2024年度より開始された「新事業進出補助金」は、中小企業等の新市場参入や設備投資を後押しする制度として、全国的に注目されています。事業再構築補助金の後継制度でありながら、より柔軟かつ使いやすく設計されている点が魅力です。
静岡県は製造業を中心に強い産業基盤を有し、自動車・機械・食品・医療・観光と多彩な分野で新規事業への展開が期待されています。
本記事では、静岡県で新事業進出補助金の申請を検討している企業の方向けに、制度の概要から、サポート業者の選び方、採択されやすい事業の傾向まで詳しく解説していきます。
Contents
新事業進出補助金とは?|中小企業の成長を後押しする制度
新事業進出補助金(正式名称:中小企業新事業進出促進事業)は、既存事業と異なる事業への前向きな挑戦であって、新市場・高付加価値事業への進出を後押しすることで、中小企業等が企業規模の拡大・付加価値向上を通じた生産性向上を図り、賃上げにつなげていくことを目的とした補助金となっています。
公募開始は2025年4月からとなっており、注目されている補助金です。
補助率は1/2で、補助額は最大9,000万円となっています。
補助額 | ||
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従業員数 | 補助金額 | 大幅賃上げ特例適応時 |
21人以下 | 750万円以上2,500万円以下 | 3,000万円 |
21~50人 | 750万円以上4,000万円以下 | 5,000万円 |
51~100人 | 750万円以上5,500万円以下 | 7,000万円 |
101人以上 | 750万円以上7,000万円以下 | 9,000万円 |
補助対象経費 |
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建物費、構築物費、機械装置・システム構築費(リース料を含む)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費 |
補助率・補助額が高く補助対象経費も幅広いです。
採択率は低めに予想されている難易度が高い補助金となりますが、チャレンジする価値は十分にあるでしょう。
静岡県の採択傾向|製造業が主軸、EV・半導体関連も注目
静岡県における第12回事業再構築補助金の採択実績を見ると、応募件数285件のうち92件が採択されており、採択率は32.3%と全国平均(25%程度)を大きく上回る結果となっています。
この高い採択率の背景には、県内の企業が持つ製造技術の高さと、成長市場を意識した挑戦的な取り組みが評価されている点が挙げられます
静岡県における第12回事業再構築補助金の採択事例を分析すると、最も多かったのは製造業です。
これは、県内の産業構造が自動車関連、電子部品、機械加工といった高い製造技術を基盤とした業種が集積していることを如実に表しています。
中でも特に目立ったのが、EV(電気自動車)関連部品の製造分野や、半導体製造装置向けの精密部品製造における新規事業展開です。
採択された製造業の事業傾向
EV分野への転換
従来は一般産業向け部品を製造していた中小企業が、EV用シャーシ、電装部品、熱管理部品の精密加工へと進出。
試作から量産対応まで可能とするため、自動化設備や対向液圧成形プレスなどの先端機器の導入が多く見られました。
半導体関連事業への参入
高精度加工やクリーン環境対応技術を活かし、半導体装置に不可欠な微細部品や精密コア製品の製造を新たに展開。
ニッチで高単価な市場をターゲットに、収益性と将来性の両立を狙う事例が採択されています。
DX化・資源循環への対応
塗料や副資材などの余剰資源をデジタルプラットフォームで流通させる仕組みを構築するなど、製造業とDXを掛け合わせたモデルも注目されました。
リユース・リサイクル・CO2削減といった社会的意義を強く打ち出した申請が多く、ESG投資の潮流とも親和性が高い内容となっています。
技術の多用途展開
もともと建築金物や住宅部材を作っていた企業が、災害対策用の耐震部品やレジリエンス性能を高める特殊構造材の開発に進出。
既存の加工技術・素材知見をベースに、需要のある新市場に適応する戦略が評価されました。
これらの採択事例を総合すると、静岡県では単なる設備更新や売上回復にとどまらず、
社会課題(脱炭素、防災、エネルギー、IT化)に対応した製造業のアップグレード
既存技術を活かしながらの異業種展開・高付加価値化
将来の成長市場(EV、半導体、デジタル流通)を意識した設備投資
といった“前向きな挑戦”が採択に結びついています。
静岡県内の中小企業が持つ高度な製造力に、新たなテーマ性や戦略性を加えた計画が、今後の採択のカギを握るといえるでしょう。
静岡県で申請サポート業者を選ぶ3つの基準
補助金申請は提出書類の完成度で結果が決まると言っても過言ではありません。採択率が15〜20%前後とされる中で、成功をつかむには信頼できるサポート業者の選定が重要です。
1. 事業計画書の策定や補助金の業務に特化した認定支援機関であること
新事業進出補助金の申請サポート業者を選ぶ際は事業計画書の策定や補助金の業務に特化した認定支援機関であることが重要です。
認定支援機関とはいってもそれぞれ得意・不得意があります。
日々の会計や決算書作成が得意だったり、M&Aが得意だったり、補助金が得意だったりと。
申請サポート業者を依頼しようとしている認定支援機関がどの分野が得意かということは確認しなければなりません。
確認するポイントとしてはブログの内容やホームページのトップページに何がかかれているかという点です。
ブログの内容が「補助金や事業計画書の策定に特化している」またホームページに「補助金の採択実績や事業計画書の策定について記載がある」といった場合、新事業進出補助金に適した事業者である可能性が高まるでしょう。
2.他の補助金での採択実績があること
新事業進出補助金の採択実績はもちろんのこと、他の補助金での採択実績が多数ある認定支援機関を選ぶことをおすすめします。
理由は新事業進出補助金の申請で作成する書類の内容は他の補助金と似ているためです。
補助金の採択実績が多数ある認定支援機関の場合、どのようなポイントを押さえれば採択に近づくのかというポイントが分かっています。
具体的には、新事業進出補助金と同じ経済産業省の補助金である「ものづくり補助金」や「事業再構築補助金」の採択実績の有無・採択件数を確認することが最も早いです。
3. サポート内容と費用体系が明確か
項目 | 相場 |
---|---|
着手金 | 10~20万円 |
成功報酬 | 採択額の5~15% |
オプション | 交付申請、報告支援、再申請対応など |
単に書類を作るだけでなく、事業内容のブラッシュアップや再申請対応まで含めて支援してくれるかを事前に確認しましょう。
専門家の伴走で採択率アップ|成功のカギは“戦略的申請”
補助金は「資金調達手段」であると同時に、「事業戦略を見直すきっかけ」でもあります。特に、静岡県ではEV・半導体・食品加工など成長分野との接点をどう構築するかが評価の分かれ目です。
事業計画に磨きをかけ、実行可能性や社会性、革新性を高めるためにも、構想段階から専門家と連携することが成功への近道です。
弊社でも静岡県の補助金申請サポートを実施中です
弊社では、静岡県の中小企業様を対象に、新事業進出補助金、事業再構築補助金、省力化投資補助金などの申請支援を行っております。
製造業、医療福祉、建設、サービス業に対応
静岡市・浜松市・富士市を中心に地域密着型支援
交付申請・報告対応もワンストップで支援
ものづくり補助金・省力化投資補助金のサポート実績も多数
不採択後の再チャレンジ支援も可能です
まとめ
静岡県での新事業進出補助金申請において成功するためには、
製造業の技術力や新規市場との接続を明確にした事業設計
専門家と連携した戦略的な申請準備
採択実績のある支援機関とのパートナーシップ
が非常に重要です。
新事業進出補助金は採択率が低く、難易度が高い補助金といわれていますが、静岡県は製造業が強く有利な地域性があります。
採択率が低いと言われる中でも、しっかりと準備をすればチャンスは十分にあります。
今こそ、制度を最大限に活用し、静岡から新たな一歩を踏み出しましょう。
弊社では、今後公募が開始される予定である「新事業進出補助金」「中小企業成長加速化補助金」についてもご相談をお受けしております。
弊社はこれまで、ものづくり補助金をはじめとして事業再構築補助金、中小企業省力化投資補助金のサポートも行っており、多数の採択実績があります。また、交付申請や事業化状況報告等の補助金申請後のご相談やサポートも承っております。お困りごとがございましたらお気軽にご連絡下さい。
こちらよりご相談ください。
ものづくり補助金の申請代行サポートについては、こちらよりご相談ください。
事業再構築補助金の申請代行サポートについては、こちらよりご相談ください。