ものづくり補助金の活用を検討している事業者の中には建物費は補助になるのか疑問に思われている方もいらっしゃいますよね。
建物費は金額が大きいため、できれば補助金を活用したいところかと思いますが、残念ながらものづくり補助金では建物費は補助対象外となっています。
しかしながら、建物費が補助対象となる注目の補助金が2025年から公募される予定となっています。
そこで今回はものづくり補助金における建物費の補助対象外の課題とその代替となる有望な補助金を2つ詳しくご紹介します。
ものづくり補助金では建物費補助対象外経費
ものづくり補助金では建物費は補助対象外経費となっています。
ものづくり補助金で補助対象経費となるのは下記の通り。
(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業 公募要領(18次締切分))
・機械装置・システム構築費
・技術導入費
・専門家経費
・運搬費
・クラウドサービス利用費
・原材料費
・外注費
・知的財産権等関連経費
・海外旅費 ※グローバル枠②海外市場開拓(輸出)に関する事業のみ
・通訳・翻訳費 ※グローバル枠②海外市場開拓(輸出)に関する事業のみ
・広告宣伝・販売促進費 ※グローバル枠②海外市場開拓(輸出)に関する事業のみ
この通り、ものづくり補助金の補助対象経費の中に建物費は入っていません。
建物費は金額が大きいため、どの補助金でも一般的に補助対象とはなりにくい傾向にあります。
しかしながら、2025年建物費が補助対象となる補助金が2種類でました。
次の章で解説していきます。
建物費が補助対象となる2つの補助金
建物費が補助対象となる予定となっている補助金は「新事業進出補助金」と「中小企業成長加速化補助金」です。
2つの内容について解説していきます。
新事業進出補助金
新事業進出補助金は新事業創出と構造転換への投資を重点的に支援する、ポスト事業再構築補助金という性質をもつ補助金です。
内容は下記の通り。
- 予算規模: 1,500億円
- 目的: 中小企業の新事業進出や事業転換を支援
- 対象経費:建物費用、機械装置費、システム構築費、技術導入費。専門家経費
- 要件:新規性が高い事業であることと賃金向上要件を満たすことか
この補助金は、これまでの事業再構築補助金に似た内容であり、特に新規事業進出を目指す企業にとって大きな後押しとなるでしょう。
まだ公募要領など細かい内容は公開されていませんが、およそ下記の内容になるのではないかと予想されます。
- 採択率・・40~50%
- 採択件数・・約8,000~約1万社
- 補助率・・1/2(または2/3)
- 補助上限金額・・1,500万円~2,000万円程度
- 補助対象経費・・建物費、機械装置・システム構築費(リース料を含む)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費、研修費など幅広い可能性が高い
- その他の要件・・賃上げすると補助率や補助額があがる要件などは追加される可能性あり
細かい内容については下記の記事でも解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
中小企業成長加速化補助金
中小企業成長加速化補助金は売上高100億円をめざしている中小企業への設備投資支援やM&A、海外展開、人材育成をメインとした補助金です。
概要は下記の通り。
- 目的: 売上高100億円を目指す中小企業を支援
- 対象経費:建物費用、機械装置費、ソフトウェア費、外注費、専門家経費
- 要件:明確な成長ビジョンを持つこと、賃金向上要件を満たすことか
飛躍的な成長を目指す企業にとって、この補助金は設備投資や新規事業展開のための重要な資金源となります。
名称や概要が大規模成長投資補助金と似ており、大規模成長投資補助金の縮小版になるのではと予想されています。
そのため、新事業進出補助金よりも用途が限定されており、採択率も低くなるのではないかと予想されます。
細かい内容については下記の記事でも解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
どちらの補助金を狙うべきか
このとおり、2025年の補助金では「新事業進出補助金」と「中小企業成長加速化補助金」が補助対象となる可能性が高いです。
しかしながら、この二つの補助金は補助対象となる企業規模が異なる点は注意する必要があります。
- 新事業進出補助金は小規模から中小企業など幅広いターゲット層
- 中小企業成長加速化補助金は年商数十億円の中堅企業をターゲット層
としており、自社の規模に適した補助金を選択しましょう。
補助金申請における建物費の重要ポイント
建物費用は企業の設備投資において最も大きな費用の一つであるため、その補助は非常に魅力的です。
しかし、補助金申請における建物費の活用には、いくつかの重要な注意点があります。
1. 明確な投資目的の提示
建物費用の補助を受けるためには、単に建物を建てたいというだけでは不十分です。以下のような具体的な目的が求められます
- 生産性向上のための新工場建設
- 新規事業展開に伴う施設整備
- 技術革新を実現するための研究開発拠点の構築
- 事業のグローバル展開に向けた拠点整備
2. 詳細な事業計画の作成
建物費用の補助を受けるためには、徹底的に練られた事業計画が不可欠です。以下の要素を含める必要があります
- 具体的な投資目的と期待される効果
- 投資後の売上・利益予測
- 雇用創出計画
- 技術革新や生産性向上の具体的な道筋
補助金以外の建物投資支援策
建物費用の補助金に加えて、下記の支援策を活用することもおすすめです。
- 低利融資制度
- 税制優遇措置
- 地方自治体の独自支援プログラム
- リース・割賦などの代替的な資金調達方法
2025年は資本性劣後ローンの要件見直しや信用保証制度の新設など中小企業向けの様々な支援策が行われる予定です。
建物費は金額が大きいので、補助金だけではなく、多角的な資金調達も検討してみることをおすすめします。
まとめ
今回はものづくり補助金で建物費は補助対象となるのかというテーマで解説してきました。
ポイントは下記の通り。
- 現行のものづくり補助金では建物費は補助対象外
- 対象経費は機械装置、システム構築、技術導入などに限定
- 2025年に建物費が補助対象となる「新事業進出補助金」と「中小企業成長加速化補助金」が公募される見込み
- 他にも融資制度などを活用して、多角的な支援策を行うことが重要
弊社では、2025年(令和7年)に開始する「ものづくり補助金」や今後公募が開始される予定である「新事業進出補助金」「中小企業成長加速化補助金」についてもご相談をお受けしております。全国各地からオンラインでの初回無料で打ち合わせが可能となっています。
弊社はこれまで、ものづくり補助金をはじめとして事業再構築補助金、中小企業省力化投資補助金のサポートも行っており、多数の採択実績があります。また、交付申請や事業化状況報告等の補助金申請後のご相談やサポートも承っております。お困りごとがございましたらお気軽にご連絡下さい。
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