歴史的な円安や水際対策の緩和により、訪日外国人の数と旅行消費額は急速に回復し、2024年の訪日外国人旅行消費額は8兆円を超えてきました。
インバウンド需要をチャンスと捉えて、新たなビジネスを始めたい中小企業には、新事業進出補助金が最もおすすめの制度です。
本記事では、補助金の特徴や採択事例、インバウンド需要の伸びを定量的に解説します。
Contents
新事業進出補助金とは?
新事業進出補助金(正式名称:中小企業新事業進出促進事業)は、既存事業とは異なる新市場や高付加価値事業への進出を後押しする制度で、中小企業の生産性向上と賃上げを目的としています。
補助率は2分の1で、従業員規模に応じて750万〜9,000万円まで幅広く補助されます。
建物費や機械装置費、クラウドサービス利用費、広告宣伝費など対象経費が多彩で、補助率・補助額が高く補助対象経費も幅広いことが最大の魅力です。
新事業進出補助金の内容については下記の記事で詳細に解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
関連記事:新事業進出補助金申請サポート徹底ガイド|制度概要・補助率・要件・事例を全て解説
公式情報はこちら:
公募初回(令和7年7月締切)の応募状況を見ると、3,006件の応募のうち1,118件が採択されました。
採択率は約37.2%ですが、インバウンド関連は社会性や地域性が高く評価されることから採択実績も多く、挑戦する価値は十分にあります。
インバウンド関連で補助対象となる事業例
新事業進出補助金の対象となるインバウンド関連事業には、次のような例があります:
- 訪日外国人向けの宿泊施設の新規参入
- 外国語メニューを備えた飲食店や多言語対応サービスの開業
- ワーケーションや長期滞在向け施設の整備
- 観光・体験型プログラムなど地域資源を活用したサービス開発
このように幅広い事業が補助対象となるため、インバウンド向けの新事業を計画している企業にとって非常に心強い制度と言えます。
採択事例:インバウンド事業の広がり
実際に採択されたインバウンド関連事業は、地域や業種が多岐にわたります。以下は第1回新事業進出補助金の採択事例の一部です。エリアや業種のバリエーションから、さまざまな業界がインバウンド需要に取り組んでいることがわかります。
| エリア | 主たる業種 | 事業計画名 |
|---|---|---|
| 北海道 | 生活関連サービス業、娯楽業 | 訪日観光客と地元交通をつなぐDX配車支援事業 |
| 関東 | 宿泊業、飲食サービス業 | 老舗温泉旅館におけるインバウンド向けブライダル新規事業の展開 |
| 関東 | 卸売業、小売業 | 飲食店向けのインバウンド対応ソリューション事業 |
| 関東 | 学術研究、専門・技術サービス業 | 地域観光資源を活用したインバウンド向け体験型観光ホテルの運営 |
| 関東 | 宿泊業、飲食サービス業 | 訪日ムスリム需要を捉えた、ハラル対応外食業への新市場展開事業 |
| 関東 | 宿泊業、飲食サービス業 | インバウンドに特化した、体験型焼鳥ダイニングの新規出店 |
| 関東 | 不動産業、物品賃貸業 | 千葉インバウンドOTA構築事業 |
| 関東 | サービス業(他に分類されないもの) | 外国人材育成ノウハウを活かしたインバウンド向け高級和食店 |
| 関東 | 卸売業、小売業 | 瀬戸内の離島に暮らすように滞在する、インバウンド向け宿泊施設 |
| 関東 | 不動産業、物品賃貸業 | 訪日外国人と企業を繋ぐ集客支援アプリ開発事業 |
宿泊業・飲食サービス業や卸売・小売業、不動産業など幅広い業種で採択されており、地域の観光資源を活用した体験型宿泊施設や、訪日客向け飲食店、DXを活用した配車支援サービスなど、内容も多彩です。
多様な事業が補助の対象となることが、新事業進出補助金がインバウンド関連に最適である理由の一つです。
インバウンド需要は右肩上がり – データで見る市場規模
インバウンド市場が拡大していることはデータからも明らかです。
日本政府観光局(JNTO)の統計によれば、2024年の年間訪日外客数は36,869,900人で、2019年比15.6%増、前年比47.1%増と過去最多を更新しました。
旅行消費額も同じく過去最高を記録し、訪日外国人旅行消費額は8兆1,257億円。
一般客1人当たりの旅行支出は22.7万円で、2019年比43.3%増と大きく伸びています。
下表は、主なインバウンド統計とポイントをまとめたものです。
宿泊費・買物代・飲食費で全体の8割超を占めており、観光体験や飲食を提供する事業にとって大きなビジネスチャンスがあることが分かります。
| 指標 | 数値 | ポイント |
|---|---|---|
| 訪日外国人旅行消費額(2024年暦年) | 8兆1,257億円 | 前年比+53.4%、2019年比+69.1% |
| 年間訪日外客数(2024年暦年) | 36,869,900人 | 前年比+47.1%、2019年比+15.6% |
| 一般客1人当たり旅行支出(2024年暦年) | 22.7万円 | 前年比+6.8%、2019年比+43.3% |
| 旅行支出内訳(宿泊費/買物代/飲食費) | 33.6% / 29.5% / 21.5% | 宿泊費が最大で飲食費も大きな比率 |
インバウンド事業への投資効果と今後の展望
インバウンド需要の増加は、中小企業の新規事業拡大にも直接的な効果をもたらします。
例えば、2024年の訪日外国人旅行消費額8兆1,257億円のうち宿泊費が33.6%、買物代が29.5%、飲食費が21.5%を占めています。
また、2024年の年間訪日外客数36,869,900人が今後さらに増加すれば、地域経済に与えるインパクトは自動車産業など他産業に匹敵するといわれています。
新事業進出補助金のサポートを受けてインバウンド事業に参入することで、最大で9,000万円までの補助が受けられます。
補助対象経費が広く、施設整備から広告宣伝まで幅広く活用できるため、初期投資を抑えながら高付加価値の事業を展開することが可能です。
2024年には3,006件の応募のうち1,118件が採択されており、インバウンド関連の採択事例も多いことから、チャレンジする価値は十分にあります。
まとめ
本記事では、インバウンド事業と新事業進出補助金について、最新のデータと採択事例をもとに解説しました。
- 訪日外国人旅行消費額は8兆1,257億円で、宿泊・買物・飲食が主要な支出項目。
- 年間訪日外客数は36,869,900人と過去最高で、インバウンド需要は増え続けています。
- 新事業進出補助金は補助率1/2、最大9,000万円まで支援され、対象経費が広い。
- 公募初回で3,006件の応募に対し1,118件が採択されるなど採択件数が多く、インバウンド関連事業にも多数の採択実績があります。
- 宿泊や飲食、体験型サービスなど様々な事業が補助対象となり、地域の観光資源を活かしたビジネスが実現できます。
急成長するインバウンド市場において、新事業進出補助金を活用した投資は大きなリターンを生む可能性があります。補助金の募集スケジュールや要件を確認し、地域性や独自性を生かした事業計画を練り上げることで、多くの外国人旅行者を迎える準備を始めましょう。
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