新事業進出補助金

新事業進出補助金は構築物は補助対象外!建物費の違いを解説

新事業進出補助金は構築物は補助対象外!建物費の違いを解説

新事業進出補助金(旧・事業再構築補助金の省力化投資補助事業の再編版)の最大の特徴の一つは、建設費に対して補助金が適用されることです。
しかし、ここで注意しなければならないのは「建設費には構築物が含まれない」という点です。

建物費と構築物は、税務や会計上、似たような分類に見えることから、誤って構築物を建物費に計上してしまうケースが多発しています。
しかし、構築物を建物費として計上した場合、その費用は補助対象外となるため、正確に両者の違いを理解しておくことが重要です

本記事では、新事業進出補助金における建物費と構築物の違いを詳しく解説し、補助金申請において注意すべきポイントについて解説します。

構築物は新事業進出補助金の補助対象外

構築物は、新事業進出補助金の補助対象とはならないと考えられます。
例えば、新事業進出補助金の前身の補助金である事業再構築補助金の公募要領では、建物費の項目内で以下のように明記されています。

「減価償却資産の耐用年数等に関する省令(昭和40年大蔵省令第15号)における『建物』『建物附属設備』に係る経費が対象です。『構築物』に係る経費は対象になりませんのでご注意ください。」

このように、補助金の対象となるのは建物および建物附属設備のみであり、構築物は明確に対象外とされています。

また、建物のように見える設備でも、構築物とみなされるケースが多いため、事前にしっかりと確認することが求められます。
誤って構築物を補助対象として申請しないよう注意が必要です。

構築物と建物費の違いとは?

構築物と建物費の違いを理解するために、まず「建物」の定義を確認しておきましょう。

建物の要件

建物費として認められるためには、以下の3つの要件を満たす必要があります。

  1. 外気分断性:屋根および周壁、またはこれらに類するものを有していること。
  2. 定着性:土地に定着していること。
  3. 用途性:特定の用途に供する状態になっていること。

構築物とは?

一方、建物の要件を満たさない工作物は「構築物」となります。

例えば、以下のような施設・設備は構築物に分類される可能性があります。

  • 塀・防壁(コンクリートブロック塀、フェンスなど)
  • 貯水用タンク(地下に埋め込まれたものなど)
  • アンテナ(基地局など)
  • 青空駐車場の舗装路面
  • アスファルト敷の舗装道路
  • 花壇や植栽施設

建物として計上できるものには、以下のような施設が含まれます。

  • 事務所
  • アパート・マンション
  • 工場
  • 倉庫
  • 店舗

ただし、見た目が建物に近い施設でも、構築物と判断されるケースもあります。例えば、牛舎が柱だけで周壁を持たない場合は構築物となりますが、壁を設ければ建物として認められる可能性があります。

建物附属設備は補助対象となる可能性が高い

新事業進出補助金では、建物附属設備は補助対象となる可能性が高いとされています
建物附属設備とは、建物本体に取り付けられ、建物の機能を補助する設備のことを指します。

具体的には、以下のような設備が建物附属設備に分類されます。

  • 電気設備(配線、コンセント、照明器具など)
  • 給排水設備(給水管、排水管、トイレ、洗面台など)
  • 空調設備(エアコン、換気扇、ダクト設備など)
  • エレベーター・エスカレーター
  • 防火設備(スプリンクラー、消火設備など)

これらの設備は、建物の使用に直接関わるため、補助対象となるケースが多く見られます。ただし、補助金の適用範囲は公募要領によって変更されることがあるため、申請前に確認が必要です。
国税庁のホームページの「第2節 建物附属設備」の中に建物附属設備について明確に定義されていますので、確認してみてください。

建物附属設備を補助対象経費として申請する場合は、建物との一体性や用途を明確にし、適切に分類することが重要です。
迷った場合は、税理士や補助金の専門家に相談し、正しい申請を行うようにしましょう。

補助金申請時の注意点

補助金の申請時には、計上する費用が建物費として認められるかどうかを慎重に確認する必要があります。具体的には、以下の点に注意してください。

建物か構築物かを明確に判断する

  • 建物費として計上したい場合、外気分断性・定着性・用途性を満たしているかをチェック。
  • 屋根や壁がない場合、構築物として分類される可能性が高い。

専門家(税理士や建築士)に確認する

  • 自己判断で建物費とするのはリスクがあるため、税理士に相談。
  • 事前に補助金事務局へ問い合わせるのも有効。

過去の補助金申請事例を参考にする

  • 事業再構築補助金の過去の公募要領などをチェックし、類似の事例がないか確認。
  • 例えば、グランピング施設やキャンプ場の設備は、ほとんどが構築物と判断される傾向がある。

計画変更や採択辞退も検討

  • 申請した経費の多くが構築物と判断された場合、補助対象経費が減少し、事業継続が困難になる可能性がある。
  • その場合は、Jグランツを通じて「採択辞退届」の提出も選択肢に。

まとめ

今回は、新事業進出補助金における「建物費」と「構築物」の違いについて解説しました。

  • 建物費は補助対象だが、構築物は補助対象外。
  • 建物として認められるには、「外気分断性」「定着性」「用途性」の3要件を満たす必要がある。
  • 建物の要件を満たさない場合、構築物と判断され、補助金の対象外となる。
  • 計上する経費が建物費か構築物か迷う場合は、税理士などの専門家に確認することが重要。

構築物は事業再構築補助金のときも、申請時の誤りが多く、公募要領の中でも注意点として挙げられていました。
申請前に誤りのないように必ず確認しておきましょう。

 

 

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