新事業進出補助金

新事業進出補助金は運送業でも補助対象?事例やポイントを解説!

新事業進出補助金は運送業でも補助対象?事例やポイントを解説!

新規事業の立ち上げや事業拡大の際に活用できる「新事業進出補助金」。
近年、運送業界は物流の効率化や環境対応、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進が求められています。
特に、EC市場の拡大や物流のラストワンマイル問題に対応した新たなサービスが注目されています。
しかし、「運送業は補助対象になるのか?」と疑問に思う方も多いでしょう。

結論から言うと、新事業進出補助金を活用して運送業を新規開業・拡大することは可能です。
ただし、単なる運送事業ではなく、「新市場進出」や「高付加価値化」が求められます。

本記事では、新事業進出補助金を活用した運送業の新規展開のポイントや、採択事例について詳しく解説します。

運送業界の成長とビジネスチャンス

日本国内の物流市場は市場規模が大きい業界となっています。
2021年度の物流業界の売上規模は約29兆円、従業員数は約223万人に達しています(出典:物流を取り巻く現状と課題 国土交通省)。

特に、以下の分野において高い成長が見込まれています。

  • EC物流の拡大:ネット通販の利用増加により、2023年度のEC物流市場は前年比110%成長。
  • ラストワンマイル配送:宅配の需要増加に対応し、ドローン配送や自動運転車の導入が進んでいる。
  • 環境対応型輸送:脱炭素化の流れを受け、EVトラックや水素燃料トラックの導入が加速。
  • DX・デジタル物流の推進:AIを活用したルート最適化や自動倉庫システムの普及が進む。
  • 共同配送ネットワークの構築:複数企業間での配送網共有により、物流の効率化を実現。

また、国内貨物輸送量の約50%は自動車輸送が占めており、内航海運が約40%、鉄道が約5%と続いています(トンキロベース)
トラックを筆頭とする自動車輸送は今後も国内の物流において、重要な役割を担っていくのは間違いないでしょう。

2024年問題と運送業界の課題

一方で、運送業界では「2024年問題」と呼ばれる労働環境の変化が大きな影響を及ぼしています。
これは、働き方改革関連法の適用により、トラックドライバーの年間時間外労働時間が960時間に制限されることによって生じる課題です。
2024年問題により運送業界では下記の課題があります。

2024年問題の影響

  • 輸送能力の不足:規制強化により長時間労働が難しくなり、輸送能力が2024年度には約14%、2030年度には34%不足する可能性が指摘されています。
  • 運送コストの上昇:ドライバー不足による人件費の増加や、労働時間短縮に伴う配送効率の低下が運賃の上昇を招く可能性があります。
  • 物流の遅延リスク:従来の配送スケジュールが維持できなくなることで、物流全体の遅延や混乱が発生する懸念があります。

2024年問題への対応策

  • DXの推進:AIを活用した配送ルート最適化や、自動倉庫システムの導入。
  • EV・自動運転技術の導入:燃料コスト削減と環境負荷の軽減を図る。
  • 共同配送の促進:複数企業間での物流システム共有による配送効率化。
  • 労働環境の改善:業務の効率化により、ドライバーの拘束時間を削減。

このような業界の大きな変化に対応するためにも、新事業進出補助金を活用し、業務の効率化や新たな物流システムの導入を検討することが重要です。

新事業進出補助金とは?運送業も補助対象の可能性

新事業進出補助金(正式名称:中小企業新事業進出促進事業)は、既存事業と異なる事業への前向きな挑戦であって、新市場・高付加価値事業への進出を後押しすることで、中小企業等が企業規模の拡大・付加価値向上を通じた生産性向上を図り、賃上げにつなげていくことを目的とした補助金となっています。
公募開始は2025年4月からとなっており、注目されている補助金です。

補助率は1/2で、補助額は最大9,000万円となっています。

補助額
従業員数補助金額大幅賃上げ特例適応時
21人以下750万円以上2,500万円以下3,000万円
21~50人750万円以上4,000万円以下5,000万円
51~100人750万円以上5,500万円以下7,000万円
101人以上750万円以上7,000万円以下9,000万円
補助対象経費
建物費、構築物費、機械装置・システム構築費(リース料を含む)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費

補助率・補助額が高く補助対象経費も幅広いです。
採択率は低めに予想されている難易度が高い補助金となりますが、チャレンジする価値は十分にあるでしょう。

補助対象経費

  • 設備投資費用(自動倉庫などの導入)
  • 建物改装費(物流拠点・倉庫の整備)
  • システム構築費(ルート最適化AI・配送管理システム)
  • クラウドサービス利用費(運行管理システム・DXツール)
  • 知的財産権等関連経費(物流効率化技術の特許取得など)
  • 広告宣伝・販売促進費(マーケティング・ブランディング)
  • 外注費(ウェブサイト制作、PR動画制作)

補助率・補助額が高く、補助対象経費も幅広いため、運送業の新規展開や拡大に活用しやすい補助金です。

運送業関連の採択事例

以下は、新事業進出補助金の前身である事業再構築補助金で採択された運送業関連の事例です。

  1. EVトラックを活用した新規配送サービスの開始
    • 環境対応型の電動トラックを導入し、CO2削減を実現するエコ配送事業を展開。
  2. ドローン物流の実証実験とサービス開始
    • 遠隔地や山間部向けにドローンを活用したラストワンマイル配送事業を開発。
  3. 共同配送ネットワークの構築
    • 中小企業向けに物流の共同配送システムを構築し、コスト削減と効率化を実現。
  4. AIを活用したルート最適化サービスの導入
    • AIとビッグデータを活用し、最適な配送ルートをリアルタイムで提案する物流システムを開発。
  5. 倉庫管理の自動化と無人化
    • 自動倉庫やロボティクスを導入し、物流の自動化と業務効率化を実現。

まとめ

  • 新事業進出補助金は、新市場・高付加価値事業への進出を支援する補助金であり、運送業も対象となる可能性が高い。
  • 物流市場は拡大しており、特にEC物流、環境対応、AI活用分野の成長が著しい。
  • 補助率は1/2で、最大9,000万円の補助が受けられるため、事業規模に応じた活用が可能。
  • 採択事例を参考に、新市場進出や高付加価値化を意識した運送業の新規展開を検討すべき。

補助金を活用し、運送業の成長を実現しましょう!

 

 

 

 

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