近年、インバウンドが拡大している影響もあり、観光需要が高止まりしています。
一方で、人手不足は深刻化しており、従業員を確保するのに苦心している事業者の方も少なくありません。
その中で注目されているのが民泊の無人運営です。無人運営の民泊は、スタッフが常駐せずに宿泊者がスムーズにチェックイン・チェックアウトを行える仕組みを取り入れることで、運営コストを抑えつつ効率的な経営が可能です。
そこで今回は民泊の無人運営のメリットや設備投資のコツ、そして中小企業省力化投資補助金を活用して、設備の導入を低コストで実現する方法について解説します。
民泊の無人運営とは
無人運営の民泊とは、スタッフが現地に常駐せずに、宿泊者が自分でチェックインやチェックアウト、鍵の受け取りなどを行える運営スタイルを指します。
これにより、人件費が削減されるだけでなく、24時間対応が可能となり、運営効率が飛躍的に向上するため、新しい民泊のスタンダードとして注目されています。
現在の民泊ではインバウンドの需要も増加している一方で、長期滞在の需要も増加しています。
暮らすように旅を楽しむというスタイルの観光がインバウンドを中心に増えてきているリビング、キッチン、洗濯機など生活に必要な機能を備えた民泊はこういったスタイルの旅行客のニーズにマッチ。
無人運営のメリット
民泊の無人運営には様々なメリットがあります。
具体的には下記の通り。
(1) 人件費の削減
無人運営の最大のメリットは、人件費の大幅削減です。
通常、チェックインやチェックアウト業務、清掃などに必要なスタッフを減らすことができます。
特に、24時間対応のフロントスタッフを配置する必要がなくなるため、夜間の人件費が大きく削減されます。
(2) 24時間対応による利便性向上
無人運営のシステムを導入することで、宿泊者は好きな時間にチェックイン・チェックアウトが可能になります。
これにより、深夜に到着するゲストや早朝に出発するゲストもスムーズに利用できるため、顧客満足度の向上が期待できます。
(3) 運営の効率化
予約管理システムや自動チェックイン機能を導入することで、業務の多くが自動化され、スタッフの負担が軽減されます。
これにより、少ないリソースでも効率的な運営が可能となり、複数の施設を一元管理することも容易です。
省力化投資補助金を活用することでコストを最小限に!
無人運営に必要な設備を導入する際、初期費用が大きな課題となります。
しかし、中小企業省力化投資補助金を活用することで、初期投資を抑えることが可能です。
中小企業省力化投資補助金とは
中小企業省力化投資補助金は、人手不足に直面している中小企業がIoTやロボットなどの効果的な汎用製品を導入することで、企業の付加価値や生産性の向上を図ることを目的としています。
正式には「中小企業省力化投資補助事業」と称され、経済産業省が関連情報を提供しています。
(中小企業省力化投資補助金のホームページ)
簡単な概要は下記の通りです。
カタログに掲載された製品を導入する企業に対して、下記の金額を補助します。
従業員数 | 補助率 | 補助上限額(通常) | 補助上限額(大幅な賃上げを行う場合) |
---|---|---|---|
5人以下 | 1/2 | 200万円 | 300万円以下 |
6~20人以下 | 1/2 | 500万円 | 750万円以下 |
21人以上 | 1/2 | 1,000万円 | 1,500万円以下 |
2024年12月6日、事業概要に「一般型」が追加され、カスタマイズ機器やソフトウェア+ハードウェアなど、事業内容に応じた設備導入やシステム構築が補助対象に加わりました。一般型の補助率や補助上限額などの詳しい詳細はこちらの記事で紹介していますので合わせてご確認ください。

カタログに掲載される機器は現在公募中ですが、現時点でも民泊で活用できる機器は複数あります。
次の章で解説していきます。
民泊に活用しやすい製品カタログ一覧
中小企業省力化投資補助金の製品カタログの名から特に、民泊で活用したい製品は下記の通り。
- 清掃ロボット
- 自動チェックイン機
- スチームコンベクションオーブン
具体的に解説していきます。
1. 清掃ロボット
清掃ロボットは、民泊施設の日常的な清掃業務を自動化することで、手間を大幅に削減することが可能です。
清掃ロボットの内容は下記の通り。

(省力化製品カタログ 中小企業省力化投資補助金ホームページ)
清掃ロボットは民泊の清掃業務を代行するロボットです。
清掃は民泊で必須の業務の一つとなっており、部屋の清潔具合が顧客満足度に大きく影響します。
そのため、最も時間がとられやすい業務であり、省力化できることで生産性を高めることができます。
通常であれば清掃ロボットは高額になりやすい傾向にありますが、中小企業省力化投資補助金を利用すれば、初期投資を抑えつつ、少額で導入することが可能です。
2. 自動チェックイン機
民泊に必須とも言える自動チェックイン機も中小企業省力化投資補助金の対象となります。自動チェックイン機の詳細は下記の通り。


(省力化製品カテゴリ 中小企業省力化投資補助金ホームページ)
自動チェックイン機の導入は下記のメリットがあります。
- 24時間対応が可能
- 多言語対応が可能
- ゲストの待ち時間削減
- 非接触による感染症対策体験の提供
現時点では自動チェックイン機の具体的な機器は公開されていませんが、今後公開されていく予定です。
特に民泊に特化した自動チェックイン機が期待されます。
3. スチームコンベクションオーブン
民泊施設で食事を提供する場合、スチームコンベクションオーブンの導入も検討余地があるでしょう。
簡単な概要は下記の通り。


(省力化製品カタログ 中小企業省力化投資補助金ホームページ)
スチームコンベクションオーブンは下記のメリットがあります。
- 多様なメニューの提供: 多様な料理方法でメニューを増やすことが可能に
- 調理時間の短縮: 人が調理する時間が短くなり、省人化が可能に。
- 単一の味が提供可能: 調理する人による味のばらつきがなくなる。
スチームコンベクションオーブンは現時点でも多数の製品カタログが公開されています。
民泊で食事を提供している事業者やこれから食事を提供しようと考えている事業者はスチームコンベクションオーブンの導入をぜひ検討してみてください。
まとめ
今回は民泊の無人運営のメリットや設備投資のコツについて解説してきました。
ポイントは下記の通りです。
- 人件費削減: 無人運営により、スタッフの配置を最小限に抑え、特に夜間の人件費を削減できます。
- 顧客利便性向上: 自動チェックイン機などの24時間対応システムで、宿泊客の利便性を高め、満足度を向上させます。
- 運営効率化: 清掃ロボットや自動チェックイン機の導入で、業務の効率化とスタッフの負担軽減が可能です。
- 補助金活用でコスト削減: 中小企業省力化投資補助金を活用することで、初期投資の負担を軽減し、無人運営を実現できます。
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