大規模成長投資補助金

「大規模成長投資補助金」とは?第三次公募(2025年度)のスケジュール予想と審査のポイントを紹介。

「大規模成長投資補助金」とは?第三次公募(2025年度)のスケジュール予想と審査のポイントを紹介。

令和5年度に新設された「大規模成長投資補助金」。予算規模3,000億円と過去に例のない規模で、中堅・中小企業による大規模な投資を支援する制度内容となっています。

さらに、令和6年度補正予算においても3,000億円の予算が計上され、2025年度の第3次公募の実施が決定しました。補助金事務局はTOPPAN株式会社に正式決定し、2~3月頃に第3次募集が開始される見込みです。

本記事では、「大規模成長投資補助金」の制度内容と、今後のスケジュール、審査において重視されるポイントなどについて詳しく解説します。

今回の記事の流れ

1.大規模成長補助金の概要
・事業目的
・事業概要
・第二次募集(令和6年)の事業要項より
・事業スキーム
2.補助対象となる経費とは?
・補助対象経費一覧
3.補助事業要件~賃上げ要件とは
4.申請に向けての準備
・予想されるスケジュール
・必要となる提出書類
・よくある書類上の不備
5.審査される基準とは?
・経営力
・先進性・成長性
・地域への波及効果
・大規模投資・費用対効果
・実現可能性
6.まとめ

1.大規模成長投資補助金の概要

事業目的

大規模成長投資補助金(中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金)は、「地域の雇用を支える中堅・中小企業」が行う大規模な投資を支援する制度です。人手不足をはじめとする経営課題に対応しつつ、企業の成長を促し、地方における持続的な賃上げの実現を目指すものです。


経済産業省リーフレットより

事業概要

中堅・中小企業の持続的な賃上げや事業成長等を目的として行う事業です。①人手不足に対応するための省力化等による労働生産性の抜本的な向上②事業規模の拡大を図るための、工場等の拠点新設大規模な設備投資に対して補助を行います。

大規模成長補助金

 

第二次募集(令和6年)の事業要項より

項目内容
補助対象者中堅・中小企業(従業員数2,000人以下、単体ベース)

※一定の要件を満たす場合、中堅・中小企業を中心とした共同申請(コンソーシアム形式:最大10社)も対象。
みなし大企業や、実施する補助事業の内容が農作物の生産自体に関するものなど1次産業を主たる事業としている場合は補助対象外

補助上限50億円 ※補助率1/3以内
投資下限額10億円 (投資規模が10億円以上が対象)
※コンソーシアム形式で参加企業の投資合計が10億円以上となる場合も対象。ただし、一定規模以上の投資を行う中堅・中小企業が含まれる場合に限る。
対象経費工場等の拠点新設や大規模な設備投資に係る費用
※専門家経費・外注費を除く
事業の要件

【一般枠】
賃上げ要件
※補助事業の終了後3年間の対象事業に関わる従業員等1人当たり給与支給総額の年平均上昇率が、事業実施場所の都道府県における直近5年間の最低賃金の年平均上昇率以上

※持続的な賃上げを実現するため、補助金の申請時に掲げた賃上げ目標を達成できなかった場合、未達成率に応じて補助金の返還を求める。
【特別枠】上記に加え、
➀令和6年度中(令和7年3月末まで)に補助事業が完了見込み
予算
採択件数
予算3000億
※1次公募における採択者(109件)の総補助金額(上限)は1,780億円
補助事業期間交付決定日から最長で令和8年12月末まで
※ただし、補正予算の早期執行の観点から、令和6年度中に投資完了する方向けの特別枠を新設するとともに、令和6年度内の投資比率が大きい計画に対して審査上の優遇措置を講じる。

第二次募集の概要資料より(中小企業庁)

事業スキーム

経済産業省(国)から補助金を託された事務局(民間企業)が、中堅・中小企業向けの補助金公募から審査、補助、確定検査、補助事業終了後の事業実施状況・賃上げ要件の達成状況の確認(フォローアップ)等を行います。なお、第一次、第二次の事務局は博報堂とTOPPANが共同で担いましたが、第三次の業者はTOPPANに決定しました。

第二次募集の概要より(中小企業庁)

2.補助対象となる経費とは?

補助対象となる経費は、事業拡大につながる設備やシステムなど(有形・無形)への一定規模の投資が含まれる必要があります。また、その経費が事業の範囲内で明確に区分でき、必要性や金額の妥当性が証拠書類で確認できることが条件です。

補助の対象となるのは、交付決定を受けた後に契約・発注し、補助事業の期間内に納品や検収、支払いなどの手続きをすべて完了した経費に限られます。

なお、審査では補助金の目的に合った成長投資計画が評価され、評価の高い事業が採択されますが、採択されたからといって申請時の全経費が補助対象となるわけではありません。交付審査で対象外と判断された経費は補助の対象になりません。

補助対象経費一覧

対象となる経費は、1.建物費、2.機械装置費、3.ソフトウェア費、4.外注費、5.専門家費です。

経費詳細

経費の詳細は、第二次公募要項P11に詳細が記載してありますので、ご確認ください。

 

3.補助事業要件~賃上げ要件とは

大規模成長補助金に申請するための事業要件に、「賃上げ要件」があります。

補助事業終了後3年間の「従業員1人当たり給与支給総額の年平均上昇率」が、「該当都道府県における直近5年間の最低賃金の年平均上昇率以上」となることが必要です。
掲げた賃上げ目標を達成できなかった場合、未達成率に応じた補助金の返還が求められますので、注意しましょう。(天災など事業者の責めに帰さない理由を除く)

賃上げ要件

第二次募集の概要より(中小企業庁)

4.申請に向けての準備

予想されるスケジュール

第三次の募集は、2025年2月~3月に開始される見込みです。

大規模成長補助金スケジュール

以下、第二次の際のスケジュールですが、同様のスケジュールになると予想されます。

必要となる提出書類

  • 成長投資計画書(様式1)
  • 成長投資計画書事業
  • 計画書別紙(ローカルベンチマーク・様式3)
  • 決算書等(3期分)
  • 金融機関からの成長投資計画確認書

 

よくある書類上の不備

中小企業庁の公式HPでは、申請書類でよくある不備が具体例とともに紹介されています。書類に不備があると審査を受けられなくなるため、申請時のガイドをよく確認し、丁寧に作成しましょう。

また、専門的な書類が多いため、申請書の作成に不安がある場合は、専門機関に相談するのも効果的な方法です。

書類不備

第二次募集の概要より(中小企業庁)

5.審査される基準とは?

補助金の審査においては、どのような観点で重視されるのか解説します。

中小企業庁が、概要の中でも審査基準として明記しているように、以下の項目について、数値データや事業の特徴が総合的に評価され、採択事業者が決定されます。(以下、概要より)

経営力

経営戦略上の補助事業の位置付けを踏まえ、補助事業を通じて企業自身の持続的な成長につながることが見込まれるか否か。

  • 長期成長ビジョン(5~10年後の社会に価値提供する自社のありたい姿 など)
  • 外部環境・内部環境の認識を踏まえた事業戦略(市場・顧客動向、自社の強み・弱み、経営資源[ヒト・モノ・カネ]の状況等を踏まえて取り組む事業内容[補助事業含む]など)
  • 成果目標・経営管理体制(定量的な成果目標とその達成に向けた効率的な体制の構築状況 等)

先進性・成長性

  • 補助事業で取得した設備等により生み出す製品・サービスや生産方式等は、自社の優位性が確保できる差別化された取組か。
  • 補助事業により、労働生産性の抜本的な向上が図られ、当該事業における人手不足の状況が改善される取組か。
  • 補助事業に関連する製品・サービス等の売上高が、当該事業の市場規模の伸びを上回る成長が見込まれるか。

地域への波及効果

  • 補助事業により、従業員1人当たり給与支給総額、雇用の増加等、地域への波及効果が見込まれる取組か。
  • リーダーシップの発揮により、地域企業への波及効果、連携による相乗効果が見込まれるか。(主にコンソーシアム形式の場合
    を想定)

地域波及効果が一層高い事業者を政策的に支援するため、「地域未来牽引企業」や「パートナーシップ構築宣言登録企業」には加点されます。

大規模投資・費用対効果

  • 収益規模に応じたリスクをとった大規模成長投資であるか。
  • 補助金額に対して、生み出される付加価値額が相対的に大きな取組か。
  • 従前よりも一段上の成長・賃上げを目指す等、企業の行動変容が示されているか。

実現可能性

  • 補助事業を適切に遂行できる、財務状況・実施体制等が十分に確保されているか。
  • 補助事業の事業化に向けた課題設定・解決方法・スケジュールが適正に見込まれており、実現可能性が高いか。
  •  補助事業によって提供される製品・サービスのユーザ、市場及びその規模が明確で、市場ニーズの有無を検証できているか。
  •  早期に投資が実行され、確実に効果が得られると見込まれるか。(総投資額に占める令和6年度中の投資額の割合が高い水準であるか。)

「金融機関による確認書」の提出・確認書を発行した金融機関の担当者等がプレゼンテーション審査に同席した場合に加点がされます。

6.まとめ

大規模な設備投資や新拠点の建設を検討されている事業者様にとって、最大50億円の補助が受けられる本制度は、成長を加速させる絶好の機会です。

しかし、申請には綿密な事業計画の策定や複雑な書類作成が求められ、不備があれば審査を受けられない可能性もあります。確実な申請を進めるためにも、専門的なサポートを活用し、補助金獲得の可能性を最大限に高めましょう。

当事務所では、申請書の作成から提出までをトータルでサポートしております。補助金の活用をお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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