近年、ペット市場の拡大とともに、動物病院の需要も急増しています。
ペットの健康管理や高度医療のニーズが高まり、最新の医療機器や診療技術の導入が求められています。
そんな中、動物病院の設備投資や医療技術の向上を支援する手段として「ものづくり補助金」が活用できます。
本記事では、動物病院がものづくり補助金を活用する方法や、実際の採択事例を詳しく解説します。
ペット関連市場の拡大と動物病院の成長
ペット市場の拡大
日本のペット市場は年々成長を続けており、2023年のペット関連市場は約1.8兆円に達すると予測されています。(ペットビジネスに関する調査を実施(2024年) 矢野経済研究所)
特に、ペット医療分野は成長が著しく、高齢化するペットの増加や、ペットの健康を重視する飼い主の増加が要因となっています。
- ペット医療市場の成長:最新の医療技術を活用した治療法が求められ、動物病院の高度化が進んでいる。
- 飼い主の意識向上:ペットを家族の一員として考える傾向が強まり、健康診断や予防医療の需要が増加。
- ペットの長寿化:医療技術の進歩により、ペットの平均寿命が伸び、老齢期の医療ニーズが拡大。
このような市場の動向を背景に、動物病院はより高度な医療設備を整えることで競争力を高める必要があります。
ものづくり補助金を活用することで、設備投資の負担を軽減し、質の高い医療サービスの提供が可能になります。
ものづくり補助金とは?
ものづくり補助金(正式名称:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)は、中小企業や小規模事業者が設備投資や技術革新を行う際に活用できる補助金です。
【製品・サービス高付加価値化枠 ※第19次公募内容】
補助額 | ||
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従業員数 | 補助金額 | 補助下限額 |
従業員数5人以下 | 750万円 | 100万円 |
従業員数6~20人 | 1,000万円 | 100万円 |
従業員数21~50人 | 1,500万円 | 100万円 |
従業員数51人以上 | 2,500万円 | 100万円 |
補助率 |
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中小企業: 1/2 小規模企業・小規模事業者及び再生事業者: 2/3 |
補助対象経費 |
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機械装置・システム構築費(必須)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費 |
動物病院の場合、新しい医療技術の導入や、設備の高度化による診療サービスの向上が補助対象として認められいます。
今までの公募では多数の動物病院がものづくり補助金で採択された事例があり、他の業種と比較しても採択されやすい分野であると言えるでしょう。
動物病院のものづくり補助金の活用事例
これまで、ものづくり補助金を活用して事業を成長させた動物病院の事例を紹介します。
1. 麻酔を使わない高速CT撮影による診察
- 動物への負担が大きい麻酔を使わず、短時間で精密な診断が可能な高速CTを導入。
- 最新の画像診断技術を活用し、より正確な診察と迅速な治療方針の決定を実現。
2. 脳神経系疾患の高度医療体制の構築
- 獣医学領域における脳神経疾患の専門治療を可能にする医療機器の導入。
- 動物総合病院として、より高度な治療が受けられる体制を整備。
3. 整形外科を強みとする動物病院チェーンの展開
- 動物の骨折や関節疾患の治療に特化した設備を導入し、専門性を高める。
- 動物のリハビリテーション施設も整備し、術後の回復支援を強化。
4. 内視鏡を活用した低侵襲手術の実施
- 内視鏡技術を活用し、「腫瘍の減容積」に取り組む新たな外科術式を導入。
- 開腹手術よりも負担が少ない治療方法を提供し、ペットの負担軽減を実現。
5. 口腔疾患治療と口腔内ガン手術を両立したかかりつけ医の刷新
- 口腔内疾患に特化した診療機器を導入し、歯科治療の精度を向上。
- 口腔ガンの早期発見と手術治療を一貫して行う体制を整備。
6. 大学病院並みの整形外科および眼科診療の実現
- 整形外科および眼科領域の最新医療機器を導入し、高度な診療を提供。
- 大学病院レベルの治療を可能にし、地域の動物医療の充実を図る。
7. 腫瘍診療の専門性を高めた動物病院の設立
- 竹原市初の腫瘍専門治療を提供し、癌検査から手術までの一貫診療体制を確立。
- 獣医腫瘍学の最新技術を取り入れ、治療成功率の向上を目指す。
8. 最新機器を導入し、高知県最大級の動物総合病院へ
- MRIやCTスキャンなどの最新医療機器を導入し、高度診療を実施。
- 救急対応も可能な動物病院として、地域の医療環境を強化。
9. 福岡県随一の腫瘍診療を提供する動物病院への成長
- 腫瘍専門の獣医師を配置し、高度な癌治療が可能な環境を整備。
- 免疫療法などの最先端医療を取り入れ、ペットの生存率向上を目指す。
ものづくり補助金で採択されるためのポイント
ものづくり補助金の採択を受けるためには、以下のポイントが重要です。
革新性と技術向上の明確化
- 採択事例の多くは、高度な医療機器の導入や新しい治療技術の実装を伴っています。
- 既存の動物病院にはない革新的なアプローチを明確に示すことが重要です。
生産性向上と業務効率化の証明
- 設備投資によって診療の精度向上や効率化がどのように実現できるのかを具体的に説明。
- 例えば、高速CT導入による診断時間の短縮や、内視鏡の活用による低侵襲手術の提供など。
地域貢献と市場のニーズへの適応
- 竹原市や福岡県など、地域における高度医療の提供が評価されるケースが増えています。
- 地域医療の課題解決に貢献するビジネスモデルを提示することが成功の鍵となります。
これらのポイントを意識して申請することで、ものづくり補助金の採択率を高めることができます。
まとめ
- ペット市場は拡大を続け、動物医療の高度化が求められている。
- ものづくり補助金を活用することで、動物病院の設備投資や診療技術の向上が可能。
- 実際の採択事例を参考に、最新医療機器の導入や高度医療の提供を検討すべき。
- 地域における動物医療の充実が、競争力の向上につながる。
補助金を有効活用し、ペットの健康と福祉を支える動物病院の成長を目指しましょう!
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