2025年注目の補助金の一つとして「中小企業成長加速化補助金」新たに創設されます。
今回はこの補助金が一体どの様なものなのか、詳細を見ていきたいと思います。
中小企業成長加速化補助金の目的
「中小企業成長加速化補助金」は、売上高100億円を目指す成長志向型の中小企業を支援することで、以下の課題解決を目的としています。
- 物価高騰や最低賃金引上げへの対応
- 地方における持続的な賃上げの実現
中小企業の積極的な設備投資を支援することで、地域経済の活性化や持続的な成長を後押しする制度です。
新事業進出補助金とあわせて、2025年に公募が開始することが決定しています。
特に注目すべきは売上高100億円を目指すビジョンというところです。
政府は地域の中小企業が「100億企業」(売上高100億円以上の企業)など中堅企業に成長するとき、高いレベルで外需獲得、域内経済牽引、賃上げに貢献すると見込んでいることから、中小企業を100億企業に成長させたいと考えています。
モデルケースとしては下記の事業が掲載されていますので、参考にしておくと良いかもしれません。
- 地方メーカー17社をM&A。ある会社の工場閑散期に別会社の製品の製造を始めて稼働率を上げる等、異質な事業のM&Aからシナジーを創出
- 地場産業である繊維用機械の金属部品加工業から業種転換し、回転寿司コンベアシステムの国内トップ企業に。
- 麹の製造装置の国内シェア80%を実現。フルオーダーメイド、アフターフォローの徹底等他社が追随できないトータルサービスを提供
(成長志向の中小企業の創出を目指す政策の検討成果と今後の方向性 2023年6月22日 中小企業庁より)
活用イメージ
・工場、物流拠点 などの新設・増築
・イノベーション創出 に向けた設備の導入
・自動化による 革新的な生産性向上
補助対象者
補助金を申請するためには、以下の要件を満たす必要があります。
補助事業の要件
- 中小企業者であること
- 投資額が1億円以上(税抜き)であること
- 補助対象経費:建物費、機械装置等費、ソフトウェア費
- 外注費、専門家経費等は含まれません。
- 売上高100億円を目指すビジョンを策定・公表していること
- 第1回公募では、策定と公表が同時対応可能。
- 補助事業終了後3年間の事業計画書を策定し、一定の賃上げ要件等を満たすこと
これらの要件を満たすことが中小企業成長加速化補助金の要件です。
とはいえ、売上高が100億円をめざす企業が補助対象となりますので、既存の売上もそれに見合った規模が必要であると考えられます。
売上高が最低でも30億円から50億円程度なければ、実現可能性から考えて難しいかもしれません。
審査基準
中小企業成長加速化補助金では以下のポイントを総合的に審査されます。
- 経営力:企業の成長性、投資の波及効果、他社との差別化
- 波及効果:賃上げ効果、地域内調達・仕入れの影響
- 実現可能性:資金計画、金融機関の支援状況、事業スケジュール
補助率・補助上限額
補助対象経費と補助率・補助上限は下記の通り。
対象経費 | 補助率 | 補助上限額 |
---|---|---|
建物費、機械装置等費、ソフトウェア費、外注費、専門家経費 等 | 1/2 | 5億円 |
建物費も含まれており、幅広い経費が補助対象となります。
投資額が1億円以上(税抜き)であることが要件に設定されていることから、補助下限は5,000万円になるかと思われます。
補助事業実施期間
交付決定日から24か月以内
補助金交付想定件数
約600件(ただし、1件あたりの補助申請額によっては、採択件数が増減する可能性があります)
元々売上高が高い企業を想定していることもあり、採択予定件数は少ない傾向にあります。
募集方法・申請受付期間
- 公募要領の公開:令和7年3月末までに公開予定
- 公募回数:原則3回程度を予定(令和8年度末まで)
- 公募期間・採択時期:中小企業基盤整備機構(中小機構)と協議の上、決定
具体的なスケジュールや採択規模は、今後の公募要領で詳細が示される見込みです。
事業スキーム

1.事前準備
・「GビスIDプライム」アカウント取得
補助金を申請する上で必要になるものが「GビズIDプライム」のアカウントです。このアカウントを用意していないと、補助金の電子申請をすることが出来ません。必ず「GビズIDプライム」を作成しましょう。
なお、GビズIDプライムの作成には時間がかかります。早めの作成をおすすめ致します。
(GビズIDの作成についてはこちら)
・売上高100億円を目指す宣言
中小企業が、自ら「売上高100億円を超える企業になること」、「それに向けたビジョンや取組」を宣言し、ポータルサイト(令和7年春頃開設予定)上に公表をするもの。
2.公募開始〜交付候補者決定
・申請受付開始
・公募締切
・審査
・交付候補者決定
3.交付決定〜補助事業実施
・交付申請、交付決定
・補助事業開始
・補助額の確定
・補助金の請求
・補助金の支払い

4.補助事業終了後
・事業化状況報告 知的財産等報告
「売上高100億円を目指す宣言」とは?
中小企業が、「売上高100億円を超える企業になること」、「それに向けたビジョンや取組」を自ら宣言し、ポータルサイト(令和7年春頃開設 予定)上に公表をするものです。
募集要領は令和7年2月公開、申請については令和7年5月頃の開始を予定とされています。
≪宣言の内容≫ ※詳細検討中
①企業の現状(足下の売上高、賃上げ等企業目標、課題等)
②売上高100億円の実現のための目標(売上高成長目標、期間、プロセス等)
③売上高100億円の実現に向けた具体的措置(生産増強、海外展開、M&A等)
④実施体制
⑤経営者のコミットメント(経営者自らのメッセージ) 等
※「宣言」に際しては、要件と記載内容の確認があります。
「宣言・公表」のメリット
・「宣言」取得による補助金等の活用
設備投資等に活用いただける「宣言」が条件となる補助金(上限5億円(補助率1/2))の 申請が可能になります(その他、必要書類を提出した上で、審査があります)。
・経営者ネットワークへの参加
「宣言」を行った成長を目指す経営者が、地域・業種を超えて刺激し合える経営者ネット ワークを構築します。また、経営の“気づき”につながるような、「宣言」企業限定のイベン ト等にご参加いただけます。
・「宣言」マークの活用による自社PR
「宣言」を行った企業だけ「ロゴマーク」を使用できます。自社の取組のPRに活用可能です。
申請に向けた準備のポイント
- 成長ビジョンの策定:売上高100億円を目指す明確なビジョンを策定・公表
- 3年間の事業計画書の作成:賃上げ要件を含む具体的な事業計画を準備
- 投資額の精査:建物費や機械装置等の経費を整理
補助金申請には、明確な成長戦略と実行可能な事業計画が不可欠です。
まとめ
「中小企業成長加速化補助金」は、成長志向型の中小企業が積極的な投資を通じて、売上高100億円達成や地域経済の活性化を目指すための強力な支援策です。
ポイントをまとめると下記の通り。
- 対象者:売上高100億円を目指す中小企業
- 補助率:1/2
- 補助上限:5億円
- 想定採択件数:約600件
- 公募時期:令和7年3月末までに詳細発表
公募については令和7年3月末までに詳細発表の見込みとなっております。
公募が始まってから申請の準備を始めようと思っていても、想定以上の内容量に申請が間に合わないという話をよくお伺いします。
早めにできることから申請に向けて準備を始めておくことをおすすめいたいします。
弊社では、今後公募が開始される予定である「新事業進出補助金」「中小企業成長加速化補助金」についてもご相談をお受けしており、全国各地から、オンラインでの初回無料で打ち合わせが可能となっています。
補助金につきましてはものづくり補助金をはじめとして事業再構築補助金、中小企業省力化投資補助金のサポートに関しましても行っており、多数の採択実績があります。また、交付申請や事業化状況報告等補助金申請後のご相談やサポートも承っております。お困りごとがございましたらお気軽にご連絡下さい。
駒田会計事務所【コマサポ】 代表 駒田裕次郎 税理士・公認会計士
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