中小企業や小規模事業者にとって、経営支援のための補助金は非常に重要です。
特に「中小企業省力化投資補助金」と「小規模事業者持続化補助金」は、採択率も高く、中小企業にとって、非常に使いやすい補助金と言えるでしょう。
そこで本記事では、これら二つの補助金の違いを明らかにし、どちらを選ぶべきかを解説していきます。
中小企業省力化投資補助金とは?
中小企業省力化投資補助金は、主に省力化・省人化を目指す中小企業や小規模事業者を対象としています。
特に、労働力不足を補うためにIoTやロボットなどの先端技術を導入し、業務効率を大幅に改善したい企業に向いています。
目的
企業の生産性を向上させ、付加価値を高めることにあります。
また、これにより従業員の賃上げも促進し、企業全体の成長を後押しします。
補助額と補助対象経費
最小で200万円(従業員5名以下)、最大で1,500万円の補助が受けられます。
補助対象経費は、「カタログ」に掲載された特定の機器や設備に限られ、主に機械装置の導入費用が中心です。
申請の手間と採択率
現時点では、申請手続きが比較的簡易であり、採択率も高いと予想されます。
12万社が採択される予定であり、多くの企業がこの補助金を利用できる可能性があります。
小規模事業者持続化補助金とは?
小規模事業者持続化補助金は、規模の小さい事業者を主な対象としており、既存事業の継続や安定経営を支援することを目的としています。
事業の安定と拡大を支援することにあります。
既存のビジネスモデルを改善し、販路の拡大や売上の向上を目指す事業者に最適です。
補助額と補助対象経費
通常枠では50万円、特別枠では最大200万円までの補助が受けられます。
補助対象経費には、機械装置等の購入費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会出展費など、幅広い経費が含まれます。
申請の手間と採択率
申請手続きも比較的簡単であり、採択率は50〜70%程度と高めです。
広く利用されている補助金であるため、申請のハードルが低いのも特徴です。
どちらを選ぶべきか?
事業の規模と目的に基づく選択
中小企業省力化投資補助金は、省力化を通じて生産性を高めたい企業に向いています。一方、小規模事業者持続化補助金は、既存事業の安定と拡大を目指す小規模事業者に最適です。
必要な投資額と補助額の違い
中小企業省力化投資補助金は、最大1,500万円の補助が可能であり、大規模な投資が必要な場合に適しています。
小規模事業者持続化補助金は最大200万円の補助であり、比較的小規模なプロジェクトに適しています。
補助対象経費の違い
中小企業省力化投資補助金は、補助対象経費が限定的である一方、小規模事業者持続化補助金は幅広い経費が対象となるため、柔軟に活用できる点が魅力です。
申請の手間と採択率を考慮する
どちらの補助金も申請手続きが簡易であり、採択率が高いとされていますが、事業内容に応じて最適な補助金を選ぶことが重要です。
事業の将来計画との整合性
補助金を活用するプロジェクトが長期的な事業計画と一致しているかを確認することが重要です。補助金は一時的な支援であり、その後の持続可能な成長を見据える必要があります。
実際の利用例
中小企業省力化投資補助金と小規模事業者持続化補助金の活用事例を挙げてみます。
実際に利用する際の参考にしてみてください。
中小企業省力化投資補助金の利用例
1. 飲食サービス業における清掃ロボットの導入
利用例:
ある飲食サービス業の企業では、毎日多くの客を迎えるため、清掃業務が重要な業務の一部を占めていました。
しかし、従業員の数が限られており、清掃業務にかける時間が不足していました。
そこで、清掃ロボットを導入することで、ロビーや客席エリアの床面清掃を自動化しました。
ロボットは障害物を自動的に避けながら清掃を行い、従業員が他の業務に専念できるようになりました。これにより、清掃にかかる時間が大幅に削減され、店舗の全体的な運営効率が向上しました。
補助金の利用:
清掃ロボットの導入に際して、中小企業省力化投資補助金を活用し、初期導入コストの負担を軽減しました。
補助金を受けることで、企業は短期間でロボットの導入を実現し、効率的な清掃業務を展開できるようになりました。
2. 製造業における自動倉庫システムの導入
利用例:
中小規模の製造業者が、自社の倉庫管理業務を効率化するために自動倉庫システムを導入しました。
従来、倉庫スタッフが手作業で行っていた商品の出し入れや在庫管理は、時間と労力を要していましたが、自動倉庫システムを導入することで、これらの作業を全て自動化しました。
システムはロケーション管理や在庫管理を自動で行い、人的ミスを防ぐと同時に、業務効率を大幅に向上させました。
補助金の利用:
このプロジェクトにおいても、中小企業省力化投資補助金を活用しました。
高額なシステム導入費用を補助金で一部賄うことで、企業は迅速かつコスト効果の高い自動倉庫システムの導入を実現しました。
3. 飲食業におけるスチームコンベクションオーブンの導入
利用例:
小規模な飲食店では、調理の効率を上げるためにスチームコンベクションオーブンを導入しました。
これにより、従来シェフがフライパンで行っていた調理作業が簡略化され、焼く、蒸す、煮るなどの調理工程をボタン一つで自動化できるようになりました。
この結果、シェフは他の料理や接客に集中することができ、調理のスピードと品質が向上しました。
補助金の利用:
スチームコンベクションオーブンの導入に際して、中小企業省力化投資補助金を活用しました。補助金の支援により、店主は設備導入にかかる費用を削減し、短期間で店舗の調理能力を向上させることができました。
小規模事業者持続化補助金の利用例
1. 地域商店のWebサイトリニューアル
地域の小規模な商店が、オンラインでの売上を強化するために、Webサイトのリニューアルを行いました。
この商店は、長年地域に根付いた経営を行ってきましたが、オンライン販売に対応できておらず、売上が伸び悩んでいました。
小規模事業者持続化補助金を利用して、Webサイトを全面的にリニューアルし、EC機能やSEO対策を強化しました。これにより、地域外からの注文が増加し、売上が向上しました。
2. 飲食店のテイクアウト・デリバリーサービス開始
個人経営の飲食店が、コロナ禍での売上減少に対処するため、テイクアウトとデリバリーサービスを開始しました。この店は従来、店内飲食のみを提供していましたが、感染症対策で来店客が減少し、経営が厳しくなっていました。
小規模事業者持続化補助金を利用して、テイクアウト対応のパッケージング設備やデリバリー用の車両を購入し、これまでと異なる販路を開拓しました。結果として、新たな顧客層を取り込み、経営の安定化に成功しました。
まとめ
今回は中小企業省力化投資補助金と小規模事業者持続化補助金はどちらを選ぶべきかというテーマで解説してきました。
ポイントをまとめると下記の通り。
- 中小企業省力化投資補助金
- 対象: 労働力不足を補い、生産性向上を目指す中小企業・小規模事業者
- 目的: 省力化・省人化を通じて企業の成長を促進
- 補助額: 200万円~1,500万円
- 補助対象: 機械装置の導入費用など、限定的
- 申請手続き: 簡易で採択率が高い
- 利用例: 清掃ロボット、自動倉庫システム、スチームコンベクションオーブンの導入
- 小規模事業者持続化補助金
- 対象: 既存事業の継続・拡大を目指す小規模事業者
- 目的: 安定経営と販路拡大を支援
- 補助額: 50万円~200万円
- 補助対象: 機械装置、広報費、ウェブサイト関連費用など、幅広い
- 申請手続き: 簡易で採択率が50~70%
- 利用例: Webサイトリニューアル、テイクアウト・デリバリーサービス開始
- 選択のポイント
- 生産性向上を目指すなら「中小企業省力化投資補助金」
- 事業の安定と拡大を目指すなら「小規模事業者持続化補助金」
- 投資額と補助額に応じて選択
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