新事業進出補助金の申請書で見落とされがちですが、「事業の実現可能性」の記載内容は、採択の可否に直結する重要な評価項目です。
どれだけ魅力的なアイデアであっても、実行できる根拠が曖昧では信頼を得られません。
この記事では、審査項目に沿って「課題・スケジュール」と「事業実施体制」の書き方をわかりやすく解説。審査員に評価されやすい記載のポイントや、採択事例に共通する構成を紹介します。
✅ 「事業の実現可能性」欄に求められる2つの視点とは
✅ 記載すべき課題とスケジュールの具体例
✅ 体制構築の注意点と資金計画の立て方
✅ 採択事例に共通する構成パターン
✅ 駒田会計事務所による記載サポートの内容と強み
Contents
新事業進出補助金における事業の実現可能性とは
新事業進出補助金の事業計画書の中の記載事項の一つに事業の実現可能性というのがあります。
内容については下記の通り。
事業の実現可能性
① 課題及びスケジュール
・ 補助事業の事業化に向けた中長期での課題及び、事業化に至るまでの遂行方法、スケジュールや課題の解決方法について説明してください。
・ 事業実施期間内に投資する建物の建設・改修等の予定、機械装置等の取得時期や技術の導入や専門家の助言等の時期についても、可能な限り詳細なスケジュールを記載してください。
② 事業実施体制
・ 補助事業を実施するための体制(人材、事務処理能力等)、資金の調達方法について説明してください。
・ 既存事業の縮小又は廃止、省人化により、従業員の解雇を伴う場合には、再就職支援の計画等の従業員への適切な配慮の取組について具体的に記載してください。
審査員がこの項目で見ているのは、「本当にこの事業をやり切れるか」という遂行力と準備の具体性です。
単なる希望やビジョンではなく、中長期的な課題をどう乗り越え、限られた期間内にどのような体制で実行していくのかを示す必要があります。
公募要領の中に「定性的・定量的情報を用いて、具体的な理由や根拠を示しながら詳細に記載してください」と記載があるように、数字を活用して、具体的に記述していくのがポイントです。
具体的な記載ポイントについて解説していきます。
(1)課題およびスケジュール|事業化までの道筋を明確に伝える
この項目では、単に「やりたいこと」ではなく、実現できることかつ実行する準備が整っているかを審査員に伝える必要があります。そのためには、現時点で想定される課題、それに対する解決策、そして事業化までの具体的なスケジュールを記載することが重要です。
よくある課題とその解決策
補助事業の準備や開始段階では、以下のような課題が想定されます。それぞれの課題に対して、具体的な対応策や代替案を記載することが求められます。
想定される課題 | 解決策の一例 |
---|---|
建設工事の遅延リスク | 地元の信頼できる建設会社と早期に契約を結び、明確な工程管理表を作成。月次で進捗確認を行い、遅延を未然に防止。 |
専門技術の不足 | 外部の専門家(業界コンサルタント・大学研究者等)と顧問契約を締結し、定期的な助言を受ける体制を構築。 |
人材の確保 | 求人媒体や人材紹介を活用した採用計画を立てるとともに、採用後は社内研修で早期戦力化を図る。 |
生産開始までの運転資金の確保 | 地方銀行との事前の融資契約、自己資金の確保などで、資金繰りの見通しを明確化。 |
スケジュール例(フィットネスジム開業を想定)
事業実施期間内に「何を」「いつ」行うのかを月単位で記載することが基本です。必要に応じて週単位まで細かく記述することで、「実行計画が練られている」と評価されやすくなります。
時期 | 実施内容 |
---|---|
2025年8月 | テナント契約、内装設計の依頼 |
2025年9月〜11月 | 建物改修工事、トレーニング機器の搬入・設置 |
2025年12月 | スタッフの採用・研修、販促開始 |
2026年1月 | プレオープン、正式サービス開始 |
【記載例】課題と解決策(申請書形式)
■No.1
① 課題(50文字以内)
建物改修と運営開始までのスケジュール遅延リスク
② 解決方法/代替案(300文字以内)
改修工事や設備機器導入に伴うスケジュール遅延を回避するため、着工前に地元の建設会社と工期を確定し、施工工程表を月単位で共有。週次の工程会議にて進捗管理を徹底します。さらに、主要機器に関しては、納期遅延に備えて国内在庫品を選定済みで、代替調達ルートも確保しています。こうした体制を構築することで、事業開始前のリスクを最小限に抑え、計画通りの営業開始を目指します。営業開始の遅延を防ぐことにより、収益化への影響を回避し、事業の安定性を確保します。
(2)事業実施体制|人材・資金・管理体制の3本柱を整備
スケジュールやアイデアがどれだけ優れていても、それを動かす「人」や「資金」、「運営体制」の裏付けがなければ、実現可能性は低いと見なされます。
審査で見られる主要ポイント
以下の4点は、必ず事業実施体制において触れるべき重要事項です。
人材・役割分担の明確化:現場責任者、集客担当、経理担当などの配置計画
スキル・実績の裏付け:過去に類似事業を行っていた場合は、その成果を明記
資金調達計画の具体性:自己資金、融資、補助金の内訳や見込み額を明確に
事務処理能力の確保:会計ソフトの活用や顧問会計事務所の支援体制
雇用への影響とその対応について
補助事業によって既存事業の縮小や省人化が生じ、従業員の雇用に影響がある場合は、以下のような配慮を具体的に示す必要があります。
ハローワークや外部支援機関と連携した再就職支援
新規事業への配置転換や職域拡大による雇用維持策
相談窓口の設置や退職金支給計画など、誠実な対応方針の提示
【記載例】事業実施体制の概要(フィットネスジム事業)
本事業では、代表者が事業全体の管理を担い、施工業者・機器メーカー・採用担当と連携しながら、2025年8月に着工、2026年1月に開業を目指します。建物改修は地元業者と契約済み、トレーニング機器も国内調達先と契約交渉中で納期確保済みです。
スタッフは2名採用予定で、2025年12月に社内研修を行い、プレオープンに備えます。集客はSNSや地域媒体を活用し、11月より事前登録キャンペーンを展開。資金面では自己資金300万円、金融機関からの融資500万円、補助金上限を想定した事業資金を準備中です。
会計処理についてはクラウド会計ソフトを導入し、駒田会計事務所による月次レビューを実施予定です。
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駒田会計事務所では、新事業進出補助金の申請支援において「事業の実現可能性」項目を含めた申請書全体の作成・添削を行っており、特にスケジュール構築・体制設計・資金計画の立案支援に強みを持っています。
また以下の記事にはその他の申請の際にポイントとなる箇所について解説しています。
新事業進出補助金の事業計画書の書き方を徹底解説|採択されるコツとは?
新事業進出補助金の審査項目とは?採択を目指すなら押さえるべきポイントと専門家活用のススメ
こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。
まとめ
今回は「事業の実現可能性」についてまとめてきました。ポイントは下記の通り。
実現可能性は「実行力」と「体制構築」の裏付けが重要
中長期課題・スケジュールは具体的かつ現実的に示す
人材・資金の体制は「誰が」「どう管理するか」まで明記
採択事例はタスク・責任分担・外部連携が明確
駒田会計事務所による支援で、説得力のある事業計画書を作成可能
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