事業再構築補助金の要件の中には様々な目標があります。
事業計画の中に、付加価値や売上高を〇%あげるといった目標です。
申請型によって、様々な目標が設定されていますが、目標を達成できなかった時はどうなるのかという点は気になるところですよね。
そこで今回は事業再構築補助金で目標未達成だった場合はどうなるのかを解説していきます。
目標未達成のペナルティは申請型によって異なる
結論から申し上げますと、目標未達成だった場合のペナルティは申請型によって異なります。
ほとんどの可能性でペナルティがないケースから補助金減額などのペナルティがあるケースもあります。
そのため、事前に申し込みする申請型の目標が「必達」なのか「努力目標」なのかは必ず確認しておく必要があります。
そこで次の章では各申請型ごとの目標と目標未達成時のペナルティについて解説していきます。
6つの申請型ごとの目標未達成のペナルティ
事業再構築補助金には第7回時点で、下記の6つの申請型があります。
- 通常枠
- 大規模賃金引上枠
- 回復・再生応援枠
- 最低賃金枠
- グリーン成長枠
- 緊急対策枠
6つの類型については下記の記事でも解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
各類型ごとにどのような目標とペナルティがあるのかを解説していきます。
全ての申請枠での付加価値目標
大前提として、全ての申請枠で付加価値目標があります。
付加価値要件は下記の通り。
補助事業終了後 3~5 年で付加価値額の年率平均 3.0%以上増加、又は従業
員一人当たり付加価値額の年率平均 3.0%以上増加する見込みの事業計画を
策定すること【付加価値額要件】
付加価値とは、営業利益、人件費、減価償却費の合計のことを指します。
実質的な利益に近い考え方です。
つまり、事業再構築補助金を行うことで、一定以上の利益が求められるということですね。
問題はこの付加価値目標を達成できなかった場合、どうなるのかという点です。
結論を申し上げますと「付加価値目標未達成はペナルティになる可能性が低く、よほどの要因がなければペナルティにならない可能性が高い」です。
明確に公募要領や公式の資料で説明されているわけではないのですが、動画などで複数の議員や関係者が通常枠のペナルティに関しては気にする必要はないと述べています。
また、そもそも新規事業や新商品というのは失敗するケースが多いです。
事業計画通りいかないというのはある程度政府側も分かっているかと思います。
しかしながら、事業計画書上は必ず要件を達成するようにしてください。
通常枠
通常枠は付加価値目標しか設定されていません。
そのため、目標未達成でもペナルティになる可能性は低いと言えるでしょう
大規模賃金引き上げ枠
大規模賃金引き上げ枠は付加価値目標に加えて、下記の2つの目標が設定されています。
⑤補助事業実施期間の終了時点を含む事業年度から 3~5 年の事業計画期間終
了までの間、事業場内最低賃金を年額 45 円以上の水準で引き上げること【賃
金引上要件】
⑥補助事業実施期間の終了時点を含む事業年度から3~5 年の事業計画期間終
了までの間、従業員数を年率平均 1.5%以上(初年度は 1.0%以上)増員させ
ること【従業員増員要件】
これらの目標が未達成だった場合、補助金減額などのペナルティがあります。
賃金引上要件、従業員増員要件の目標未達成に関しては「通常枠の従業員規模毎の補助上限額との差額分について補助金を返還する必要があります」と明記されています。
いずれも目標未達成だった場合、通常枠として扱われるので、必ず目標を達成するようにしましょう。
回復・再生応援枠
回復・再生応援枠は付加価値目標しか設定されていません。
そのため、目標未達成でもペナルティになる可能性は低いと言えるでしょう
最低賃金枠
最低賃金枠は付加価値目標しか設定されていません。
そのため、目標未達成でもペナルティになる可能性は低いと言えるでしょう
グリーン成長枠
グリーン成長枠は下記の通り、人材育成目標が設定されています。
④グリーン成長戦略「実行計画」14 分野に掲げられた課題の解決に資する取
組であって、その取組に関連する 2 年以上の研究開発・技術開発又は従業員の
一定割合以上に対する人材育成をあわせて行うこと【グリーン成長要件】
この人材育成を行わなかった場合どうなるのかという点ですが、実は公募要領の中には明記されていません。
しかしながら、特別枠の目標未達成に関しては大規模賃金引き上げ枠のように、ペナルティが課せられています。
そのため、グリーン成長枠も同じようにグリーン成長要件未達成の場合、ペナルティになる可能性が十分あると考えるべきでしょう。
緊急対策枠
緊急対策枠は付加価値目標しか設定されていません。
そのため、目標未達成でもペナルティになる可能性は低いと言えるでしょう
まとめ
今回は事業再構築補助金の目標が未達成だった場合どうなるのかという点を解説してきました。
ポイントをまとめると下記の通り。
- 通常枠、回復・再生応援枠、最低賃金枠、緊急対策枠に関してはペナルティになる可能性が低い
- 大規模賃金引き上げ枠は補助金返還のペナルティあり
- グリーン成長枠は明記されていないものの、ペナルティがある可能性が高い
「事業計画書が作成できず、困っている」「認定支援機関が見つからず、困っている」という方はまず一度ご相談ください。
事業再構築補助金について他にもまとめておりますので参考にしていただければ幸いです。
https://mono-support.com/saikouchiku/
また事業再構築補助金がどの様ものかわからないといった方は下記HPをご覧ください。
https://jigyou-saikouchiku.jp/
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