新事業進出補助金のポイントとなる経費の一つに外注費があります。
外注費とはいっても、様々な外注費があるため、どこからどこまでが補助の対象となるのか悩まれる方もいらっしゃいますよね。
そこで今回は新事業進出補助金ではどのような費用が外注費となるのかを予想していきます。
新事業進出補助金では外注費は補助の対象となる
新事業進出補助金では外注費は補助の対象となります。
外注費といっても様々な外注費がありますが、基本的には事業再構築補助金のときと同じような要件になると考えられています。
事業再構築補助金で補助の対象となる外注費は下記の通り定義されていました。
外注費
本事業遂行のために必要な加工や設計(デザイン)・検査等の一部を外注(請負、委託等)する場合の経費
(事業再構築補助金 第四回公募要領P25)
また機械装置などの政策を外注する場合は、外注費に計上せず、「機械装置・システム費用」として、経費を計上する必要があると考えられてます。
新事業進出補助金でも事業再構築補助金と同様の要件になると考えられます。
外注費が補助の対象とならないケース
新事業進出補助金では原則として外注費は補助の対象となります。
しかしながら、中には外注費が補助の対象とならないこともあると思われます。
事業再構築補助金では補助の対象とならない外注費は下記の通りでした。
新事業進出補助金でも同様に下記の経費は補助対象外となると考えられます。
- 企画のみ行い、他は全て外注する
- 書面の締結がない
- 外注先の設備購入費などの投資費用
- 外部に販売する量産品を外注する費用
具体的に解説していきます。
企画のみ行い、事業活動のほとんどを外注する
自社は企画のみを行い、他の作業のほとんどを外注する場合は補助の対象外となると思われます。
事業再構築補助金の公募要領では、下記の通り明確に否定されていました。
・以下に該当する事業計画である場合には、不採択又は交付取消となります。
② 具体的な事業再構築の実施の大半を他社に外注又は委託し、企画だけを行う事業
(新事業進出補助金 第四回公募要領 P19)
例えばアパレル事業に新規展開するの場合、海外の服の生産を委託して、マーケティング会社に広告宣伝を依頼し、楽天市場などのECプラットフォームで販売するケースです。
ビジネスモデルとしては良くありますが、この場合自社は企画しかしておらず、他社にほとんどを外注または委託しています。
この場合は新事業進出補助金の補助対象外となる可能性が高いでしょう。
新事業進出補助金は「労働を伴う事業を通じて、事業を再構築していく」「雇用を生み出す事業である」「地域経済に普及する事業である」ということが原則です。
ですので、企画のみの場合、労働は外注先に任せることになります。
労働を伴わず、地域経済への波及効果や雇用の生み出す効果も限定的です。
そのため、企画しか行わない事業での外注費は補助とはなりません。
必ずメインの事業は自社で行い、事業の一部を外注するというスタンスを崩さないようにしましょう。
書面の締結がない
書面の締結がない外注費の場合は補助の対象外となると思われます。
どういった内容の外注費なのか、ほんとに外注しているのかを証明できないためです。
普段付き合いがある事業者の場合、書面の締結をせずに取引していることもあるかと思いますが、新事業進出補助金では必ず契約書などで書面の締結をするようにしましょう。
外注先の設備購入費などの投資費用
外注先が購入する設備費用やシステム費用は補助の対象とはなりません。
例え事業再構築に関わる費用であっても補助の対象となりません。
設備投資やシステム費用に関する補助対象はあくまで自社のみとなります。
システム費用や設備費用への投資が必須である場合は、内製化を検討してみることをおすすめします。
外部に販売する量産品の加工を外注する費用
外部に販売する量産品の加工を外注する費用は補助の対象外となります。
やや定義があいまいで分かりにくいので、該当になりそうな事業を行っている場合は、コールセンターに問い合わせすることをおすすめします。
外注費を適切に計上するためのポイント
新事業進出補助金において外注費を適切に計上するためには、いくつかの重要なポイントがあります。
外注費は多くの事業者にとって必要不可欠な経費ですが、不適切な計上やルール違反があると、補助金が不交付となるリスクもあります。
以下のポイントを押さえて、正確かつ適切に外注費を管理しましょう。
1. 契約書や見積書の作成
外注費を補助対象経費として認めてもらうためには、必ず契約書や見積書を作成することが求められます。具体的には以下の書類が必要です。
- 外注契約書: 業務内容、納期、報酬額、支払い条件が明確に記載されていること。
- 見積書: 外注費用の内訳や計算根拠が記載されていること。
- 請求書: 実際に外注費が発生したことを証明するもの。
これらの書類は必ず保管し、監査や報告の際に提出できるように準備しておきましょう。
2. 適切な外注先の選定
外注先の選定は透明性を持って行う必要があります。
親族や関係会社への外注が不適切に行われた場合、不正と見なされる可能性があります。
以下の基準を満たす外注先を選びましょう。
- 公正な取引が行える事業者
- 過去の実績や信用性が確認できる事業者
- 必要に応じて複数の見積もりを取得
3. 業務内容の明確化
外注業務の範囲や内容が曖昧な場合、補助対象経費として認められないことがあります。業務内容は以下のように具体的に定義しましょう。
- 加工、設計、デザイン、検査などの業務内容
- 作業範囲と成果物の定義
- 完了時の検収基準
4. 支払いのエビデンスの確保
外注費の支払いが実際に行われたことを証明するためには、銀行振込の記録や領収書が必要です。以下のエビデンスを確保しましょう。
- 銀行振込明細書
- 領収書や支払い証明書
- 請求書と振込内容の一致確認
5. 外注費の適正性
外注費が市場価格に比べて著しく高額である場合、不正な取引と見なされることがあります。以下のような基準を守りましょう。
- 業界相場に基づいた費用設定
- 不自然な価格設定の回避
- 作業内容に見合った適正な報酬
まとめ
今回は新事業進出補助金で外注費になるケースとならないケースについて解説してきました。
ポイントは下記の通りです。
- 外注費は補助対象経費:加工、設計、検査などの業務は補助対象になるが、設備費用は対象外。
- 補助対象外ケース:企画のみの外注、大半を外部委託、契約書未締結、外注先の設備投資費用。
- 契約書・見積書の作成:業務内容、報酬額、納期、支払い条件を明確に記載。
- 外注先の適正性:透明性を確保し、公正な業者を選定し、不正な価格設定を回避。
- 支払いエビデンスの確保:銀行振込明細や領収書を保管し、請求内容との一致を確認。
外注費は多くが補助の対象とはなりますが、一部対象外があります。
必ず事前に確認してから事業計画を策定していきましょう。
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