事業再構築補助金ではなんの事業をするかという点が重要なポイントです。
採択事例を見ると、様々なビジネスモデルが採択されていることが分かりますが、中には採択されない(されにくい)ビジネスモデルもあります。
今回は事業再構築補助金の事業再構築で採択されない(されにくい)ビジネスモデルを解説していきます。
事業再構築補助金で採択されない(されにくい)ビジネスモデル5選
事業再構築補助金で採択されない(されにくい)代表的なビジネスモデルは下記の5選です。
- 農業
- アパート賃貸
- 駐車場経営
- パチンコ
- 夜の仕事
具体的に解説していきます。
農業
事業再構築補助金で他の産業から農業に参入することは禁止されています。
経済産業省が公開したよくある質問で下記の通り回答していました。
Q44.事業再構築によって新たに取り組む事業に農業が含まれていても良いか。
事業再構築として、農業関連事業に取り組む場合は、農作物の加工や農作物を用いた料理の提供など、2次又は3次産業分野の事業である必要があります。※農業を行う事業者が単に別の作物を作る場合や、上記のような2次又は3次産業に取り組む場合であっても、加工や料理提供の材料である農作物の生産自体は対象外となります。
また公募要領の中で下記の通り記載もあります。
・以下に該当する事業計画である場合には、不採択又は交付取消となります
⑤ 農業を行う事業者が単に別の作物を作るような事業
※農業関連事業に取り組む事業者は、農作物の加工や農作物を用いた料理の提供など、2 次又は 3 次産業分野の事業計画である場合は、支援対象となります。2 次又は 3 次産業に取り組む場合であっても、加工や料理提供の材料である農作物の生産自体は、補助対象外となります。
作物を生産するという農業事業への事業再構築は認められないということですね。
加工・流通を携わる場合ケースでの事業再構築はOKということでした。
事業再構築補助金で農業の支援に消極的な理由は管轄が異なるためです。
事業再構築補助金の担当は経済産業省です。
経済産業省は主に商工業者を担当しており、農業者の担当は農林水産省です。
農林水産業に対する補助は農林水産省で行っているから、今回の事業再構築補助金ではなるべく外したいというのが正直なところかと思います。
事業再構築で農業に取り組むのはやめておきましょう。
アパート経営
アパート経営に関しても事業再構築補助金では対象とならない可能性が高いです。
公募要領の中で下記の記載があるためです。
以下に該当する事業計画である場合には、不採択又は交付取消となります
④建築又は購入した施設・設備を自ら占有し、事業の用に供することなく、特定の第三者に長期間賃貸させるような事業
アパート経営は事業というよりも資産運用の性質が強いです。
地域への波及効果や雇用効果などが薄いため、対象から外したというところかと思います。
ただし、不動産賃貸業自体が対象外となっているという訳ではありません。
事業再構築補助金では建設費が補助の対象となるので、むしろ不動産賃貸業はおすすめできるビジネスモデルの一つといえます。
具体的に採択されているビジネスモデルは下記の通りです。
- レンタルオフィス
- コワーキングスペース
- シェア○○(美容室、キッチンなど)
- コインランドリー経営
これらのビジネスモデルは不動産賃貸業でありながら、採択事例が多数あります。
単純なアパート経営よりも手間はかかりますが、事業再構築補助金が使えるのは間違いありません。
アパート経営を考えている方は上記のビジネスモデルで採択を狙ってみることをおすすめします。
駐車場経営
駐車場経営もアパート経営と同じ理屈で事業再構築補助金の対象とならない可能性が高いです。
現時点で単純な駐車場経営での採択事例はありませんでした。
ただし、ITを活用した駐車場経営での採択事例はありました。
事業計画は下記の通りです。
事業計画名 | 駐車場事業新規参入計画 |
事業計画 | ポータルサイト(飲食店紹介サイト・月極駐車場検索サイト)を活かした駐車場経営事業 |
このように駐車場経営に付加価値をつけることで採択されるケースはあるようです。
ただし、駐車場経営で採択されるケースはわずかのようなので、別の事業の方が好ましいと言えるでしょう。
パチンコ
パチンコ事業への事業転換も事業再構築補助金では認められていません。
ただし、パチンコ業が他のビジネスモデルに転換する場合は事業再構築補助金の対象となります。
例えば下記の事業計画が採択されていました。
事業計画名 | パチンコ事業からフィットネス事業への転換計画 |
事業計画 | 現在、主事業として行っている展開しているパチンコ店を廃業し24時間型フィットネスジムに事業転換する |
廃業する場合は店舗の取り壊し費用と建築費が補助の対象となります。
先細りが懸念されている部分もありますので、思い切って廃業するのも一つの手ですね。
スナック等の夜の仕事
スナック、キャバクラ、ホストなど夜の仕事は事業再構築補助金の対象外となります。
公募要領で下記の通り記載があります。
⑧ 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和 23 年法律第 122 号)第2条第5項及び同条第 13 項第2号により定める事業
※申請時に、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和 23 年法律第 122 号)第2条第5項及び同条第 13 項第2号により定める事業を実施している中小企業等であっても、当該事業を停止して新たな事業を行う場合は、支援対象となります。
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和二十三年法律第百二十二号)は風俗営業全般的な事業が掲載されています。
ですので、事業再構築でこれらの事業を行うことはできないと考えておいてください。
ただし、夜の仕事→他の事業というケースの場合は補助の対象となります。
まとめ
今回は事業再構築補助金の対象とならないビジネスモデル5選を紹介してきました。
これらの事業に取り組む場合は事業再構築補助金の対象外となりますので、他のビジネスモデルで申請をしましょう。
「事業計画書が作成できず、困っている」「認定支援機関が見つからず、困っている」という方はまず一度ご相談ください。
事業再構築補助金について他にもまとめておりますので参考にしていただければ幸いです。
https://mono-support.com/saikouchiku/
また事業再構築補助金がどの様ものかわからないといった方は下記HPをご覧ください。
https://jigyou-saikouchiku.jp/
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