2025年に新設された中小企業省力化投資補助金(一般型)は、人手不足に悩む中小企業の設備投資やDX化を支援する大きな制度です。
省力化投資補助金を活用して、ERP(基幹システム)の導入を考えている企業にとって「ERP単体でも補助対象になるのか」「採択される事業計画書の書き方は?」といった疑問を持たれている方もいらっしゃるかと思います。
そこで本記事では補助金制度の概要、ERPが対象になる条件、実際の採択事例、採択される事業計画書のポイントを徹底解説します。
✅ ERPは省力化投資補助金の対象になるのか
✅ ERPの補助対象となる条件
✅ 採択事例から見る成功パターン
✅ 採択されやすい事業計画書のポイント
✅ 駒田会計事務所へ相談するメリット
Contents
省力化投資補助金でERPは対象になる?
ERP単体の導入ではなく、他機器と一体の導入をする必要がある
結論から言うと、ERP単体の導入では原則として補助対象になりません。
省力化投資補助金(一般型)は、オーダーメイド性のある設備やシステムを導入することで現場の省力化と生産性向上を図ることを目的とした制度です。
その特徴として、企業の個別現場に合わせた多様な設備やシステムを導入できる点、ハードとソフトを自由に組み合わせて事業全体を一体的に支援する点などが挙げられます。
そのため、ERPの導入だけでなく、機械装置やデジタル機器と一体的に導入し、省力化効果を示すことが求められます。
対象になる条件
省力化投資補助金(一般型)でERPを導入し補助対象とするためには、次の条件を満たす必要があります。
1. ハードウェアへの投資が必須– 1台あたり税抜50万円以上の機械装置を導入することが前提となっています。ソフトウェアのみの申請は不可で、ロボットや自動搬送機等の機械装置と組み合わせて省力化を実現する必要があります。
2. 専ら使用するソフトウェア費 – ERPなどの情報システムの構築・購入費は、導入する設備と一体的に省力化を実現するものであることが条件です。既存システムの保守や単なるバージョンアップは補助対象外と明記されています。
3. クラウド利用料の扱い – 月額・年額のクラウド利用料も専ら事業に使用する場合に限って補助対象に含めることができます。ただし、プロジェクト期間終了後の利用料は対象外です。
4. 補助上限額と補助率 – 従業員規模によって補助上限額が異なり、5人以下の場合は750万円、101人以上の場合は8,000万円(大幅賃上げ時は1億円)まで補助が受けられます。補助率は中小企業で1/2、小規模企業者や再生事業者は2/3です。
これらの条件を満たし、ハードとソフトを組み合わせた投資計画を策定すれば、ERPも補助対象として採択される可能性があります。
対象にならないケース
– ERPのみを導入する場合 – 機械装置が伴わないソフトウェア単体の申請は対象外です。公募要領では、少なくとも1件50万円以上の設備投資が必須とされています。
– 既存システムのリプレース – 既存システムのリニューアルや単なるバージョンアップは補助対象外です。
– 汎用クラウドサービス – 汎用的なクラウドサービス利用料は、専ら使用が確認できない限り対象外です。
– 省力化効果が乏しい投資 – ERP導入による人手不足解消や付加価値額向上の効果が不足している場合、採択されにくいと考えられます。
本制度はオーダーメイド性のある設備とシステムの一体導入を支援するものであり、ERP単体では対象になりません。最低50万円の機械装置投資と、専ら使用するソフトウェア費を組み合わせ、具体的な省力化効果や生産性向上を計画書に盛り込むことがポイントです。
ERP・基幹システムで採択された事例
省力化投資補助金(一般型)の採択結果を確認すると、ERPや基幹システムを活用したプロジェクトが複数採択されています。ここでは公開情報を基に事例を紹介し、採択理由を仮説として考察します。
事例1:倉庫のDX化プロジェクト
どんな事業か – 物流倉庫全体をデジタルトランスフォーメーション(DX)するために、基幹システムとデジタル機器を一体的に導入するプロジェクトです。自動倉庫やRFID機器、搬送ロボットを導入し、在庫管理や出荷業務を基幹システムと連携させて省人化を図ります。
なぜ採択されたと考えられるか – 機械装置(自動倉庫・搬送ロボットなど)と基幹システムを一体的に導入し、省力化効果と物流効率化を明確に示した点が評価されたと考えられます。設備投資額も大きく、労働時間削減や付加価値額向上が期待できるためです。
事例2:食品加工業者のERP構築計画
どんな事業か – 食肉加工・販売業を営む中小企業が、ERP基幹システムを構築して生産計画・販売・在庫管理を一元化するプロジェクトです。工場の加工ラインには新たな自動計量機や搬送装置を導入し、ERPから制御できるようにします。
なぜ採択されたと考えられるか – 加工ラインに自動装置を導入することで設備投資要件を満たし、ERPと連携させることで業務全体の省力化を実現しています。食肉業界特有のロス削減や衛生管理強化も盛り込んだ点が評価されたと推測されます。
事例3:教育サービス業の基幹システム統合
どんな事業か – 複数拠点を運営する学習塾が、教室ごとの顧客管理や授業スケジュール、経理を一つの基幹システムに統合するプロジェクトです。端末や電子ホワイトボードなど教育関連機器も導入し、データをリアルタイムで共有できるようにします。
なぜ採択されたと考えられるか – 拠点ごとに散在していた業務を集約することで人手を大幅に削減できる点、教育現場向けのデジタル機器導入により省力化とサービス向上を両立した点が高く評価されたと考えられます。
事例4:スポーツイベントのDX基幹システム構築
どんな事業か – スポーツイベント運営会社が、AIを活用したDX基幹システムを構築し、チケット販売・来場者管理・会場運営を統合管理するプロジェクトです。会場には自動ゲートやセンサー機器を設置し、来場データをリアルタイム分析します。
なぜ採択されたと考えられるか – AIやIoTデバイスを組み合わせた先進的な事業であり、運営スタッフの負担を大幅に削減できる点が評価されたと推測されます。データ分析に基づくサービス改善や新たな収益源創出も盛り込まれていると考えられます。
事例5:生産管理システムの構築
どんな事業か – 製造業者が生産管理システムを新たに構築し、機械設備の稼働状況をリアルタイムで把握するプロジェクトです。工場内にセンサーや自動搬送装置を導入し、稼働データをシステムで集計・分析します。
なぜ採択されたと考えられるか – 生産管理システムを新規に構築することで、既存のエクセル管理から脱却し、省人化と稼働率向上を図った点が評価されたと考えられます。センサーや自動搬送装置を導入して設備投資要件を満たし、省力化効果を具体的に示した点も採択につながったでしょう。
採択された事例では、いずれも基幹システムだけでなく機械装置やデジタル機器を組み合わせ、現場の省力化を実現している点が共通しています。ERP単体ではなく、生産ラインや倉庫、イベント会場など具体的な現場の課題を解決するための設備投資と連携していることが採択の鍵です。
採択されやすいERP導入の特徴
採択事例を踏まえると、ERP導入で採択されやすい特徴は以下のとおりです。
1. 設備投資と一体化したプロジェクト – ERPと一体的に導入する機械装置やIoTデバイスの投入を明確に計画し、ハードとソフトの連携による省力化効果を示すこと。
2. 現場の課題解決に直結 – 具体的な現場課題(在庫管理、人件費削減、品質管理など)を提示し、ERP導入によってどのように解決するのかを定量的に説明すること。
3. 付加価値額と生産性の向上 – 補助金の目的は付加価値額や生産性の向上、賃上げにつなげることです。ERP導入による売上増加やコスト削減、労働時間短縮を数値で示すことが重要です。
4. カスタマイズ性と汎用性のバランス – オーダーメイド要素を持ちつつ、過剰なカスタマイズにならないよう注意し、既製品の機能をうまく活用する計画が望ましいと考えられます。
5. 社内人材の活用とスキル向上計画 – 導入後の運用・改善を担う人材育成計画を盛り込み、単なる機器導入に終わらないようにすること。
採択されやすいERP導入事例の共通点は、「ハードとソフトの連携」「現場課題の具体性」「定量的な効果予測」「適度なカスタマイズ」「人材育成計画」です。ERPで何を省力化し、どのくらい付加価値を高めるのかを数値で示すことが採択率向上につながります。
事業計画書で重要なポイント
省力化投資補助金は、事業計画書の内容が採択を左右します。公募要領では技術評価・計画評価・政策評価など複数の評価項目が設けられており、これらに沿って丁寧に記述することが必要です。以下のポイントに留意して事業計画書を作成しましょう。
現状課題
現場でどのような人手不足や効率低下が起きているかを具体的に示します。例えば、在庫管理に多くの時間が取られて出荷遅延が発生している、毎月の集計作業に担当者が残業している等、現状の数値や作業時間を記述しましょう。
ERP導入理由
ERPを導入することで現状課題がどう解決されるかを説明します。受発注・在庫管理・生産計画・経理などを一元化することで、情報の二重入力や属人的な作業を削減し、業務プロセス全体が効率化されることを示します。
省力化効果
ハードとソフトの連携によって労働時間がどれだけ削減されるか、どのプロセスで何人分の作業を削減できるかを数値で記載します。労働生産性の年平均成長率や付加価値額の成長率を目標として設定し、CAGR4%以上を目指す計画が必要です。
人手不足解消
ERP導入によりスタッフの配置転換や育成計画が可能になり、人手不足解消にどう貢献するかを記述します。また、削減した工数を新たな付加価値業務に充てることで売上増につながることも示しましょう。
付加価値額・賃上げ
付加価値額の増加と賃上げを達成するための計画を盛り込みます。補助金の上乗せ要件(大幅な賃上げ)を適用すると補助上限額が引き上げられるため、賃上げ計画の具体性も重要です。
収益計画
ERP導入後の売上高や利益の推移を示し、投資回収期間や費用対効果を説明します。補助金を活用することで自己負担が軽減されるため、損益分岐点がいつ改善するかを明確にします。
事業計画書では、現状課題・ERP導入理由・省力化効果・人手不足解消・付加価値額と賃上げ・収益計画を具体的に記述することが重要です。評価項目に沿って定量的に示し、労働生産性の向上や賃上げ目標を明確にすることで採択率が高まります。
ERP導入でよくある質問(FAQ)
Q1. ERPはどのようなタイプが対象となるのか?
A. 本制度ではオーダーメイド性のあるシステムが評価されますが、市販のERPでも機械装置と連携し、省力化に効果があるものなら対象となります。カスタマイズ費用や導入サポート費用も含めて補助申請が可能です。
Q2. クラウド型ERPの利用料は補助対象になるのか?
A. 月額・年額のクラウドサービス利用料は、専ら本事業に使用する場合に限って補助対象に含めることができます。ただし、プロジェクト期間終了後の利用料や汎用的なクラウドサービス費は対象外です。
Q3. 補助対象外となる費用には何があるか?
A. 既存システムの保守・アップグレード費、従業員の人件費、役員給与、広告宣伝費、事業に直接関係しない費用などは対象外です。また、リースやレンタル料も基本的に対象外となります。
Q4. 申請に必要な期間はどのくらいか?
A. 申請書類作成には2〜3週間程度かかることが多く、申請ポータルでの受付期間は公募ごとに決められています。GビズIDプライムアカウントの取得も必要であり、取得には数週間を要するため早めの準備が必要です。
Q5. 採択後の事務手続きは複雑か?
A. 採択された後は、交付申請や実績報告、検収書類の作成など多くの手続きが必要です。計画どおりに設備を導入しなければ補助金が減額・不交付となる場合もあるため、専門家にサポートを依頼することが安全です。
よくある質問では、ERPの種類やクラウド利用料、対象外費用、申請期間、採択後の手続きなどが挙げられます。これらのポイントを理解し、適切に準備することがスムーズな申請につながります。
駒田会計事務所へ相談するメリット
駒田会計事務所(コマサポ)は、省力化投資補助金やその他補助金の申請代行を専門とする会計事務所です。ERP導入を検討している企業が同事務所に相談するメリットは次のとおりです。
1. 採択率向上のノウハウ – 多数の採択実績から申請のポイントや審査の視点を熟知しており、事業計画書のブラッシュアップをサポートします。
2. 事業計画書作成支援 – 現状分析から課題整理、数値計画の作成まで伴走し、評価基準に沿った計画書を作成します。
3. 交付申請・実績報告の代行 – 採択後の交付申請や実績報告など煩雑な手続きをサポートし、期限を管理します。
4. 全国対応 – リモート対応を含め全国の企業をサポートしており、地方企業でも気軽に相談できます。
専門家に相談することで、採択率の向上だけでなく、申請から交付・実績報告までスムーズに進められます。特にERPのようにハードとソフトの連携が必要な案件では、専門的な知見を持つ支援機関と協力することが成功の鍵です。
まとめ
今回は省力化投資補助金でERPは対象になるのかについて解説しました。ポイントは以下のとおりです。
1. ERP単体は対象外 – 省力化投資補助金(一般型)はハードとソフトを一体的に導入し、省力化効果を示すことが求められます。
2. 機械装置投資が必須 – 1台50万円以上の機械装置導入が前提であり、ソフトウェア費は設備と一体的に省力化に貢献する場合のみ補助対象です。
3. 採択事例の共通点は連携と効果 – 採択された事例では、ERPと自動倉庫や搬送機器、AIシステムなどを連携させて明確な省力化効果を示しています。
4. 事業計画書では定量的な効果を記述 – 現状課題、導入理由、省力化効果、付加価値額や賃上げ計画を数値で示し、評価項目に沿って作成することが重要です。
5. 専門家への相談が近道 – 補助金申請は制度理解と計画書作成が鍵であり、補助金に精通した専門家に相談することで採択率向上と手続き負担軽減が期待できます。
これらの記事では、省力化投資補助金の最新情報や地域ごとの活用事例を紹介しています。
まずは無料相談から始めてみませんか?
「自分の事業が補助対象になるか分からない」「どのように申請すればいいか不安」という方も、まずはお気軽にご相談ください。
駒田会計事務所では、初回無料相談を通じて、事業内容やビジョンに合った補助金の活用方法をご提案しています。
✅ 駒田会計事務所では、補助金申請のご相談を全国対応で承っております (監修:公認会計士 駒田裕次郎| プロフィールを見る)
- 採択実績300件以上:ものづくり補助金・事業再構築補助金等
- 「新事業進出補助金」にもいち早く対応し、各業種で申請支援中
- 公認会計士が直接対応:制度に詳しい専門家が丁寧にサポート
- オンライン完結・地方対応OK:全国どこからでも相談可能です
📩【まずは無料相談から】 「どの補助金が使えるか分からない…」という方も安心してください。 貴社に合った補助金を一緒に探し、申請可能性を無料で診断いたします。





















