新事業進出補助金を活用してワーケーション事業を検討している事業者の方も多いのではないでしょうか。
急速に進むリモートワークの普及やワークライフバランスの重視により、ワーケーションの需要が高まっています。
企業や個人にとって新しい働き方を提供するワーケーション事業は、新事業進出補助金の対象として有力な選択肢となる可能性があります。
そこで今回は、新事業進出補助金でワーケーション事業が補助対象となるのかについて解説します。
新事業進出補助金とは?ワーケーション事業も補助対象か
新事業進出補助金において、ワーケーション事業が補助対象となる可能性は高いです。
新事業進出補助金とは人手不足や賃上げなどの経済環境の変化に対応し、中小企業が新しい市場や高付加価値事業へ進出する際に活用できる補助金です。
新事業進出補助金(正式名称:中小企業新事業進出促進事業)は、既存事業と異なる事業への前向きな挑戦であって、新市場・高付加価値事業への進出を後押しすることで、中小企業等が企業規模の拡大・付加価値向上を通じた生産性向上を図り、賃上げにつなげていくことを目的とした補助金となっています。
公募開始は2025年4月からとなっており、注目されている補助金です。
補助率は1/2で、補助額は最大9,000万円となっています。
補助額 | ||
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従業員数 | 補助金額 | 大幅賃上げ特例適応時 |
21人以下 | 750万円以上2,500万円以下 | 3,000万円 |
21~50人 | 750万円以上4,000万円以下 | 5,000万円 |
51~100人 | 750万円以上5,500万円以下 | 7,000万円 |
101人以上 | 750万円以上7,000万円以下 | 9,000万円 |
補助対象経費 |
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建物費、構築物費、機械装置・システム構築費(リース料を含む)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費 |
補助率・補助額が高く補助対象経費も幅広いです。
採択率は低めに予想されている難易度が高い補助金となりますが、チャレンジする価値は十分にあるでしょう。
ワーケーション事業は新事業進出補助金の対象となる可能性が高い
ワーケーション事業は、新事業進出補助金の対象として適用される可能性が高いと考えられます。その理由は以下の3点です。
- 事業再構築補助金でもワーケーション事業が補助対象だった
- リモートワークの普及と地方創生の推進
- 宿泊・オフィス環境の整備が補助対象経費に該当する可能性がある
1. 事業再構築補助金でもワーケーション事業は補助対象だった
新事業進出補助金の前身である事業再構築補助金では、ワーケーション関連事業は補助対象として認められていました。
特に地方でのワーケーション拠点の設置や、宿泊施設を改修してリモートワーク対応の環境を整備するプロジェクトが多く採択されました。
事業再構築補助金と同様の審査ポイントとなると思われる新事業進出補助金でもおそらく補助対象事業となるでしょう。
2. リモートワークの普及と地方創生の推進
リモートワークの普及により、都市部だけでなく地方でのワーケーション需要が増加しています。
政府は地方創生の一環として、地方での働き方改革を推進しており、ワーケーション事業が新事業進出補助金の趣旨に合致すると考えられます。
観光庁も「ワーケーションの活用 ~働き方改革や地方創生等の視点から~」という資料を提供しており、ワーケーション事業を積極的に推進しています。
国が推進する事業は採択されやすい傾向にあるため、ワーケーション事業も有力な選択肢の一つとなるでしょう。
3. 宿泊・オフィス環境の整備が補助対象経費に該当する可能性がある
新事業進出補助金の補助対象には「建物費」「機械装置・システム構築費」「広告宣伝・販売促進費」が含まれています。
ワーケーション事業では、宿泊施設の改修やリモートワーク環境の整備、プロモーション活動が必要になるため、補助金を活用しやすい分野といえます。
新事業進出補助金を活用したワーケーション事業のポイント
新事業進出補助金を活用してワーケーション事業を行う際のポイントを3つ紹介します。
- 施設改修費が補助対象
- 設備投資やインフラ整備も補助対象になり得る
- 地方創生や観光資源の活用が評価ポイントになる
1. 施設改修費が補助対象
新事業進出補助金では、建物費(改修費)が補助対象となります。
一般的な補助金では建物費が補助対象にならないことが多いですが、新事業進出補助金では施設改修が補助対象となるため、ワーケーション施設の開業やリニューアルに適しています。
2. 設備投資やインフラ整備も補助対象になり得る
ワーケーション事業には、
- 高速Wi-Fi環境
- リモートワーク用のデスクやチェア
- 会議室やラウンジスペース
といった設備が必要になります。
新事業進出補助金では、これらの設備投資が補助対象となる可能性が高く、事業開始時の初期投資を大幅に削減できます。
3. 地方創生や観光資源の活用が評価ポイントになる
ワーケーションは地方創生と相性が良く、地域の観光資源を活用することで事業としての魅力が増します。
政府が地方創生を推進する中、新事業進出補助金の審査でも「地域経済への貢献」が評価ポイントとなる可能性が高いでしょう。
ワーケーション事業の採択事例
新事業進出補助金の前身である事業再構築補助金で採択された事例について紹介していきます。
事業計画名 | 事業概要 |
---|---|
古民家サウナワーケーション事業による販路拡大の取り組み | withコロナによる顧客ニーズの変化や昨今の健康ブームに応じてコワーキングスペースとプライベートサウナの新設(サウナワーケーション)を通して当店の特徴でもあり強みで ある古民家を体感していただき、販路開拓を目指す取り組み |
インバウンド・国内旅行者のワーケーション向け宿泊施設の開業 | 長野県小諸市に所在する3階建の物件に対して、本事業により飲食・シェアオフィス・宿泊エリアの内装工事およびホームページ制作への設備投資を行い、国内外の旅行者をターゲッ トとしたワーケーション向け宿泊施設の新規開業に挑戦します |
老舗温泉旅館が仕事と憩いが共存するコワーキングスペースへ | 既存事業の顧客基盤及び顧客獲得ネットワークを活用し、静岡県伊豆半島エリアにおける国内旅行客及びインバウンド向け宿泊事業の運営を新規展開したいと考えている。留学・旅行需要 (インバウンド・アウトバウンド双方)の取り込みやコロナ禍で増加したワーケーション・地方への移住希望者へのプチ移住体験など幅広い需要を取り込む計画である。 |
【五島列島初】オーストラリア産珈琲×ワーケーション特化型カフェ | 本補助事業では、長崎県五島市の海岸沿いで、オーストラリア発祥の人気コーヒーを強みとしたワーケーション特化型カフェをオープンします。 さらに、五島市では市の注力産業としてワーケーション誘致を挙げており、市や地元ホテルと産学官連携を行うことで、地域活性化と共に、業績のV字回復を目指します |
新事業進出補助金でも事業再構築補助金と似たような審査ポイントとなる可能性が高いかと思われます。
上記の事業を参考に新たな事業を構築してみることをおすすめします。
まとめ
今回は、新事業進出補助金でワーケーション事業が補助対象となる可能性について解説しました。
- 新事業進出補助金は補助率1/2、最大9,000万円の補助が受けられる
- ワーケーション施設は補助対象となる可能性が高い
- 施設改修費、設備投資、広告宣伝費が補助対象となるため初期費用を抑えられる
- 地方創生や観光資源の活用が評価ポイントになりやすい
弊社では、今後公募が開始される予定である「新事業進出補補助金」「中小企業成長加速化補助金」についてもご相談をお受けしております。
弊社はこれまで、ものづくり補助金をはじめとして事業再構築補助金、中小企業省力化投資補助金のサポートも行っており、多数の採択実績があります。また、交付申請や事業化状況報告等の補助金申請後のご相談やサポートも承っております。お困りごとがございましたらお気軽にご連絡下さい。
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