事業再構築補助金の注目の活用方法に古民家の再生があります。
近年空き家問題が深刻化しており、社会問題となっています。
そのため、空き家問題解決の一助となる古民家再生や古民家の活用による事業テーマは事業再構築補助金において採択されやすい傾向にあります。
また、事業再構築補助金では建設費が補助対象となることから、古民家の活用はおすすめの事業テーマといえるでしょう。
そこで今回は事業再構築補助金を活用した古民家再生事例について紹介していきます。
事業再構築補助金とは?古民家でも利用可能!
事業再構築補助金は新型コロナウィルスの影響で、経営が落ち込んだ企業が再び成長軌道にのるための新しい取り組みを支援する補助金です。
補助額は最大1億円、補助率は2/3(特別枠では3/4)となっており、予算も過去最大の級の規模で組まれています。
多くの従業員を抱える大規模な中小企業から従業員数名程度の中小企業まで幅広い企業や業種が補助の対象となります。
要件 | |
概要 | 新分野展開や業態転換、事業・業種転換等の取組、事業再編又はこれらの取 組を通じた規模の拡大等を目指す中小企業等の新たな挑戦を支援。 |
補助金額 | 【従業員数 20 人以下】 100 万円 ~ 2,000 万円 【従業員数 21~50 人】 100 万円 ~ 4,000 万円 【従業員数 51~100 人】 100 万円 ~ 6,000 万円 【従業員数 101 人以上】 100 万円 ~ 8,000 万円 |
補助率 | 中小企業者等 2/3 (6,000 万円超は 1/2(※)) 中堅企業等 1/2 (4,000 万円超は 1/3(※)) |
補助対象経費 | 建物費、機械装置・システム構築費(リース料を含む)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費、研修費 |
基本要件 | 下記の4つの要件を満たす必要がある ・事業再構築要件 ・売上高等減少要件 ・認定支援機関要件 ・付加価値額要件 |
通常枠の他に「大規模賃金引上枠」、「回復・再生応援枠」、「最低賃金枠」、「グリーン成長枠」及び「緊急対策枠」といった計6つの枠があります。
事業再構築補助金に取り組むには事業再構築と呼ばれる新たな取り組みを行う必要があります。
様々なビジネスモデルが補助対象となり、古民家の再生や活用、リノベーションなども補助の対象となります。
また、2023年度から通常枠(成長枠に名称が変更)の売上高減少要件が撤廃されることが決定しました。
今まではコロナ前よりも売上高や付加価値が増加している好調な企業は申請できませんでしたが、2023年度からは申請が可能となります。
ハードルがグッと低くなりますので、2023年度からは大きなチャンスとなるでしょう。
事業再構築補助金は建物費が補助対象!
事業再構築補助金で古民家がおすすめできる理由の一つに建物費が補助対象となる点があります。
事業再構築補助金では下記の通り、建物費が補助対象となります。
建物費※建物の新築については必要性が認められた場合に限る。
①専ら補助事業のために使用される事務所、生産施設、加工施設、販売施設、検査施設、共同作業場、倉庫その他事業計画の実施に不可欠と認められる建物の建設・改修に要する経費
②補助事業実施のために必要となる建物の撤去に要する経費
③補助事業実施のために必要となる賃貸物件等の原状回復に要する経費
➃貸工場・貸店舗等に一時的に移転する際に要する経費(貸工場・貸店舗等の賃借料、貸工場・貸店舗等への移転費等)
補助事業のために必要な建物の建設・改修に要する費用は補助対象となる旨明記されています。
ものづくり補助金や小規模事業者持続化補助金など一般的な補助金では建物費は補助対象外となります。
しかしながら、事業再構築補助金では建物費が補助対象となるとされており、古民家の改修も補助対象となるということです。
高額になりやすい古民家の改築費用も事業再構築補助金を活用することで費用を最小限に押されることができます。
ぜひ活用したいところですよね。
とはいえ、具体的にどのようなビジネスモデルが採択されるのか気になる方も多いかと思います。
そこで次の章では、古民家を活用した事業再構築補助金の採択事例について紹介していきます。
古民家を活用した事業再構築補助金の採択事例
古民家を活用した事業再構築補助金の採択事例は主に下記の通りです。
- ワーケーション
- グランピング
- 民泊
- レストランなどの飲食業
具体的に解説していきます。
ワーケーション
環境資源に恵まれている地域の場合、古民家を活用したワーケーションに取り組むという採択事例です。
代表的な採択事例は下記の通り。
事業計画名 | 飛騨高山ワーケーション施設 紫旅館改装計画 |
事業計画概要 | コロナ後回復が見込まれるインバウンド需要や中長期滞在者向けのワーケーション施設を飛騨高山地区に作る。築100年の古民家改装旅館を、日本家屋の良さを維持しつつ外国人でも長時間居心地の良く過ごせるように改築。 |
事業計画名 | 伝統文化「雁木」×アクティビティ×ペット宿泊を組み合わせた新しいゲストハウス運営事業 |
事業計画概要 | 日本一の長さを誇る上越市「高田の雁木」に位置する古民家を1組限定のゲストハウスに改装し、建物管理業の経験を活用し、アクティビティ×ペット宿泊×ワーケーション需要を取り込んだ新しいゲストハウスを運営します。 |
グランピング
アウトドア需要の高まりを狙ったグランピングでの採択事例も多い傾向にありました。
代表的な採択事例は下記の通り。
事業計画名 | 世界的有名店のレシピとサウナで整う古民家再生型グランピング |
事業計画概要 | 都内でカフェ・焼肉店を経営する当社は、コロナウィルス感染拡大による既存店の売上減少と、物価高騰による利益率低下に陥っています。そこで当社の最大の強みである「世界的有名店のレシピ」を活用、更に「グランピング界」と「サウナ界」の第一人者と組み、ウィズコロナ時代のアウトドアニーズやワーケーションニーズに対応した、古民家活用型のグランピング施設にチャレンジすることで事業再構築を果たします。 |
民泊
事業を始めるハードルが低めの民泊も数多くの採択事例がありました。
代表的な採択事例は下記の通り。
事業計画名 | 再生した古民家を使った民泊利用への新分野展開 |
事業計画概要 | 家電小売店舗の営業を行っているが、コロナ禍による家電製品の供給不足や外出自粛によるEC化の進展で業績の見通しが立たない状態であるため、予てより代表が再生を行っていた古民家を活用した民泊事業を展開することで再構築を図る。 |
レストラン、カフェなどの飲食業
古民家を再生し、レストラン、カフェなどの飲食業に取り組むという事業計画もありました。
代表的な採択事例は下記の通り。
事業計画名 | 伝統的建造物の民家を近江牛と近江野菜の非接触型レストランへの再生計画 |
事業計画概要 | 築100年の伝統的建造物である古民家を再生し、近江牛を125年以上取扱う当社が新たに非接触型の”個”食レストランを開始し、近江八幡観光の一助となる事業再構築を行うと同時に働き甲斐のある職場づくりで雇用の維持・拡大を図る |
事業計画名 | 生き残りをかけ、新天地で展開する古民家カフェレストラン |
事業計画概要 | 観光地として人気の高まっているうきは市吉井町で、築120年の古民家を活用し、カフェレストランを開設。イベント開催も行える施設とし、地域の文化振興施設、コミュニティ施設としても活用する。 |
まとめ
今回は古民家の再生、活用で利用できる事業再構築補助金の概要と実際の採択事例について紹介してきました。
ポイントは下記の通り。
- 古民家ビジネスは事業再構築補助金が活用可能
- 2023年度からは増収増益の企業も申請可能に
- 古民家は建設費が補助対象となる事業再構築補助金に適している
- 「ワーケーション」「グランピング」「民泊」「飲食業」が主な採択事例
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