事業再構築補助金の成長枠では通常枠とは異なり、新たな事業が市場規模が拡大しているまたは拡大する見込みの事業のみと限定されています。
事業再構築補助金のホームページの中で「成長枠の対象業種・業態の指定について」が公開されており、原則としてこの中から事業を選択する必要あります。
今回は成長枠の対象事業の一つである「繊維品卸売業(衣服、身の回り品を除く)」について解説していきます。
繊維品卸売業(衣服、身の回り品を除く)とは?事業再構築補助金成長枠の対象!
繊維品卸売業(衣服、身の回り品を除く)は事業再構築補助金の成長枠の対象事業です。
繊維品卸売業(衣服、身の回り品を除く)の具体的な成長枠の対象業種・業態は下記の通り。
- 5111 繊維原料卸売業
- 5112 糸卸売業
- 5113 織物卸売業(室内装飾繊維品を除く)
具体的に解説していきます。
5111 繊維原料卸売業
主として繊維原料を卸売する事業です。
生糸卸売業;生糸問屋;生糸輸出商;野蚕糸卸売業(天蚕糸,さく蚕糸など);副蚕糸卸売業;繭卸売業;野繭卸売業(天蚕,さく蚕など);綿花卸売業;麻類卸売業;原毛卸売業;獣毛卸売業;化学繊維卸売業;レーヨンパルプ卸売業;羊毛卸売業が対象事業です。
5112 糸卸売業
主として織物用の糸を卸売する事業です。
綿糸卸売業(織物用);人絹糸卸売業(織物用);スフ糸卸売業(織物用);合成繊維糸卸売業(織物用);毛糸卸売業(織物用);絹糸卸売業(織物用);麻糸卸売業(織物用);特和紡糸卸売業(織物用)が対象事業です。
5113 織物卸売業(室内装飾繊維品を除く)
主として織物を卸売する事業所です。
綿・スフ織物卸売業;絹・人絹織物卸売業;毛織物卸売業;合成繊維織物卸売業;化繊布卸売業;和紡織物卸売業;フェルト地卸売業;ニット生地卸売業;反物卸売業;麻織物卸売業;ふとん地卸売業が対象事業です。
衣類関係の卸売業は対象外
注意点として衣類関係の卸売業は対象外となります。
また、寝具・靴・かばんといった身の回りの卸売業も対象外となっています。
あくまで成長枠の対象となるのは繊維原料・糸・織物の卸売業のみとなっていますので、注意しましょう。
繊維品卸売業(衣服、身の回り品を除く)での採択事例
繊維品卸売業(衣服、身の回り品を除く)で採択事例は下記の通り。
事業計画名 | 事業計画概要 |
創業82年、1,790社の取引先を持つ繊維商社が、世界的に需要が増えている国産織布の製造に着手する | 82年の歴史を持ち、九州地方で数少ない原糸の取り扱いができ、1,790社の取引先を持つ繊維商社が、協力工場の廃業に伴い、世界的にも需要が増えており、取引先からニーズがある国産織布の開発製造に挑戦する。 |
設備投資を通じた産業資材用原糸市場への新分野展開 | 当社では長年にわたりカーペット用PP原糸の製造に取り組んできた。本事業では新たに産業資材用原糸の製造に取り組むため、設備投資を行う。原料価格高騰に対応した収益性の高い新事業により、新たな売上の柱を構築したい。 |
炭素繊維及びペーパーヤーン織物の新規事業を展開する再構築計画 | 顧客より、新素材である炭素繊維とペーパーヤーンの糸を使用した織物製造の引き合いがあったが、現有装置では対応できないという課題がある。そこで新規設備の導入により生産体制を確立し、経営状態の改善を目指す。 |
炭素繊維の糸(連続繊維)の開発と製造販売 | 創業より継承してきた紡績技術とその実績を活かし、炭素繊維の付加価値向上を見据えた炭素繊維の糸(連続繊維)の開発と製造販売を行う。 |
タオルの縫製技術力・経験を活かし、ホームファッションに関わる「編物市場」に参入 | タオルのような「織物」だけではなく「編物」にも対応できる加工体制を整え、縫製技術が求められる高単価な加工受託を推進し、ビジネス環境の変化にも耐えうる強固な経営体制を構築します。 |
まとめ
今回は事業再構築補助金の成長枠の対象である繊維品卸売業(衣服、身の回り品を除く)について解説してきました。ポイントをまとめると下記の通り。
- 繊維品卸売業(衣服、身の回り品を除く)は事業再構築補助金成長枠の対象事業
- 衣類・かばん・靴・布団は対象外
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