新市場への参入や高付加価値事業への転換を後押しする「新事業進出補助金」では、収益計画の明確化が採択のカギを握ります。単なる売上目標の提示ではなく、「どのように事業を軌道に乗せ、補助金の趣旨に沿った成長を実現するのか」を定量・定性の両面から示す必要があります。
この記事では、収益計画の書き方・注意点・記載例を丁寧に解説するとともに、駒田会計事務所によるサポート内容についてもご紹介します。
✅ 新事業進出補助金における「収益計画」の位置づけと求められる記載内容
✅ 売上目標や価格設定など、事業化見込みを具体的に書くコツ
✅ 補助対象要件(新事業売上・付加価値・賃上げなど)を満たすための収益計画の立て方
✅ 賃上げ特例を活用する場合の注意点と記載例
✅ 駒田会計事務所による申請支援サービスのメリット
Contents
新事業進出補助金における「収益計画」とは?
補助金申請において「収益計画」は、採択後に事業として成立し、補助金が成果につながるかを判断するための極めて重要な審査ポイントです。
具体的には、以下の3つの観点からの記載が求められます:
補助事業の事業化見込み
補助対象要件(売上・付加価値・賃上げなど)への該当性
賃上げ特例の妥当性(希望する場合のみ)
新事業進出補助金のホームページの事業計画例では下記の通り記述があります。


具体的に解説していきます。
付加価値額・給与支給総額の目標値設定のポイント
新事業進出補助金の収益計画では、以下の3つの目標値の設定と達成根拠の記載が必須です。
① 付加価値額の目標値(%)
■ 求められること:
補助事業が終了する決算年度(基準年度)に対して、事業計画期間最終年度で付加価値額(=営業利益+人件費+減価償却費)が何%増加するかを設定します。
■ 書き方のポイント:
最低でも年平均3%以上の成長率が必要
例えば基準年度が4,000万円の場合、5年後に約4,637万円以上を計画
(年平均3%成長 → 最終年+15.9%)
② 一人当たり給与支給総額の目標値(%)
■ 求められること:
基準年度に対する1人あたり給与支給総額の成長率を設定し、最終年度までに目標を達成する必要があります。
■ 算出の留意点:
全期間でフルタイム勤務した正社員相当のみをカウント
産休・育休・短時間勤務者や途中入退社は計算対象外
パートタイム従業員は正社員換算(時間ベース)
③ 給与支給総額の目標値(%)
■ 求められること:
会社全体の給与支給総額(従業員全体への合計給与)の目標成長率を設定します。一人あたり給与とどちらかが要件を満たせばOKですが、両方満たす方が審査評価は高くなります。
■ 書き方のポイント:
過去実績・増員計画に基づく実現可能性のある目標値を設定
高すぎる数値は実現性が疑われるので注意
収益計画等の妥当性について
上記の収益計画の妥当性を文章で示す必要があります。
記載例について紹介しますので、参考にしてみてください。
【1】事業化目標時期
事業化の目標時期は2026年4月で、初年度の売上高は1.2億円を見込みます。
主力製品であるA部品は約20万円、B部品は約35万円で販売予定です。
3年後には売上を2.5億円へ拡大し、産業用部品市場でのシェア獲得を目指します。
工程自動化によって原価を15%削減し、価格競争力と利益率を両立。計画的な事業推進により、持続的成長と収益性の向上を実現します。
【2】新事業売上高要件の算出根拠と取組(300文字以内)
新事業売上高要件として、5年後に新製品の売上が全体の38%以上を占めることを計画しています。初年度売上1.2億円を基準とし、年平均成長率12%で新事業売上を推移。
市場ニーズに即した製品開発、デジタル販路拡大、展示会出展による営業強化などにより、新事業売上の構成比を高め、安定的な収益基盤の構築とともに市場競争力を確保していきます。
【3】付加価値額要件の算出根拠と取組(300文字以内)
付加価値額要件においては、基準年度の4,000万円から年平均3.8%成長し、5年後に5,200万円の達成を目指します。
要因として、自社製造率の向上、生産管理体制の見直し、AIによる品質検査の自動化による営業利益と効率性の向上を挙げています。競争力ある製品展開と高収益体制の構築を通じて、付加価値額要件を確実にクリアします。
【4】賃上げ要件・最賃水準要件・賃上げ特例要件の算出根拠と取組(300文字以内)
賃上げ要件では、給与支給総額の年平均2.5%増を計画し、役割拡大とスキルアップに応じた適正な昇給を実施します。
事業場内最賃水準は地域最低賃金より50円以上高く設定。賃上げ特例を選択する場合は、給与総額を年平均6.1%増加させ、職務評価制度と成果連動型賞与制度を導入。
従業員の満足度向上と生産性強化を両立させ、制度的にも継続可能な昇給を目指します。
【5】賃上げ特例の妥当性(300文字以内)
初年度給与支給総額は3,000万円、年平均6.1%の増加で、5年後には4,000万円の水準を計画。
原資は、新製品による粗利増加と業務プロセスのデジタル化による年間250万円のコスト削減で確保。
人材定着を図るため、職能評価制度と段階的な昇給基準を導入し、補助期間終了後も持続可能な賃上げ体制を構築。補助金制度の趣旨に適合した形で賃上げ特例要件を満たします。
電子申請における入力の注意点
電子申請システムでは、収益計画を8つの表(直近年度・基準年度・報告年度・1〜5年後)に分けて記入します。
パターン別の入力表一覧
| パターン | 入力表 |
|---|---|
| 賃上げ要件のみ | 表1, 表3, 表4~8(合計7表) |
| 賃上げ特例も選択 | 表1~表8(合計8表) |
記入のポイント
売上・営業利益・人件費・減価償却費は毎年度必須
「給与支給総額」「一人あたり給与」も計算される
要件該当性(年平均成長率3%以上など)を自動判定するため、整合性のある数値設計が必要
まとめ
今回は新事業進出補助金における収益計画の書き方について解説してきました。
この補助金では、補助事業の「事業化見込み」「新事業売上高要件」「付加価値額要件」「賃上げ要件」などを、定量的かつ実現可能な数値根拠をもって記載することが採択への鍵となります。
特に、以下のような数値を正確に設定し、補助金の目的に沿った成長ストーリーを描くことが重要です:
付加価値額の年平均成長率3%以上
新事業の売上構成比(例:全体売上の30%以上)
一人当たり給与支給総額の増加率
賃上げ特例を申請する場合の給与原資と継続計画
さらに、電子申請では各年度ごとの入力や整合性のある数値設計が必要となるため、事業計画全体との一貫性が求められます。
駒田会計事務所では、こうした収益計画の策定から記載文案の作成、要件に合致した成長シナリオの構築まで、トータルでサポートを行っております。
申請に不安がある方は、ぜひ一度ご相談ください。
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「自分の事業が補助対象になるか分からない」「どのように申請すればいいか不安」という方も、まずはお気軽にご相談ください。
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