事業再構築補助金の成長枠では通常枠とは異なり、新たな事業が市場規模が拡大しているまたは拡大する見込みの事業のみと限定されています。
事業再構築補助金のホームページの中で「成長枠の対象業種・業態の指定について」が公開されており、原則としてこの中から事業を選択する必要あります。
今回は成長枠の対象事業の一つである「無機化学工業製品製造業」について解説していきます。
無機化学工業製品製造業とは？事業再構築補助金成長枠の対象！
無機化学工業製品製造業は事業再構築補助金の成長枠の対象事業です。
無機化学工業製品製造業は主として工業原料として用いられる無機化学工業製品を製造する事業です。
中核を占めるのが「ソーダ工業」と「無機顔料製造業」です。
具体的な対象業種・業態は下記の通り。
1621 ソーダ工業
主としてか性ソーダ，ソーダ灰，重炭酸ナトリウム，塩酸，さらし粉，さらし液，塩素，次亜塩素酸ナトリウム，亜塩素酸ナトリウム，塩素酸ナトリウム，過塩素酸ナトリウム，金属ナトリウム，過酸化ナトリウムを製造する事業
1622 無機顔料製造業
主として塗料，印刷インキ，プラスチック，窯業製品などの顔料としてあるいは紙及びゴムの充てん剤として使われる無機顔料を製造する事業です。
主な製品は，酸化チタン，亜鉛華，リトポンなどの白顔料，カーボンブラック，鉄黒などの黒顔料，べんがら，黄鉛，紺青，群青，鉛丹，亜酸化銅，銀朱などの有彩顔料，炭酸カルシウム，沈降性硫酸バリウム，バライト粉などの体質顔料
1623 圧縮ガス・液化ガス製造業
主として圧縮又は液化した酸素，水素，炭酸ガス，窒素，ネオン，アルゴンなどを製造する事業。
固形炭酸ガス（ドライアイス），溶解アセチレンを製造する事業所も含まれる。
1624 塩製造業
主として塩を製造する事業。
主として食卓塩などの精製塩を製造する事業所も本分類に含まれる
1629 その他の無機化学工業製品製造業
主に下記の他に分類されない無機化学工業製品を製造する事業です。
- 硫酸
- ほう酸
- ふっ化水素酸
- 無水クロム酸
- クロルスルフォン酸などの無機酸
- ナトリウム
- カリウム
- アルミニウム
- カルシウム
- クロム
- バリウム
- マグネシウム
- 水銀
- ニッケル
- すず
- 銀
- 亜鉛
- 鉄
- 過酸化水素
- 明ばん
- けい酸ナトリウム
- トリポリりん酸ナトリウム
- 化学肥料以外のアンモニウム化合物
- 臭素
- よう素
- 活性炭
- 触媒
有機化学工業製品製造業は成長枠の対象外
無機化学工業製品製造業は成長枠の対象であるものの、有機化学工業製品製造業は成長枠の対象外となります。（※2023年3月23日時点）
有機化学工業製品製造業は工業原料として用いられる有機化学工業製品を製造する事業です。
対象外業種・業態は下記の通り。
- 石油化学系基礎製品製造業
- 脂肪族系中間物製造業（脂肪族系溶剤を含む）
- 発酵工業
- 環式中間物・合成染料・有機顔料製造業
- プラスチック製造業
- 合成ゴム製造業
- その他の有機化学工業製品製造業
無機化学工業製品製造業はハードルが高め
無機化学工業製品製造業での事業再構築補助金でのハードルが高めの事業と言えるでしょう。
過去の採択事例でもほとんど関連事業がみあたらず、また多額の投資を必要としやすい事業のためです。
ライバルは少ないため、採択はされやすい可能性は十分にありますが、無理に取り組む必要性は浅いと言えるでしょう。
まとめ
今回は事業再構築補助金の成長枠の対象である無機化学工業製品製造業について解説してきました。ポイントをまとめると下記の通り。
- 無機化学工業製品製造業は事業再構築補助金成長枠の対象
- 一方で、有機化学工業製品製造業は成長枠の対象外
- 過去の採択事例がほとんど見当たらず、ハードルが高めの事業
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