新事業進出補助金の事業計画書には、「新規事業の有望度」という重要な記載項目があります。審査項目の中でも、事業の成長性や収益性、競争優位性を評価するポイントとして注目されており、適切な記載が採択可否を大きく左右します。
この記事では、この「新規事業の有望度」欄にどう記載すればよいのか、審査の観点を踏まえてわかりやすく解説します。
✅ 新事業進出補助金における「新規事業の有望度」とは何か
✅ 将来性・参入可能性・競合分析の記載のコツ
✅ 採択された事例から見る、記載が評価されやすいパターン
✅ 審査員の目線と、不採択に繋がりやすい記載の落とし穴
✅ 駒田会計事務所がサポートする記載戦略と相談方法
Contents
「新規事業の有望度」とは?〜事業計画の中核を成す審査項目
新事業進出補助金では事業計画を策定する必要があります。
事業計画の中でも重要な項目の一つに「新規事業の有望度」というものがあります。
(6)新規事業の有望度
① 新規事業の将来性
・ 補助事業で取り組む新規事業が、自社がアプローチ可能な範囲の中で、継続的に売上・利益を確保できるだけの規模を有していることや成長が見込まれる市場であることについて説明してください。
② 参入可能性
・ 補助事業で取り組む新規事業が、自社にとって参入可能な事業であることについて説明してください。
③ 競合分析
・ 競合分析を実施した上で、顧客ニーズを基に、競合他社と比較して、自社に明確な優位性を確立する差別化が可能であることについて説明してください
新事業進出補助金申請において、「どのような事業を行うのか」だけでなく、それが本当に市場で成功する可能性があるのかを示すことが求められます。
具体的には、以下3点に分けて記載する必要があります。
(1)新規事業の将来性|市場規模・成長性を裏付ける
この項目では、あなたの新規事業が売上・利益を安定的に確保できるかどうかを審査されます。記載のポイントは以下の通りです。
- 市場の規模や成長率(統計やレポートなどを活用)
- 自社の商圏との親和性(地域需要やターゲット顧客の特徴)
- 収益モデルの具体性(単価×数量で算出できる収支計画)
- ニーズの明確さ(社会課題・トレンドへの対応)
例文(フィットネスジム事業の場合)
「健康志向の高まりと高齢化により、地方都市における機能改善型ジムの需要が増加しています。特に○○市では整形外科と連携したフィットネス市場が年率5%以上で成長中であり、当社の立地と既存顧客基盤を活かした展開が可能です。」
(2)参入可能性|なぜ自社で実現できるのか
新たな市場であっても、自社のリソース・知見で参入できるのかを説明する必要があります。記載ポイントは下記のとおり。
既存事業とのシナジー(設備・人材・ノウハウの活用)
外部連携や研修などの体制構築(新たなスキル獲得戦略)
代表者や社員の経験値・実績(具体的な経歴や成功事例)
例文(学習塾→プログラミング教室への展開)
「当社は既存学習塾において小学生〜中学生を中心に1,200名以上の会員を保有しており、新規事業として展開予定のプログラミング教室では既存生徒の送客と教室インフラを活用可能です。講師はIT企業出身者2名を採用予定で、準備段階から研修を実施しています。」
(3)競合分析|差別化の根拠と勝ち筋を明示
「その事業は他社でもできるのでは?」という問いに対し、自社ならではの強みと優位性を説明するのがこの項目です。記載ポイントは下記の通り。
競合事業者の実態調査(地域・業態・価格帯など)
顧客ニーズとのズレ・未充足領域の特定
自社独自の価値提案(USP)
例文(飲食業のセントラルキッチン型弁当事業)
「競合は外注製造に依存している中、当社は自社厨房を保有し、短納期・小ロット対応が可能です。働く女性向けの低糖質・高たんぱく弁当へのニーズに応える商品開発力があり、実際にプレ販売でリピート率72%を記録しました。」
審査員の目線:一貫性と具体性がカギ
これら3つの観点は、バラバラに書くのではなく、一貫したストーリーで記述することが重要です。
例えば、
「将来性」があっても、「参入可能性」が不明確では信頼されません。
差別化が抽象的だと、「優位性」に説得力が欠けます。
具体的な数字・実績・顧客の声など、信頼できる情報で裏付けることが成功の鍵です。
また以下の記事に申請の際にポイントとなる箇所について解説しています。
新事業進出補助金の事業計画書の書き方を徹底解説|採択されるコツとは?
新事業進出補助金の審査項目とは?採択を目指すなら押さえるべきポイントと専門家活用のススメ
こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。
記載ミスに注意!不採択に繋がりやすいNG例
一方で、「新規事業の有望度」においてありがちなミスも押さえておくべきです。これらを避けるだけでも、審査通過率は大きく変わります。
「市場が大きい」とだけ書いて、収益計画が不明瞭
市場が大きくても、自社がその中でどれだけシェアを取れるかが見えなければ意味がありません。
「全体市場◯億円」に加えて、自社の売上計画や具体的な獲得見込みをセットで書きましょう。
自社の経験・スキルと無関係な分野に突然参入
たとえば飲食業者が、実績やスキルの裏付けもないまま「オンライン教育事業に挑戦」と書いても、なぜそれができるのか納得してもらえません。
申請では「挑戦」は歓迎されますが、それには地に足のついた準備・背景が必要です。
「競合はいるが差別化できる」としながら、差別化の根拠が抽象的
「サービスが丁寧」「お客様目線」などの抽象表現はNG。
差別化要素は商品内容・価格・提供方法・独自のノウハウ・流通チャネルなどの観点から、具体的な違いを言語化することが求められます。
申請書の完成度を高めたいなら、専門家のサポートを
「どのように書けばいいかわからない」「市場データや競合分析が不安」──そんな時こそ、専門家の力を借りるのが得策です。
駒田会計事務所では、新事業進出補助金の申請サポートを多数手がけており、審査員目線に沿った事業計画の記載サポートを行っています。
全国対応可能で、地方都市の事業者様にもオンラインで安心してご相談いただけます。
まとめ
今回は「新規事業の有望度」についてまとめてきました。ポイントは下記の通り。
「将来性」「参入可能性」「競合分析」の3視点で明確に説明
市場データや既存資源の活用を具体的に示す
審査員に納得されるストーリー構成が重要
曖昧な表現・抽象的な差別化はNG
駒田会計事務所の支援で申請の成功確率を高められる
まずは無料相談から始めてみませんか?
「自分の事業が補助対象になるか分からない」「どのように申請すればいいか不安」という方も、まずはお気軽にご相談ください。
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