飲食店で狙い目となる事業テーマの一つとして「和食事業」が挙げられます。
健康志向の高まりや外国人需要、コロナからの回復などにより業績が市場規模が回復傾向にあるためです。
和食関連事業に取り組むならば、補助額・補助範囲が広い事業再構築補助金がおすすめです。
そこで、今回は事業再構築補助金による和食での採択事例とポイントを解説していきます。
事業再構築補助金で和食は有望な事業テーマの一つ
事業再構築補助金において和食事業は有望な事業テーマの一つとされています。
市場規模が回復傾向にあることや事業再構築補助金で採択されやすいテーマであるためです。
株式会社リクルートによる2022年9月度の「外食市場調査」では「和食料理店」は前年同期比166億円のプラスと大幅に拡大しました。
コロナの影響が小さくなってきている昨今では更なる市場規模の拡大が見込めます。
また、「事業再構築補助金 虎の巻 事業再構築に向けた事業計画書作成ガイドブック」の中では飲食業において、和食関連は採択率が高い有望度が高い事業テーマとされていました。
和食は飲食店を既に営んでいる事業者であれば、事業を始めるハードルが低く、手軽に始められます。
事業再構築補助金において、おすすめの事業テーマといえるでしょう。
過去の事例でも様々な事業者が和食関連で採択されています。
具体的にどのような採択事例があるか次の章で確認していきましょう。
和食での事業再構築補助金採択事例
和食での事業再構築補助金採択事例を紹介していきます。
代表的な採択事例は下記の通り。
- 地域事業者との連携
- テイクアウト・デリバリー
- 他業態との融合
具体的に解説していきます。
地域事業者との連携
地域事業者と連携して、和食関連事業に取り組むという採択事例が多く見受けられました。
事業再構築補助金では下記の通り、地域経済への波及効果というのも加点要素の一つとなっています。
表2:審査項目
地域の特性を活かして高い付加価値を創出し、地域の事業者等に対する経済的波及効果
を及ぼすことにより、雇用の創出や地域の経済成長(大規模災害からの復興等を含む)を
牽引する事業となることが期待できるか。
地域の食材を活用する、地域の他業種と連携するというビジネスモデルは採択されやすくなるでしょう。
代表的な採択事例は下記の通り。
事業計画名 | パフェ容器に美しく盛り付けた和食丼のデリバリー事業・EC事業 |
事業計画概要 | 各種天然魚などの高級食材や、契約農家が有機栽培で育てた無農薬野菜などを用いて調理した、12種類の和食丼をパフェ容器に入れて提供します。新規性・インスタ映え・素材の新鮮さ・調理の技のすべてが最高レベルでコラボした日本初の商品です。この商品をデリバリー事業・EC事業により全国の家庭に届けます。 |
事業計画名 | 「創作和食」と「ペアリング」を提供する和食専門店事業計画 |
事業計画概要 | 新鮮な食材が豊富な富山県で「創作和食料理」と富山産の日本酒・ワイン・クラフトビールを中心とした「ペアリング」をお客様にご提案し、楽しんでいただく。店舗は、行政が賑わいを呼び起こしたいと力を入れている地域内の商店街にあり、本事業での集客が賑わい創出につながる。 |
冷凍食品
冷凍食品の販売、冷凍自動販売機の設置というのも有力な選択肢の一つです。
コロナの影響で外食に行く人が減少し、冷凍食品の人気が高まってきているためです。
経済産業省の「お手軽・便利・絶品で需要が拡大;冷凍食品の動向」を見てみると、2020年の外食支出はコロナ禍で急減した一方で、冷凍食品は前年度比よりも大幅な増加しました。
近年では冷凍技術が高まっており、冷凍食品でも美味しく食べられることが多くなりました。
事業再構築補助金で冷凍食品や冷凍自動販売機を活用して、和食事業に取り組むというのもおすすめできる事業テーマの一つです。
代表的な採択事例は下記の通り。
事業計画名 | 地域資源を活用した和食冷凍加工食品の食品製造卸売への事業転換 |
事業計画概要 | 新たに冷凍食品調理加工設備を新設して岡山地元食材を使用した和食の冷凍調理食品製造から卸販売及び通信販売を行うことで、新たな市場を獲得してコロナで落ち込んだ店頭売り上げなどに変わる新たな収益の柱と雇用を生み出します。 |
事業計画名 | 和食専門店が製造する冷凍弁当事業への新分野展開 |
事業計画概要 | 和食専門店ならではの専門性を活かした弁当を喫食したい層をターゲットに、弁当製造に必要な調理及び販売器具を設置する。一般的な弁当店やスーパーの総菜コーナーで提供していない専門性の高い弁当を提供することで差別化し、新規開拓と収益向上を実現する。 |
テイクアウト・デリバリー
テイクアウト・デリバリーに取り組むというのも一つの手です。
ウーバーイーツや出前館などの普及により、テイクアウトやデリバリーを頼む顧客も増加傾向にあります。
特に飲食業においては、手軽に始めることができるビジネスモデルです。
低コストで始められるため、事業再構築補助金を活用しにくいという難点はありますが、ローリスクの事業にしたいと考えている事業者にとって、おすすめの事業テーマといえるでしょう。
代表的な採択事例は下記の通り。
事業計画名 | 割烹料理店の和食の技術を活かした、 オーダー弁当店の展開 |
事業計画概要 | 割烹料理店の和食の技術を活かして、顧客の用途、好み、要望に合わせたオーダーメイドの弁当及び惣菜の店を展開することで、食材ロス削減と人材育成を図り、和食文化を現代に伝える事業を行う |
事業計画名 | 日常にささやかな彩りを添えた特色あるお弁当で、テイクアウト事業に参入 |
事業計画概要 | 旗やトロフィなどの小売業を行っていた店舗に新たに調理場設備を併設して地産地消と和食中心の体に優しい調味料を使用した弁当を販売する。健康志向の需要が高まる飲食サービス業に参入し、地域の活性化と事業の再構築を図る |
その他の業態
和食関連事業としては下記の採択事例もありました。
- キッチンカー
- セントラルキッチン
- EC
- ゴーストレストラン
- オーガニック
- 個室和食店
まとめ
今回は事業再構築補助金による和食での採択事例とポイントについて紹介してきました。
ポイントをまとめると下記の通り。
- 事業再構築補助金で和食事業はおすすめ事業テーマの一つ
- 採択率が高い有望な事業テーマ
- 市場規模も拡大傾向にあり
- 地域事業者との連携、冷凍食品、テイクアウト・デリバリーが代表的な採択事例
他にも飲食業におすすめの補助金についてまとめております。ご覧ください。
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