事業再構築補助金の最大の特徴である建物費。
第6回から新築が補助対象外となる、構築物が補助対象外となる旨明記されるなど様々な変更点がありました。
建設費については、以前の記事である「事業再構築補助金のメインは建設費!おすすめの活用方法2選!!」でも解説させていただきましたが、改めてどこからどこまでが建物費の範囲となるのか解説していきます。
本記事を見ることで、建物費の明確な範囲について理解することができますので、ぜひ参考にしてみてください。
事業再構築補助金の建物費の要件
はじめに事業再構築補助金の建設費の要件について確認していきましょう。
公募要領の中では下記の通り定義されています。
①専ら補助事業のために使用される事務所、生産施設、加工施設、販
売施設、検査施設、共同作業場、倉庫その他事業計画の実施に不可
欠と認められる建物の建設・改修に要する経費
②補助事業実施のために必要となる建物の撤去に要する経費
③補助事業実施のために必要となる賃貸物件等の原状回復に要する経
費
➃貸工場・貸店舗等に一時的に移転する際に要する経費(貸工場・貸
店舗等の賃借料、貸工場・貸店舗等への移転費等)※4
※1 減価償却資産の耐用年数等に関する省令(昭和40年大蔵省令第15号)におけ
る「建物」、「建物附属設備」に係る経費が対象です。「構築物」に係る経
費は対象になりませんのでご注意ください。
※2 建物の単なる購入や賃貸は対象外です。
※3 入札・相見積もりが必要です。
※4 ②、③の経費のみの事業計画では支援対象となりません。事業拡大につなが
る事業資産(有形・無形)への相応の規模の投資を行うことが必要です。
※5 一時移転に係る経費は補助対象経費総額の1/2を上限として認められます。
また、補助事業実施期間内に、工場・店舗の改修や大規模な設備の入替えを完
了し、貸工場・貸店舗等から退去することが必要になります。
※6 建物の新築に要する経費は、補助事業の実施に真に必要不可欠であること及
び代替手段が存在しない場合に限り認められます。「新築の必要性に関する
説明書」を提出してください。
※7 事業計画の内容に基づき採択された場合も、「新築の必要性に関する説明
書」の内容に基づき、建物の新築については補助対象経費として認められな
い場合がありますのでご注意ください。
抽象的な表現が続きますので、やや分かりにくいかもしれません。
そこで、建物費の範囲について次の章より解説していきます。
建物費となる経費
主に建物費と認められる経費は下記の通り。
- 自社の建物の改築費
- 事業拡大に伴う既存施設の取り壊し費用
- 賃貸物件の原状回復のための改修費用
- 貸工場・貸店舗等に一時的に移転する際に要する経費
解説していきます。
自社の建物の改築費
自社の建物の改築費は補助対象となります。
建物費は原則この自社の建物の改築費がメインの補助となります。
事務所、生産施設、加工施設、販売施設、検査施設、共同作業場、工場、倉庫の他、幅広い範囲で補助の対象となります。
事業拡大に伴う既存施設の取り壊し費用
事業拡大に伴い既存施設の取り壊し費用は補助の対象となります。
例えば、不採算店舗を取り壊し新たにEC用の倉庫を建設する、選択と集中をすすめるために他の地域の建物を取り壊し店舗の集約をすすめるといった場合です。
これらの取り壊し費用は補助の対象です。
しかしながら、事業拡大に伴わない単純な取り壊し費用は補助の対象とはなりません。
賃貸物件等の原状回復に要する経費
賃貸物件の原状回復の経費も補助対象です。
原状回復とは賃貸時の状況に戻すことです。
ただし、事業拡大に伴わない場合は補助の対象外となります。
貸工場・貸店舗等に一時的に移転する際に要する経費
第6回の公募から一時移転に関わる費用も補助の対象となりました。
新商品の開発のために、一時的に工場を借りる場合などの費用のことです。
工場の一時移転については「よくある質問 補助対象経費」の中で下記の通り回答されています。
補助対象になります。ただし、貸工場・貸店舗等への移転のみの事業計画では支援の対象となりません。補助事業実施期間内に工場・店舗等の改修や大規模な設備入替えを完了し貸工場・貸店舗等から退去する計画となっている必要があります。なお、一時移転に係る費用(貸工場・貸店舗等の建設費、移転費(設備の運搬費)、改修費、賃料)は補助対象経費総額の1/2を上限とします。
建物費にはならない経費
建物費にならない経費は下記の通り。
- 再生エネルギーの発電の発電設備及び当該設備と附属設備
- 新築の建設費
- 構築物
- 土地の購入
- 建物の購入
- 土地の造成費用
解説していきます。
再生エネルギーの発電の発電設備及び当該設備と附属設備
再生エネルギーの発電の発電設備及び当該設備と附属設備は補助対象外となります。
公募要領の補助対象外の欄で明確に否定されているためです。
例えば、太陽光発電のためのソーラーパネル、風力発電のための風車などが代表例としてあげられます。
脱炭素関連をテーマとしているグリーン成長枠においても補助対象外となりますので、注意してください。
新築の建設費
第6回の公募から新築の建設費は原則補助対象外となりました。
ただし、新築でなければならない場合は例外として補助対象となります。
建物費の新築に関しては下記の記事で解説しています。
構築物
構築物は補助対象外となります。
建物費と勘違いしやすいので、注意しなければなりません。
建物費と構築物の違いについては下記の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
土地・建物の購入費、土地の造成費用
土地・建物の購入費、土地の造成費用は全て補助対象外となります。
まとめ
今回は建物費の範囲について解説してきました。
第6回から新築の建物費が新築でなければならない状況を除き、補助対象外となるなど大きな変更がありました。
これから申請する方は必ず建物費の範囲を本記事で確認の上、申請してください。
もし、「事業計画書が作成できず、困っている」「認定支援機関が見つからず、困っている」という方はまず一度ご相談ください。
事業再構築補助金について他にもまとめておりますので参考にしていただければ幸いです。
https://mono-support.com/saikouchiku/
また事業再構築補助金がどの様ものかわからないといった方は下記HPをご覧ください。
https://jigyou-saikouchiku.jp/
事業再構築補助金・ものづくり申請代行サポート(CPA)では事業再構築補助金の申請サポート・申請代行を実施しています