2025年5月から新たにスタートした「新事業進出補助金(中小企業新事業進出促進事業)」は、従来の事業再構築補助金の後継として、中小企業の新たな挑戦を後押しする強力な支援制度です。
本補助金の最大の特徴の一つは、「リースによる設備導入」も補助対象に含まれる点です。これにより、初期投資の負担が大幅に軽減され、多くの中小企業がより柔軟に新規事業へ進出できるようになります。
この記事では、
新事業進出補助金の概要
リースが補助対象となる条件や注意点
採択されやすいリース活用の事例
補助金申請の際に気をつけたいポイント
などを分かりやすく解説します。
Contents
事業進出補助金とは?|制度のポイント
新事業進出補助金(正式名称:中小企業新事業進出促進事業)は、既存事業と異なる事業への前向きな挑戦であって、新市場・高付加価値事業への進出を後押しすることで、中小企業等が企業規模の拡大・付加価値向上を通じた生産性向上を図り、賃上げにつなげていくことを目的とした補助金となっています。
第1回公募が2025年4月22日(火)よりスタートしました。
公募要領は必ず確認しましょう。
補助率は1/2で、補助額は最大9,000万円となっています。
補助額 | ||
---|---|---|
従業員数 | 補助金額 | 大幅賃上げ特例適応時 |
21人以下 | 750万円以上2,500万円以下 | 3,000万円 |
21~50人 | 750万円以上4,000万円以下 | 5,000万円 |
51~100人 | 750万円以上5,500万円以下 | 7,000万円 |
101人以上 | 750万円以上7,000万円以下 | 9,000万円 |
補助対象経費 |
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建物費、構築物費、機械装置・システム構築費(リース料を含む)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費 |
補助率・補助額が高く補助対象経費も幅広いです。
採択率は低めに予想されている難易度が高い補助金となりますが、チャレンジする価値は十分にあるでしょう。
リースも新事業進出補助金の補助対象!
公募要領(P18〜)では、以下のように明記されています。
「機械装置・システム構築費」には、リースによる設備の導入も含まれます。ただし、対象要件を満たすリース契約であることが必要です。
中小企業等がリースを利用して機械装置またはシステムを導入する場合には、
中小企業がリース会社に支払うリース料から補助金相当分が減額されることを条件に、中小企業等とリース会社の共同申請が可能となっています。
この仕組みでは、補助金はリース会社に対して交付され、設備等の購入費用をリース会社が負担します。
なお、リース会社は中小企業でなくても申請が可能です。
このとおり、自社購入だけではなく、リースによる購入も補助対象となることから、新事業進出補助金は非常に使いやすい補助金であると言えるでしょう。
また次のように記載されている
しかしながら、補助対象となるリースには条件がありますので、下記の通り解説していきます。
補助対象となるリースの条件
リース期間が補助事業期間を満たすこと
補助事業の実施期間中にリース契約が継続している必要があります。
対象設備が事業遂行に不可欠であること
汎用品ではなく、新事業に特化した専用機器であることが望ましい。
所有権移転外リースであること
所有権が最終的にリース会社に残る「オペレーティングリース型」は対象となります。
ファイナンスリース(所有権移転型)は対象外とされる可能性があるため注意が必要です。
見積書、契約書、リース料明細の提出が可能であること
補助金事務局により書類の厳格なチェックがあります。
独立行政法人中小企業基盤整備機構が合理的と認める契約であること
補助対象経費として妥当と判断される必要があります。
補助の対象となる経費の例
自動化機器(食品加工機、梱包装置など)
AI搭載の生産管理システム
IoT対応センサー付き設備
工場内の無人搬送機(AGV)
高精度の3Dプリンタ など
なぜリース活用が中小企業に有利なのか?
① 初期投資を抑えられる
リースなら、まとまった資金を用意せずとも設備導入が可能。
補助金が活用できれば、リース費用の最大1/2が補助されるため、実質的なコストはさらに抑えられます。
② 保守・メンテナンス費込みの契約が可能
リース契約にはメンテナンスや保守対応が含まれる場合もあり、維持管理の手間とコストを削減できます。
③ 技術革新への対応が容易
リース期間終了後に最新設備への切り替えが可能。
特に技術変化が早い業界では、「買う」よりも「借りる」方が合理的です。
採択されやすいリース活用の事業計画とは?
補助金の審査においては、「新事業の実現性」「収益性」「社会的意義」などが重視されます。リースを活用した場合も、それがどのように事業の成果に貢献するかが明確でなければなりません。
【採択されやすい例】
例①:農業法人が食品加工に進出し、自動包装機をリースで導入
人手不足解消、販路拡大、生産性向上を実現。
地域の農産品の付加価値向上に貢献。
例②:町工場が航空機部品製造に進出。3D測定機器をリース導入
大手メーカーとの取引基盤構築。
精密加工分野での新市場参入。
例③:理美容業がEC販売向け自社化粧品製造ラインを構築
製造設備をリース活用。
D2Cビジネスへの参入で売上多角化。
【不採択となりやすい例】
汎用品を借りるだけで、新市場進出との関連が薄い
事業計画に収益予測や課題対策がない
リース費用の根拠や価格妥当性が不明確
補助金申請時の注意点(リース利用時)
リース利用時には下記の点に注意して申請しましょう。
見積書は「リース料内訳」が明記されたものを用意
設備導入の目的と効果を明確に記述
リース期間と補助事業期間の整合性をチェック
複数見積の原則に従う
通常、2社以上の見積を提出する必要があります。
補助金事務局からの追加資料請求に備える
駒田会計事務所が申請サポートを承ります!
リースを活用した補助金申請は、通常の設備購入よりも「契約内容のチェック」や「書類整備」が煩雑になります。申請書類の作成ミスや不備があると、採択のチャンスを逃すことにもなりかねません。
当事務所では、次のようなサポートを提供しています。
補助金対象かどうかの設備・契約チェック
採択されやすい事業計画の作成支援
書類収集・添削・申請代行
採択後の実績報告、補助金請求支援
まとめ
今回は新事業進出補助金はリースも補助対象になる点と注意点などについて解説してきました。
ポイントは下記の通り。
新事業進出補助金では、リース契約による設備導入も補助対象になります。
所定の条件を満たすリース契約であれば、補助率1/2が適用されます。
初期投資の負担を抑えつつ、柔軟に新規事業へ参入するチャンスです。
事業計画の完成度と申請書類の整備が採択のカギを握ります。
駒田会計事務所では、リースを活用した補助金申請のトータルサポートを実施しています。
駒田会計事務所では、申請書作成から事業化報告まで、補助金活用の「最初から最後まで」を一貫してサポートいたします。
「自社が対象になるか不安」「採択の可能性を高めたい」など、気になる点があればぜひお気軽にご相談ください。
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