新事業進出補助金

新事業進出補助金における「事前着手」は認められない!補助対象外とならないための注意点とは?

新事業進出補助金における「事前着手」は認められない!補助対象外とならないための注意点とは?

新市場への挑戦や高付加価値事業への転換を後押しする「新事業進出補助金(旧:事業再構築補助金)」は、中小企業等の成長を支援する制度として注目されています。

しかし、申請にあたって注意すべき重要なルールの一つに「事前着手」の問題があります。本記事では、

  • そもそも事前着手とは何か?
  • なぜ原則として認められない可能性が高いのか?
  • うっかり事前着手と見なされる行為とは?
  • 正しく補助を受けるためのポイント

について、現時点での情報と過去の補助金制度を踏まえて解説します。

新事業進出補助金において、正式に事前着手が認められないこととなりました。

新事業進出補助金における「事前着手」は認められない!

新事業進出補助金において正式に事前着手が認められないこととなりました
公募要領内に下記の通り記載があります。

(事前着手の禁止)
⚫ 補助対象経費は、補助事業者自身が、補助事業実施期間内に補助事業のために支払いを行ったことを確認できるものに限ります。交付決定日より前に補助事業に係る製品の購入や役務の提供に係る契約(発注)等した経費は、補助対象になりません。

「事前着手」とは?

補助金制度における「事前着手」とは、補助金の交付決定を受ける前に、対象事業の一部を開始してしまうことを指します。たとえば、以下のような行為が該当するとされています:

  • 設備の契約・発注・納品・支払い
  • 内装工事の開始
  • 新規事業の営業活動をすでに始めている

事業再構築補助金では下記のように説明されていました。

補助事業の開始(購入契約(発注)等)は、交付決定後に行うことを原則としており、交付決定前に事業開始された場合は、原則として補助金の交付対象とはなりません。ただし、本事業においては、早期の事業再構築を図っていただくために必要となる経費について、補助金の交付決定前であっても、事務局から事前着手を受理された場合は、令和 4 年 12 月 2 日以降に購入契約(発注)等を行った事業に要する経費も補助対象経費とすることができます。

第 10 回公募、第 11 回公募における事前着手届出制度について

このような行為は、交付決定より前に行われた場合、補助対象とならない可能性が高いと考えられています。

なぜ事前着手は原則認められない可能性が高いのか?

補助金制度では、交付決定後に着手することが基本とされています。
これは「事業再構築補助金」の第13回公募など、これまでの制度運用においても明示されていたルールです。

理由①:公正性の担保

事前に始めた企業だけが有利になることを防ぐため、制度の公正性を保つ必要があります。

理由②:予算の適正管理

交付決定の前に支出が発生していると、国としての補助金執行の管理が難しくなるためです。

理由③:制度趣旨との整合性

補助金は「これから取り組む新たな事業」に対する支援であるため、すでに開始された事業との整合性がとれなくなる可能性があります。

このような理由から、新事業進出補助金においても、事前着手が原則として認められない可能性が高いと推測されます。
事業再構築補助金でも第12回公募から事前着手は廃止されています。

「うっかり事前着手」になりやすい事例とは?

以下のようなケースは、事前着手と判断される可能性があるため注意が必要です:

ケース1:見積書ではなく「発注書」を先に出してしまった

設備導入のための見積もりを依頼するのは問題ありませんが、「発注書」の発行が着手と見なされるケースがあります。

ケース2:契約書に日付が入っていた

交付決定前の日付で契約書を交わしていた場合、事前着手と解釈される恐れがあります。

ケース3:SNSやHPで「○○事業を始めました」と発信

事業の開始を示すような情報発信も、実質的な着手と判断されることがあります。

ケース4:すでに資金を支払っている

前払いや手付金の支払いも、実質的な着手行為と見なされることがあります。

例外的に認められるケースも存在するが限定的

過去の補助金制度においては、「事前着手届出書」の提出により例外的に認められるケースも存在しました。ただし、これは災害対応や緊急性が認められる場合など、かなり限定的な条件下に限られていました。

新事業進出補助金についても同様の運用がなされる可能性がありますが、現時点では明確な公募要領が示されていないため、基本的には事前着手は避けるべきと考えられます。

補助金の交付決定前と後のタイミングを理解する

交付決定とは、「あなたの事業に補助金を出します」と正式に国が認めた状態です。
この決定前に行われた契約や支出は、補助対象にならない可能性が高いことを理解しておくことが重要です。

スケジュール管理がカギ

申請から交付決定までに数ヶ月を要することもあるため、この間にフライングで着手しないよう事業スケジュールを慎重に組む必要があります。

迷ったら専門家に相談を

事前着手に該当するかどうかは判断が難しいケースも多くあります。こうした不安を抱えたままでは、せっかくの補助金も受け取れなくなる可能性があります。

駒田会計事務所では、補助金の申請支援において、

  • 事前着手のリスク回避
  • 適切なスケジュール調整
  • 採択されやすい計画書の作成

など、専門的な支援を行っています。お気軽にご相談ください。

まとめ

新事業進出補助金では、交付決定前の事前着手は原則として認められない可能性が高いと考えられます。これは過去の制度である「事業再構築補助金」第13回公募などでも同様でした。

  • 着手=契約・発注・支払・工事開始など
  • 交付決定前は慎重に行動を
  • 判断に迷ったら専門家に相談を

補助金を安全に活用するために、制度の運用方針やスケジュールをしっかり把握し、リスク回避に努めましょう。

ご相談は駒田会計事務所までお気軽にどうぞ。

 

 

弊社では、今後公募が開始される予定である「新事業進出補助金」「中小企業成長加速化補助金」についてもご相談をお受けしております。

弊社はこれまで、ものづくり補助金をはじめとして事業再構築補助金、中小企業省力化投資補助金のサポートも行っており、多数の採択実績があります。また、交付申請や事業化状況報告等の補助金申請後のご相談やサポートも承っております。お困りごとがございましたらお気軽にご連絡下さい。

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