記載には、単なる省力化だけでなく、高付加価値化に触れているものが見られます。たとえば、工程を省力化して生まれた時間を

  • 品質向上(仕上げ・検査強化)
  • 営業・受注活動の強化
  • 未利用材の活用や新たな販路開拓

に回す、というストーリーです。補助金は「投資の正当性」を問われるので、省力化→利益改善→賃上げ・雇用維持まで線でつながるほど評価されやすくなります。

共通点3:設備投資が“更新”ではなく“改革”として語られている

不採択になりやすいのは「老朽化した機械を新しくします」という更新型の説明です。もちろん更新が必要な場合もありますが、申請上は、

  • 工程統合で人員配置を変える
  • データ連携で確認・転記を無くす
  • 再測量・やり直しを減らす仕組みにする

など、業務プロセスが変わる(改革)ことを明確にする必要があります。

林業で申請する際の注意点:不採択になりやすいパターン

注意点1:「現場の常識」が審査員に伝わらない

林業は専門性が高く、審査員が現場を知らないケースもあります。だからこそ、専門用語を並べるより、

  • 工程を図解できるレベルで分解
  • ボトルネック(何が遅いのか)を明確化
  • 投資でどこがどう変わるかを文章で再現

する必要があります。

注意点2:省力化効果が「気合い」「期待値」になっている

「効率化できると思う」「たぶん人手が減る」は弱いです。採択される計画は、現状データ(作業時間、稼働日数、人員配置、外注費、再作業率など)を押さえた上で、投資後の姿を数値で示します。

注意点3:補助金ありきで、事業の継続性が弱い

補助金が無いと回らない計画は評価されにくいです。投資後に

  • 受注単価がどう上がるか
  • 外注費がどう減るか
  • 粗利がどう改善するか

を示し、補助金は加速装置として位置付けるのが基本です。

省力化投資補助金×林業は「専門家活用」で通りやすくなる

率直に言うと、林業は書類で損しやすい業種です。現場では確実に省力化になる投資でも、文章化・数値化が弱いと評価が落ちます。

専門家を入れるメリットは、単に書類作成を代行することではありません。

  • 現場の動きを審査員に伝わる言葉に翻訳できる
  • 省力化効果を定量化する設計ができる
  • 投資と収益計画をつなげ、継続性の高い計画に整えられる

「採択される計画」は、現場感のある実務と、審査ロジックの両方が噛み合っています。林業はこの“翻訳”が難しいため、第三者の視点が入るだけで通過率が上がりやすい領域です。

よくある質問(林業×省力化投資補助金)

Q. 林業機械はどれでも対象になりますか?

A. 「林業機械だからOK」ではありません。省力化・生産性向上に直結する投資であることを、工程ベースで説明できるかが重要です。更新投資に見える場合は、工程改革(作業統合、人数削減、時間短縮など)として示しましょう。

Q. ICTやシステム投資は弱くないですか?

A. 採択事例には、業務一元化(基幹システム刷新)測量DX(GNSS等)の趣旨が見られます。重要なのは、システム導入そのものではなく、二重入力削減・確認作業削減・再作業削減などの省力化効果を具体化することです。

Q. どの段階で相談するべき?

A. 理想は「機械を決める前」です。投資内容を先に固めると、後から省力化ストーリーを作れず“更新投資”扱いになりがちです。構想段階で、現状の工程・ボトルネック・数値を整理してから設計するのが勝ち筋です。

まとめ

今回は省力化投資補助金を林業で活用するポイントについてまとめてきました。ポイントは下記の通りです。

  • 省力化投資補助金は林業でも活用でき、採択事例も複数ある
  • 採択の分かれ目は「業種」ではなく省力化効果の説明力
  • 採択事例は「林業機械導入」「多機能化」「測量DX」「基幹システム刷新」「製材工程の自動化」などに広がっている
  • 不採択になりやすいのは、更新投資に見える/数字が弱い/補助金ありきの計画
  • 林業は“翻訳”が難しいため、専門家の関与で通りやすくなる

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  • 採択実績300件以上:ものづくり補助金・事業再構築補助金等
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