事業再構築補助金は原則としてグリーン成長枠を除き、一度採択されると再び申請することはできません。
しかしながら、2023年度の事業再構築補助金から、採択者で再申請が可能になる2つの類型できました。
そのため、2023年度からは採択者でも3つの類型で再申請が可能となります。
今回は2023年度から利用できる採択者でも申請可能な3つの類型について解説していきます。
2023年度から3つの類型で採択者の再申請が可能に
2023年度の事業再構築補助金から、3つの類型で再申請が可能となる見込みとなっています。
「事業再構築補助金令和4年度第二次補正予算の概要」の中で下記の通り、資料が公表されていたためです。
グリーン成長枠は以前から過去の採択者の再申請が可能でしたが、2023年度から産業構造転換枠、サプライチェーン強靭化枠も再申請が可能となりました。
事業再構築補助金のように規模が大きく、使いやすい補助金が再申請できるのは大きなメリットといえるでしょう。
次の章から3つの類型について詳しく解説していきます。
グリーン成長枠の概要
グリーン成長枠はグリーン成長戦略「実行計画」14 分野の課題の解決に資する取組を行う中小企業等を支援する類型です。
簡単に説明すると脱炭素など環境にやさしい事業に取り組む事業者に対する支援ということですね。
概要や要件は下記の通り。
項目 | 要件 |
概要 | 研究開発・技術開発又は人材育成を行いながら、グリーン成長戦略「実行計画」14 分野の課題の解決に資する取組を行う中小企業等の事業再構築を支援。 |
補助金額 | 中小企業等 100 万円 ~ 1 億円 中堅企業等 100 万円 ~ 1.5 億円 (※2023年度からはエントリー枠が追加 4,000万円~1億円) (※2023年度から要件を満たすと上乗せ枠である卒業促進枠と大規模賃金引上促進枠が利用可能) |
補助率 | 中小企業者等 1/2 中堅企業等 1/3 |
補助事業実施期間 | 交付決定日~14 か月以内(ただし、採択発表日から 16 か月後の日まで) |
補助対象経費 | 建物費、機械装置・システム構築費(リース料を含む)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費、研修費 |
要件 | 下記の要件を満たすこと ①事業再構築要件 ②認定支援機関要件 ③付加価値要件 ④グリーン成長要件 【過去に採択を受けた場合】 ⑤別事業要件 ⑥能力評価要件 |
グリーン成長枠は以前から採択者の再申請が可能な類型でした。
グリーン成長要件のハードルが高かったためか、応募件数は少ない傾向にありました。
そのため、2023年度から要件が緩和されるエントリー枠が追加されます。
エントリー枠についても採択者の再申請が可能と考えられますので、狙い目といえるでしょう。
グリーン成長枠については下記の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
代表的な採択事例は下記の通り
産業構造転換枠とは
産業構造転換枠とは国内市場の縮小等の産業構造の変化等により、事業再構築が強く求められる業種・業態の事業者に対し、補助率を引き上げる等により、重点的に支援する類型となっています。
概要や補助率・補助額は下記の通り。
申請類型 | 産業構造転換枠 (構造的な課題に直面している事業者が取り組む事業再構築に対する支援) |
要件 | 市場規模が10%以上縮小する業種・業態の企業が産業構造転換を行う場合 |
補助率 |
|
補助額 |
(廃業を伴う場合は2,000万円増額) |
市場規模が10%以上縮小する業種・業態の企業が産業構造転換を行うという要件はありますが、補助率・補助額は成長枠よりも優遇されています。
補助率は中小企業が2/3、中堅企業が1/2と一般的な枠組である成長枠よりも優遇されています。(成長枠は中小企業が1/2、中堅企業が1/3)
補助額は成長枠と同じですが、廃業を伴う場合、2,000万円増額されますので、産業構造転換枠の方が有利となります。
産業構造転換枠はグリーン成長枠と同様に、過去採択された事業者でも再申請が可能となっています。
しかしながら、1回目の採択額(交付決定を受けている場合は交付決定額又は確定額)との差額分を補助上限となっています。
産業構造転換枠については下記の記事でも解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
サプライチェーン強靭化枠とは
事業再構築補助金のサプライチェーン強靭化枠とは海外に製造拠点を置く製造業が国内に移転する取り組みに対して、支援する類型となっています。
詳細は下記の通り。
歴史的な円安水準や中国などのカントリーリスクの高まりを受けて、国内で拠点を移すことを推進するという枠組みです。
補助上限金額は最大5億円、補助率は中小企業が1/2、中堅企業が1/3となっています。
グリーン成長枠が最大1.5億円であることを考慮すると、非常に大きい枠組みであることが分かります。
海外に製造拠点がある製造業は大きなチャンスとなるでしょう。
サプライチェーン強靭化枠はグリーン成長枠と同様に、過去採択された事業者でも再申請が可能となっています。
しかしながら、1回目の採択額(交付決定を受けている場合は交付決定額又は確定額)との差額分を補助上限となっています。
サプライチェーン強靭化枠については下記の記事でも解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
今回は2023年度から利用できる採択者でも申請可能な3つの類型について解説してきました。
ポイントをまとめると下記の通り。
- 2023年度から「グリーン成長枠」「産業構造転換枠」「サプライチェーン強靭化枠」で採択者の再申請が可能に
- 「産業構造転換枠」「サプライチェーン強靭化枠」は1回目の採択額との差額分を補助上限
- 支援を受ける上限は2回まで
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