ものづくり補助金

ものづくり補助金でロボット関係は採択されやすい理由と事例

ものづくり補助金でロボット関係は採択されやすい理由と事例

ものづくり補助金は、日本政府が中小企業の生産性向上や新事業への参入を支援する目的で設けられた補助金制度です。
様々な経費が補助対象経費となりますが、特にロボット関連の導入プロジェクトは採択されやすいとされています。
そこで今回は、ロボット関連が採択されやすい理由と具体的な採択事例を解説します。

なぜロボット関係の採択が多いのか?

ロボット関連のプロジェクトが採択されやすい背景には、以下のような理由があります。

省人化・省力化への政府の重点支援

現在、日本では少子高齢化や労働力不足が深刻な課題となっています。
2025年には65歳以上の高齢者が総人口の約30%に達すると予測されています。
また、生産年齢人口(15歳~64歳)の減少に伴い、2030年には労働力が2019年比で約10%減少すると見込まれております。
人口減や労働力減に対応するため、政府は省人化や省力化を目的とした投資を積極的に支援しています。
ロボットの導入は、これらの課題解決に直結するため、補助金の採択対象として非常に高い優先度を持っています

生産性向上と競争力強化

ロボットは生産ラインの自動化や効率化を促進し、品質の均一化とコスト削減を実現します。
このような成果は、企業の競争力向上にも寄与するため、補助金の目的に合致します。

具体的で成果が見えやすい

ロボット関連のプロジェクトは、導入後の成果が数値化しやすいこともポイントです。
「生産性が○%向上」や「人件費を○円削減」など、明確な成果が見込まれる提案は審査でも評価されやすくなります。

業種ごとのロボット関連での採択事例

ものづくり補助金の第18次採択事例からロボット関連での採択事例を紹介していきます。
特に製造業の採択事例が多い傾向にありますが、他の業種でも多数の採択事例がありました。

1. 製造業

  • ファイバーレーザロボットの導入
    多機能三次元高精度切断技術により品質向上と生産性を強化。高度な加工技術を必要とする業界で採用され、競争力向上に寄与。
  • IoT化による特殊研磨のロボット化
    IoT技術を活用した特殊研磨の自動化により、生産性が向上。さらに、フランチャイズ展開(FC化)も実現。
  • ロボット溶接工程の導入
    自動車用マフラー製造での高付加価値生産を実現する溶接ロボットの導入。生産効率と品質を飛躍的に向上。
  • ロボット一体型NC旋盤の導入
    高品質なダイカスト部品を量産するために導入。短納期対応と生産効率向上を達成。
  • 溶接ロボットによる鉄骨生産の効率化
    鉄骨溶接工程での生産性向上を目的としたロボット導入。職人減少による危機を克服する取り組み。
  • 金属塗装用静電塗装ロボットの導入
    新しい塗装プロセスを確立することで、生産効率の向上と製品品質の安定化を実現。

2. 情報通信・ハイテク業界

  • 最新型のパソコン部品組付自動化ロボット装置導入
    DX対応とコロナ禍での増産に応じるための装置導入。自動化と高精度な組立で売上拡大を達成。
  • 需要予測AI搭載カフェロボットの開発
    AIによる需要予測を活用し、無人カフェ事業を展開。効率的な運営と廃棄ロス削減を実現。
  • 国産初の自動4足歩行ロボットの開発
    革新的アクチュエータを搭載した4足歩行ロボットの開発。物流や建設など多分野での活用が期待される。
  • ティーチング不要なアルミホイール用ロボットバリ取り装置の開発
    自動化技術を活用し、バリ取り工程を効率化。生産性向上に寄与。

3. 医療・化粧品業界

  • 医療・化粧品用樹脂部材向けロボット検査システムの導入
    射出成形機と連動したロボット検査システムを導入。不良率削減と高品質な製品提供を実現。
  • 農工業から医療介護業への転換
    接触機会を低減する自走式搬送ロボットを開発。医療施設や介護現場での需要に対応。
  • ロボット用固定治具の開発
    ワイヤー加工の効率化により、医療用部品製造での特需に対応。生産性と受注量を大幅に向上。

4. サービス業・観光業

  • ドローン・ロボット・VRを活用した非対面型保守サービスの提供
    安全性向上と業務効率化を目的とした非対面型サービスを提供。新たな市場ニーズに対応。
  • 床自動走行式清掃ロボットの導入
    商業施設やホテルの清掃業務を自動化。人件費削減と清掃効率向上を実現。

5. 農業・食品加工業

  • パレタイジングロボットによる精米工程の完全自動化
    精米工程を完全自動化し、生産性を向上。人件費削減とコスト効率の改善を達成。
  • 植物工場自動ロボットシステムの開発
    IoT技術を転用し、植物工場での作業を自動化。安定供給とコスト削減に貢献。

6. 建設・インフラ業界

  • 鉄骨溶接ロボットの導入
    大型鉄骨の製作工程をロボット化。高品質製品の安定供給と生産効率向上を実現。
  • 溶接ロボットシステムによるガスホルダ側板の量産体制構築
    安定した生産体制を確立し、インフラ分野での需要増に対応。
  • 新型鉄骨溶接ロボットの導入
    生産性向上と販路拡大を目指し、溶接ロボットを導入。効率化によりコスト削減も実現。

ものづくり補助金以外にも検討すべき補助金

ロボットの導入を考える際には、「ものづくり補助金」以外の制度も視野に入れることをおすすめします。
代表的な例が省力化投資補助金です
この補助金は、名前の通り、省人化や省力化を目的とした設備投資を支援するもので、ロボット導入プロジェクトも多く採択されています。
カタログの中には配膳ロボット・清掃ロボット・建設現場作業ロボットを中心に多数のロボット関係の機器があります。
もしカタログの中に欲しい機器があったら、省力化投資補助金も検討してみることをおすすめします。

省力化投資補助金の特徴

  • 採択率が高いとみられている
  • 対象となるプロジェクトが幅広い
  • 労働力不足を補うための投資を支援
  • ものづくり補助金と並行して利用可能な場合もある

まとめ

今回はものづくり補助金でロボット関係は採択されやすくおすすめであるという点について解説してきました。
ポイントは下記の通り。

  • ロボット関連プロジェクトは、省人化や省力化が政府の重点支援分野であり、採択されやすい。
  • 生産性向上やコスト削減など、具体的で数値化しやすい成果が評価されやすい。
  • 補助金の目的である競争力強化に直結し、品質向上や効率化が期待できる。
  • 製造業や医療・サービス業など、幅広い業種で採択事例がある。
  • ものづくり補助金以外にも、省力化投資補助金などを併用することで、さらに支援を受けられる可能性がある。

 

 

弊社では、今後公募が開始される予定である「新事業進出補助金」「中小企業成長加速化補助金」についてもご相談をお受けしております。

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