新事業進出補助金

カフェは新事業進出補助金の補助対象?事例とポイントを解説

カフェは新事業進出補助金の補助対象?事例とポイントを解説

新規事業の立ち上げや事業拡大の際に活用できる「新事業進出補助金」。
飲食業の中でもカフェは、新規参入しやすく、他の事業と組み合わせやすい業態です。しかし、補助金の対象となるかどうか気になるところでしょう。
結論から言うと、新事業進出補助金を活用してカフェを開業することは可能だと思われます。
ただし、単なるカフェ開業ではなく、「新市場進出」や「高付加価値化」が求められます。

本記事では、新事業進出補助金を活用したカフェ開業のポイントや、採択事例について詳しく解説します。

新事業進出補助金とは?カフェも補助対象の可能性

新事業進出補助金において、カフェが補助対象となる可能性は高いです。
新事業進出補助金とは人手不足や賃上げなどの経済環境の変化に対応し、中小企業が新しい市場や高付加価値事業へ進出する際に活用できる補助金です。

新事業進出補助金(正式名称:中小企業新事業進出促進事業)は、既存事業と異なる事業への前向きな挑戦であって、新市場・高付加価値事業への進出を後押しすることで、中小企業等が企業規模の拡大・付加価値向上を通じた生産性向上を図り、賃上げにつなげていくことを目的とした補助金となっています。
公募開始は2025年4月からとなっており、注目されている補助金です。

補助率は1/2で、補助額は最大9,000万円となっています。

補助額
従業員数補助金額大幅賃上げ特例適応時
21人以下750万円以上2,500万円以下3,000万円
21~50人750万円以上4,000万円以下5,000万円
51~100人750万円以上5,500万円以下7,000万円
101人以上750万円以上7,000万円以下9,000万円
補助対象経費
建物費、構築物費、機械装置・システム構築費(リース料を含む)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費

補助率・補助額が高く補助対象経費も幅広いです。
採択率は低めに予想されている難易度が高い補助金となりますが、チャレンジする価値は十分にあるでしょう。

カフェ事業は、新事業進出補助金の対象として適用される可能性が高いと考えられます。その理由は以下の3点です。

カフェ開業が補助対象となる可能性が高い理由

カフェ事業が新事業進出補助金の対象となる理由は、以下の3点が挙げられます。

1. 新市場・高付加価値事業としての展開が可能

新事業進出補助金は、単なるカフェ開業ではなく、新しい市場や高付加価値事業への進出を支援する補助金です。

例えば、

  • 健康志向のカフェ(オーガニック・ビーガンメニューの提供)
  • 地域資源を活用したカフェ(地元特産品の使用・地域コミュニティとの連携)
  • 体験型カフェ(ワークショップやイベントの開催)

といった形で、一般的なカフェとは異なる付加価値を提供する必要があります。

2. 設備投資が補助対象経費に含まれる

カフェ開業には、店舗改装費や設備投資が必要になります。
新事業進出補助金では、建物費・機械装置費・システム構築費などが補助対象となるため、大きな初期投資の負担を軽減できます。

3. 他業種とのシナジーが生まれやすい

カフェは他の業種と組み合わせやすい業態です。

例えば、

  • フィットネスジム × ヘルシーカフェ
  • 古民家再生 × 伝統文化カフェ
  • ペットショップ × ドッグカフェ

といった形で、既存事業とシナジーを生み出しやすく、新規市場参入がしやすい点が強みです。

4. 事業再構築補助金でもカフェが補助対象だった

新事業進出補助金の前身である事業再構築補助金では、カフェは補助対象として認められていました。
例えば第12回公募ではカフェ関連事業が30件以上採択されました。
事業再構築補助金と同様の審査ポイントとなると思われる新事業進出補助金でも、は補助対象となる可能性が高いといえます。

補助金申請のためのビジネスモデルの策定

新事業進出補助金の採択を受けるためには、単なるカフェ開業ではなく、「新市場進出」や「高付加価値化」が求められます。
そのため、以下のポイントを考慮し、事業計画を策定することが重要です。

(1) 独自性・差別化戦略

補助金の審査では「他のカフェと何が違うのか?」が問われます。以下のような付加価値を持つカフェのコンセプトが有効です。

  • ウェルネスカフェ:オーガニック食品、ヴィーガンメニュー、低糖質スイーツなど健康志向のメニューを提供。
  • リモートワーク特化型カフェ:高速Wi-Fi、個室ブース、会議室完備のカフェ。
  • 地域活性化カフェ:地元の特産品を使用し、地域文化や観光資源と連携。
  • サステナブルカフェ:ゼロウェイスト、リユース容器使用、地産地消をテーマに。
  • 体験型カフェ:バリスタ体験、パン作り体験、アートカフェなどの体験型要素を導入。

(2) 収益モデルの明確化

補助金は一時的な支援ですが、事業継続が前提となります。そのため、以下のような収益モデルを明確にすることが必要です。

  • 物販併設:コーヒー豆、オリジナルグッズ、テイクアウト専用商品などの販売。
  • サブスクリプションサービス:月額会員制のコーヒーパス、ワークスペース利用権。
  • オンライン展開:カフェブランドのECサイト運営。
  • イベントスペース貸出:ワークショップや講座の開催による追加収益。

カフェ事業の採択実例

新事業進出補助金の前身である事業再構築補助金では下記のような事業が採択されていました。

(1) 地元住民が楽しめる農産物カフェ

  • 事業内容:地元農家から仕入れた旬の食材を活かしたカフェを開業。
  • 新市場進出の要素:規格外フルーツの活用、フードロス削減、地域産業振興。
  • 補助金活用例:店舗改装費、農産加工機器の導入、広告宣伝費。

(2) 県内初のペット同伴専門グランピング&ドッグランカフェ

  • 事業内容:愛犬家向けのドッグラン付きグランピングとペットカフェを運営。
  • 新市場進出の要素:ペット同伴の宿泊・飲食需要への対応。
  • 補助金活用例:宿泊施設設備費、ペット用遊具、マーケティング費用。

(3) 工場直営のファブラボ併設カフェ

  • 事業内容:工場が運営するデジタルファブリケーション施設とギャラリーを併設。
  • 新市場進出の要素:ものづくりとカフェを融合し、体験型ビジネスを展開。
  • 補助金活用例:設備投資費、内装工事費、プロモーション費。

(4) こだわり自家焙煎豆を使用した地域密着型カフェ

  • 事業内容:新聞配達業者のネットワークを活用した自家焙煎コーヒーカフェ。
  • 新市場進出の要素:新聞配達の信用力と地域密着性を活かしたビジネスモデル。
  • 補助金活用例:焙煎機導入費、店舗改装費、販売促進費。

まとめ

今回はカフェは新事業進出補助金の補助対象になるのか?というテーマで解説してきました。
ポイントをまとめると下記の通り。

  • カフェ開業は新事業進出補助金の対象となる可能性が高いが、新市場進出や高付加価値化が必要。
  • 補助率は1/2、最大9,000万円の補助が受けられ、建設費、設備投資や広告宣伝費も対象となる。
  • 独自性のあるビジネスモデル(健康志向カフェ、地域資源活用、体験型など)が採択のカギ。
  • 過去の事業再構築補助金でもカフェ事業の採択実例があり、成功のヒントになる。
  • 採択率が低いため、収益モデルを明確にし、戦略的な申請が重要

 

 

弊社では、今後公募が開始される予定である「新事業進出補補助金」「中小企業成長加速化補助金」についてもご相談をお受けしております。

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