省力化投資補助金

省力化投資補助金は飲食店でも使える?対象設備・採択事例・申請のポイントを解説

省力化投資補助金は飲食店でも使える?対象設備・採択事例・申請のポイントを解説

飲食店でも省力化投資補助金(一般型)の活用は可能です。
ただし、単なる設備更新では弱く、注文・会計・調理・製造のどこを省力化し、どのように売上や利益改善につなげるかまで落とし込めた事業計画が必要です。

実際に中小企業省力化投資補助金(一般型)の採択結果を見ると、飲食サービス業の採択割合は第1回で1.4%、第2回で2.7%、第3回で1.6%となっており、製造業や建設業に比べると多くはありません。
とはいえ、飲食関連の採択事例は確実に存在しており、採択されやすいパターンも見えてきます。

この記事でわかること

✅ 省力化投資補助金が飲食店で使える理由
✅ 飲食店で対象となる設備・システム一覧
✅ 採択されやすい飲食店の事例パターン
✅ 不採択になりやすいNGケース
✅ 申請を成功させるための専門家活用のポイント

駒田裕次郎

監修: 駒田 裕次郎(こまだ ゆうじろう)

駒田会計事務所 【コマサポ】代表

【来歴】大手監査法人の経験を活かし、創業支援・補助金支援を中心とする「駒田会計事務所」を東京・渋谷に設立。資金調達や事業計画の作成、税務や経営相談まで顧客に寄り添うきめ細やかなサポートを提供。

【実績】創業融資・補助金の支援実績は、累計3,000件以上(2025年1月末現在)

【所有資格】公認会計士・税理士・認定支援機関

「一人ひとりの起業家の成功を願い、日本の未来を明るくする」をモットーに、日々奔走。

省力化投資補助金は飲食店でも活用できるのか

省力化投資補助金は、人手不足への対応や付加価値向上を目的として、省人化・省力化につながる設備導入やシステム投資を支援する制度です。
結論として、省力化投資補助金は飲食店も対象になります。
採択されるためには「便利になりそう」ではなく、どの業務が何時間削減され、どのように利益体質が改善するのかまで具体的に説明する必要があります。

また、この補助金には大きく分けて「カタログ型」と「一般型」の2種類があります。

カタログ型と一般型の違い

  • カタログ型:あらかじめ登録された省力化製品(POSレジ・配膳ロボットなど)を導入する仕組み
  • 一般型:自社の課題に合わせて設備やシステムを自由に設計できる

一見するとカタログ型は申請が簡単に見えますが、飲食店においては基本的に「一般型」の方が圧倒的におすすめです。

なぜ飲食店は一般型を選ぶべきなのか

理由はシンプルで、飲食店の課題は「既製品1つで解決できるほど単純ではない」からです。

実際の採択事例を見ても、

  • モバイルオーダー+POS連携
  • セントラルキッチン導入
  • 製造ラインの自動化
  • 複数店舗のデータ一元管理

といったように、複数の設備やシステムを組み合わせた設計型の投資が中心になっています。

カタログ型では単体の製品導入に限定されるため、こうした「業務全体の最適化」を表現しにくく、結果として効果が弱く見えてしまいます。

一方、一般型であれば、

  • 注文 → 会計 → 調理 → 提供までの一連の流れを設計できる
  • 人件費削減だけでなく売上向上まで説明できる
  • 店舗単体ではなく事業全体の成長ストーリーを描ける

といった強みがあり、審査においても評価されやすくなります。

飲食店の採択率は高くないが、戦い方はある

採択結果の概要資料では、飲食サービス業の割合は第1回で1.4%、第2回で2.7%、第3回で1.6%でした。製造業が5割超、建設業も1割超を占めていることを踏まえると、飲食業は主戦場ではありません。

ただしこれは「不利」というよりも、「戦い方が違う」というのが実態です。

実際に採択されている飲食店は、

  • 業務のボトルネックを明確にし
  • 省力化の効果を数値で示し
  • 売上・利益の改善までストーリー化している

という特徴があります。

つまり、飲食店で採択されるかどうかは、設備の良し悪しではなく、「一般型でどれだけ論理的に事業設計できるか」にかかっているといえます。

関連記事 飲食店が2026年に使える補助金まとめ|人手不足・DX対応に本当に使える制度はこれ

実際の採択事例から見る飲食店の傾向

ここでは、実際に公開されている採択事例の中から、飲食関連のものを確認していきます。見るべきポイントは、単なる店舗改装ではなく、オペレーション改善・注文会計の省人化・製造工程の効率化に寄っているかどうかです。

セントラルキッチン型は通りやすい

第1回公募では、大阪市の飲食店が「セントラルキッチン導入による飲食業務省力化プロジェクト」で採択されています。
これは、各店舗に分散していた仕込みや調理工程を集約し、効率化と品質安定を同時に狙う典型例です。

このタイプが強い理由は明確で、店舗ごとの属人的な仕込みを減らし、人件費や教育コストを圧縮しやすいからです。さらに、多店舗展開や外販との相性も良く、補助金の審査で重視される「再現性」「事業拡張性」を説明しやすい構造になっています。

POS・モバイルオーダー・QRオーダーは相性が良い

第3回公募では、「飲食店33店舗のPOSレジの入れ替えによる店舗管理データの一元化」で採択されています。複数店舗の売上・在庫・運営データを統合し、店舗管理の効率化を進める内容です。

また、第2回公募では「各店舗にモバイルオーダーシステムを導入・効率化で事業拡大」で採択され、第3回公募では「QRオーダーと無人精算機導入で実現する省力化と収益改善計画」で採択されています。

この流れから見ても、注文と会計をデジタル化する投資は、飲食店における王道の省力化テーマです。ホール人員の負担軽減だけでなく、回転率向上や注文ミス削減まで説明できるため、審査でも説得力を持たせやすいと考えられます。

弁当・中食・製造ライン型も強い

第3回公募では、「塚田農場高級弁当ライン強化と炊飯・盛付自動化による生産性向上」で採択されています。これは飲食店というより、飲食×製造のハイブリッド型といえる事例です。

また、東京都の飲食店では「黒蜜充填工程の自動化による生産性向上と省人化及び製造キャパシティ拡大」で採択されており、飲食そのものではなくても、食品製造を伴う事業は評価されやすい傾向が見えます。

つまり、店内営業だけに閉じるよりも、セントラルキッチン、テイクアウト、弁当製造、外販商品などに展開できる業態のほうが、投資効果を説明しやすく、採択可能性も高まりやすいです。

ベーカリー・寿司・専門店業態も可能性がある

第1回公募では「次世代レジシステムによる業務効率化と顧客満足度の向上」で採択されています。第3回公募では「新規ベーカリーカフェ店の設備導入による省力化・店舗運営高度化計画」で採択され、また「寿司店におけるきめ細かな注文対応を実現する独自オンライン注文システム導入事業」で採択されています。

ここから見えるのは、ベーカリーや寿司店のように、オーダー対応や製造工程に明確なボトルネックがある専門店は通しやすいという点です。専門店はオペレーションが複雑になりやすく、省力化前後の差を具体的に示しやすいためです。

どんな飲食店の業種が通りやすいのか

実際の採択事例から逆算すると、通りやすい飲食業態は次のように整理できます。

1. 多店舗展開している飲食チェーン

POSレジの統合、モバイルオーダーの一括導入、セントラルキッチン化など、複数店舗にまたがる投資は効果が見えやすく、採択事例とも整合します。1店舗だけの省力化よりも、投資効果の母数が大きく、再現性も高いのが強みです。

2. テイクアウト・弁当・中食に強い事業者

炊飯、盛付、包装、仕込みといった工程を自動化しやすく、飲食店でありながら製造業的な説明がしやすいのが特徴です。特に、店内売上だけでなく外販売上まで見込める事業者は、補助金との相性が良いです。

3. ベーカリー・和洋菓子・寿司などの専門店

ベーカリーや寿司などは、製造や注文対応に独自工程があり、省力化の余地を言語化しやすい業態です。レジ、オンライン注文、製造設備、自動化ラインなどを組み合わせることで、審査側にも効果を伝えやすくなります。

4. 人手不足の深刻な地方飲食店

公開事例は都市部が多いものの、制度自体は全国対応であり、地方の飲食店でも申請可能です。特に採択件数は大阪府・東京都・愛知県が多い一方、47都道府県すべてで採択事業者が存在しているため、地方でも十分チャンスがあります。

ただし地方の小規模飲食店は、単独店舗のレジ更新だけでは弱いです。予約導線の整備、テイクアウト強化、配達連携、仕込み効率化などを組み合わせて、「少人数でも売上を伸ばせる構造」まで描く必要があります。

逆に通りにくい飲食店のパターン

単なる設備更新だけのケース

古くなった厨房機器を新しくしたい、レジを新調したい、というだけでは弱いです。補助金の審査では、更新そのものではなく、その投資でどの業務が省力化され、どんな付加価値向上が起こるのかが求められます。

内装・改装メインのケース

見た目をきれいにしたい、座席を増やしたい、雰囲気を高級化したい、という投資は省力化と結びつきにくく、採択されにくいです。特に飲食店は、内装リニューアルをやりたがるケースが多いですが、ここに補助金を当てようとする発想は危険です。

数字が弱いケース

「忙しいので人手不足です」「少人数で大変です」では通りません。たとえば、注文受付に何分かかっているのか、会計に何分かかっているのか、仕込み人員が何名必要なのか、導入後に何%改善できるのかまで落とし込む必要があります。

飲食店が採択されるための事業計画の作り方

省力化の対象業務を明確にする

まずは、注文、会計、仕込み、調理、盛付、在庫管理、予約管理のうち、どこがボトルネックかを明確にします。ここが曖昧だと、設備やシステムを入れても「なぜ必要なのか」が伝わりません。

投資後の改善効果を数値で示す

省力化投資補助金では、感覚ではなく数字が重要です。たとえば以下のような指標が使えます。

  • 注文受付時間の短縮
  • 会計処理時間の短縮
  • ホールスタッフ人数の最適化
  • 回転率の向上
  • テイクアウト対応件数の増加
  • 日次・月次の管理工数削減

採択事例でも、POS一元化、モバイルオーダー、無人精算、オンライン注文など、数字で語りやすい投資が並んでいます。

売上向上までセットで語る

省力化はコスト削減だけでは弱いです。空いた人員をどう使うのか、新規顧客をどう獲得するのか、テイクアウトやECや法人需要にどう広げるのかまで示した方が強いです。

たとえば、注文・会計を自動化した結果、接客の質向上や販促強化に時間を回せる、弁当ラインを自動化した結果、昼需要や法人需要を取り込める、といったストーリーは評価されやすいです。

省力化投資補助金の申請は専門家に相談した方がよい理由

飲食店は、補助金の対象になりそうに見えても、実際には「説明の仕方」で落ちることが多いです。特に飲食業は、製造業ほど設備投資のロジックが明確ではないため、事業計画の設計力が結果を左右します。

補助金申請支援に対応している専門家へ相談すれば、

  • どの投資が補助対象として整理しやすいか
  • どの数値を使えば説得力が増すか
  • どんな書き方だと審査で伝わりやすいか
  • 不採択になりやすい論点をどう潰すか

といった点を事前に詰められます。

特に飲食店の場合は、「厨房機器を入れたい」から入ると弱くなりがちです。そうではなく、「人手不足下でも利益を出せる店舗運営に変える」という経営課題から逆算して申請書を作るべきです。この視点があるかどうかで、採択率はかなり変わります。

まとめ

今回は、省力化投資補助金における飲食店の採択傾向についてまとめてきました。ポイントは下記の通りです。

  • 飲食サービス業の採択割合は全体では高くないが、実際の採択事例は複数存在する。
  • 通りやすいのは、多店舗展開、注文会計DX、セントラルキッチン、弁当・中食強化などの業態である。
  • ベーカリー、寿司、専門店業態も、ボトルネックが明確なら採択の可能性がある。
  • 単なる設備更新や内装改装では弱く、省力化効果と売上向上を数値で示す必要がある。
  • 飲食店の申請は難易度が高いため、駒田会計事務所のような専門家と一緒に設計する方が現実的である。

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