たまに医療法人の方から「事業再構築補助金を利用したいのだが、医療法人は対象となるのか」という質問をいただきます。
株式会社や合同会社とは異なり、収益第一という訳ではないことから、事業再構築補助金にならないのではないかと考える人が多いためかと思われます。
結論から申し上げますと収益性の高い事業を行う社会医療法人は事業再構築補助金の対象となります。ただし、収益性の事業ができない通常の医療法人は対象外となります。
第一回の補助金採択で誤採択があったと報じられました。
詳細は下記の通り。
https://www.asahi.com/articles/ASPC36568PBTPTIL022.html
このように誤採択もある事例なので、詳細は必ず事業再構築補助金事務局に確認してみてください。
事業再構築補助金とは
事業再構築補助金とは新型コロナウィルスの影響を受けた中小企業が業績を回復させるための新たな取り組みを支援する補助金です。
補助額は最大1億円、補助率は最大2/3と過去最大級の補助金となっており、現在最も注目されている補助事業です。
事業再構築補助金の詳細については下記の記事で解説していますので、ぜひ確認してみてください。
令和3年8月下旬から第三回の公募が開始され、9月21日に締め切られる予定です。
残り公募回数も2回と予定されています。
過去に例がない非常に大きな補助金となるので、対象となる場合は必ず検討しておきたいところです。
事業再構築補助金は医療法人も補助の対象となる
事業再構築補助金は医療法人も補助の対象となります。
下記の補助対象者に当てはまるためです。
・中小企業等経営強化法第2条第1項第6号~第8号に定める法人(企業組合等)又は法人税法別表第二に該当する法人(※1)若しくは法人税法以外の法律により公益法人等とみなされる法人(従業員数が300人以下である者に限る。)であること(※2)。
※1 一般財団法人及び一般社団法人については、非営利型法人に該当しないものも対象となります。
※2 法人格のない任意団体(申請時に法人となっていて、任意団体として確定申告をしている場合は申請可能です)、収益事業を行っていない法人、運営費の大半を公的機関から得ている法人は補助対象となりません。また、日本経済の構造転換を促すことを目的とする本事業の趣旨から、政治団体や宗教法人などの団体も補助対象となりません。
(令和2年度第三次補正事業再構築補助金公募要領(第三回) 補助対象者より)
社会医療法人は法人税法以外の法律により公益法人等とみなされる法人に該当します。
とはいえ、事業再構築補助金は事業再構築に取り組む必要があります。
行える事業が限定的である医療法人にとってはなかなかハードルが高いかもしれません。
そこで次の章では、医療法人での事業再構築補助金採択事例とアイデアを紹介していきます。
医療法人での事業再構築補助金採択事例
事業再構築補助金は第一次で採択された事業計画書を公表しています。(事業再構築補助金事業計画書の概要)
今回は第一次の事業再構築補助金で採択された医療法人の事業計画を紹介していきます。
(※一部の医療法人に対して、誤って事業再構築補助金の採択を出したとのニュースが2021年11月に公開されました。)
https://www.asahi.com/articles/ASPC36568PBTPTIL022.html
社会医療法人が収益性の高い事業を行うときのみ補助の対象となります。
自社の事業が当てはまるか、必ず事前に確認してください。
点滴療法部門の設立
事業計画名:感染予防や健康を目的とした、クリニック内での点滴療法部門の設立
事業計画詳細
免疫力を高めるなどの感染予防や健康を目的とした高濃度ビタミンC点滴、オゾン療法、水素点滴やキレーション点滴及び長寿を目的としたNMN点滴療法等を行う点滴療法部門を設立する。
新商品の開発による新分野展開での事業計画となっています。
医療法人としては最もベーシックな事業再構築補助金活用方法かと思われます。
今まではおそらくやっていなかった事業を新たに始めるといったところかと思われます。
このように既存の施設や設備を活用し、新たな分野を立ち上げるというのは医療法人においては有力な選択肢になるかと思います。
T画像診断、乳腺超音波検査等の新分野展開
事業計画名:地域一番クリニックを実現するCT画像診断、乳腺超音波検査等の新分野展開
事業計画詳細
CT画像診断を行うための「画像診断装置(64列マルチスライスCT)」、「画像サーバー」、「超音波画像診断装置」および「内視鏡機器」を導入し、超高齢社会により多様化する地域の医療ニーズへの対応に資する新分野の診療に展開します。
最新設備の導入による高齢者向けの医療事業による新分野展開です。
「地域一番クリニック」のような地域性、「超高齢化社会」という社会問題といったところも加点ポイントとなる可能性が高いです。
設備投資に関しては補助の対象となる可能性が高く、通常であれば高額の医療機器も多くを補助金で賄えます。
最新設備を導入し、社会問題を解決するというビジネスモデルも医療法人では、有力となってくるでしょう。
癌治療科増科による保険適用の癌最先端治療の導入
事業計画名:癌治療科増科による保険適用の癌最先端治療の導入
事業計画詳細
癌治療科を増科し、また、今まで自由診療であった温熱療法を保険適用になる最新機器を導入することで、保険診療が可能になり、患者様が金銭の負担を感じることなく、癌の最先端治療を受けることができます。
がん治療科増科による新分野展開となります。
人間にとってがんの治療は永遠の課題といえます。
その課題を解決させるための増科であるので、社会的な意義も高く、採択されやすかったのではないかと思われます。
このように三大疾病や七大疾病に対する増科によって、事業再構築補助金の採択を狙っていくというのも良いかもしれません。
医療法人は新分野展開が狙い目
上記のように採択事例もあり、医療法人は事業再構築補助金の対象となります。
しかしながら、まだまだ申請している人がすくないというのが現状です。
「事業再構築補助金を申請しようか迷っている」「どのような事業再構築が良いかわからない」という方はまず新分野展開ができないか検討してみましょう。
新たな科の増設であったり、最新設備の導入による新サービスなどは比較的とっつきやすいかと思います。
事業再構築補助金は傾いた経営を立て直せる大きなチャンスとなります。
ぜひ活用してみてください。
もし、「事業計画書が作成できず、困っている」「認定支援機関が見つからず、困っている」という方はまず一度ご相談ください。
事業再構築補助金について他にもまとめておりますので参考にしていただければ幸いです。
https://mono-support.com/saikouchiku/
また事業再構築補助金がどの様ものかわからないといった方は下記HPをご覧ください。
https://jigyou-saikouchiku.jp/
事業再構築補助金・ものづくり申請代行サポート(CPA)では事業再構築補助金の申請サポート・申請代行を実施しています