中東情勢の悪化の影響でナフサ価格や原材料価格の高騰しています。
仕入コストや製造コスト、包装資材費、物流費などの負担が重くなっている、あるいは必要な物資が全く入ってこないという企業は少なくありません。
そのため、「ナフサに使える補助金はないのか」「原材料高騰に対応できる補助金はあるのか」と調べている中小企業経営者や個人事業主の方も多いのではないでしょうか。
結論からいうと、現時点では中小企業向けに広く公募されている「ナフサ専用補助金」はありません(令和8年5月21日時点)。
ただし、ナフサ価格そのものを下げる補助金がなくても、コスト高対策として活用できる補助金はあります。
特に、人手不足対策や省人化、業務効率化につながる設備投資であれば、中小企業省力化投資補助金の活用を検討する価値があります。
✅ ナフサに直接使える補助金があるのか
✅ コスト高対策として使える補助金制度
✅ 中小企業省力化投資補助金がおすすめな理由
✅ 補助対象になりやすい設備投資例
✅ 補助金活用で注意すべきポイント
Contents
ナフサ不足に対する補助金は現時点ではない
現時点で「ナフサショックに対応する補助金」はない
現時点では、中小企業向けに広く公募されている「ナフサショックに対応する補助金」はありません。
ガソリン価格を抑えるための補助制度は話題になることがありますが、ナフサについては同じような形で価格を直接補助する制度は一般的ではありません。
ナフサは、プラスチック、合成繊維、包装資材、洗剤、シャンプー、化学製品などの原料として使われます。そのため、ナフサ価格が上がると、最終製品の価格や仕入コストに影響が出やすくなります。
ナフサ価格そのものを下げるより、利益体質の改善が現実的
中小企業がナフサ価格そのものをコントロールすることは困難です。
そのため、以下のような対応が重要になります。
- 省人化設備を導入して人件費負担を抑える
- 業務効率化により残業時間や作業時間を削減する
- 在庫管理や受発注業務をデジタル化する
- 高付加価値商品・サービスへ転換する
- 価格転嫁や取引条件の見直しを行う
つまり、「ナフサ補助金がないから何もできない」のではなく、補助金を活用してコスト高に耐えられる経営体質へ変えていくことが重要です。
ナフサ価格を直接補助する制度は現時点では一般的ではありません。だからこそ、省力化・自動化・高付加価値化によって利益率を改善する補助金活用が現実的です。
ナフサ不足に関する融資制度はある?
ナフサ不足そのものを対象にした専用融資は一般的ではありませんが、原油価格高騰や原材料・エネルギーコスト増の影響を受けた中小企業向けの資金繰り支援は用意されています。
代表的なのが、日本政策金融公庫等のセーフティネット貸付です。
また、自治体によっては原材料高騰や原油価格高騰に対応した制度融資を設けている場合があります。
参考サイト:中東情勢等を踏まえた中小企業・小規模事業者向け支援について 中小企業庁
なぜナフサ価格高騰が中小企業に影響するのか
ナフサとは何か
ナフサとは、原油を精製する過程で得られる石油製品の一種です。
主に石油化学製品の原料として使われ、プラスチックや合成繊維、ゴム、塗料、包装資材など、さまざまな製品に関係しています。
一見すると、ナフサは化学メーカーや製造業だけに関係するもののように見えます。
しかし実際には、包装材、容器、梱包資材、建材、衣類、日用品など幅広い商品に使われているため、ナフサ価格の上昇は多くの業種に影響します。
影響を受けやすい業種
ナフサ価格高騰の影響を受けやすいのは、製造業だけではありません。
- 包装資材を多く使う食品加工業
- 梱包材を多く使うEC・小売業
- プラスチック部材を扱う建設業
- 資材価格の上昇を受ける印刷業
- 燃料費や資材費が重い運送業
- 日用品・消耗品を扱うサービス業
このように、ナフサ価格や原材料価格の高騰は、幅広い中小企業の利益を圧迫します。
価格転嫁だけでは限界がある
原材料価格が上がった場合、本来であれば販売価格に転嫁することが必要です。
しかし、中小企業の場合、取引先との関係や競合状況から、すぐに価格転嫁できないケースも多いです。特に下請け取引や固定価格契約が多い企業では、コスト増を自社で吸収せざるを得ないこともあります。
そのため、価格転嫁だけに頼るのではなく、業務効率化・省人化・生産性向上によって利益を守る視点が重要になります。
ナフサ価格高騰は、製造業だけでなく、包装資材・物流・建設・小売・サービス業にも影響します。価格転嫁だけでは限界があるため、補助金を活用したコスト構造の改善が重要です。
コスト高対策として活用しやすい補助金
中小企業省力化投資補助金
ナフサ価格や原材料価格の高騰に悩む企業に、まず検討してほしいのが中小企業省力化投資補助金です。
中小企業省力化投資補助金は、人手不足に悩む中小企業等が、IoT・ロボット・デジタル技術などを活用した設備を導入する際に活用できる補助金です。
この補助金のポイントは、ナフサ価格そのものを下げるのではなく、省人化や自動化によって利益体質を改善することにあります。
補助対象になりやすい設備例
- 自動包装機
- POSシステム
- 配膳ロボット
- 受発注システム
- AI検査装置
- 自動搬送設備
- 在庫管理システム
- 自動精算機
- 清掃ロボット
- 倉庫管理システム
例えば、包装資材費が上がっている食品加工業であれば、自動包装機や在庫管理システムの導入によって、作業時間や廃棄ロスを削減できる可能性があります。
小売業であれば、POSレジや自動精算機、在庫管理システムによって、レジ締め作業や発注業務を効率化できます。
飲食業であれば、配膳ロボットや券売機、予約管理システムなどにより、人手不足対策とオペレーション改善を同時に進められます。
採択されやすい事業の特徴
省力化投資補助金で採択されやすい事業には、共通点があります。
- 省人化する工程が明確である
- 導入前後の作業時間を比較できる
- 人件費削減や生産性向上の数値根拠がある
- 設備導入後の運用体制が具体的である
- 売上拡大や賃上げにつながる説明ができている
単に「新しい設備を導入したい」というだけでは弱いです。
「どの業務に何時間かかっているのか」「設備導入後に何時間削減できるのか」「その削減時間をどのように売上拡大やサービス向上につなげるのか」まで説明する必要があります。
中小企業省力化投資補助金は、ナフサ価格そのものを下げる制度ではありません。しかし、省人化・自動化・業務効率化によって、コスト高に耐えられる利益体質を作るうえで有力な補助金です。
新事業進出補助金
新事業進出補助金も、コスト高対策の選択肢になります。
新事業進出補助金は、既存事業とは異なる新市場や高付加価値事業への進出を支援する制度です。ナフサ価格や原材料価格の高騰で既存事業の利益率が低下している場合、新たな収益源を作るための設備投資や事業転換に活用できる可能性があります。
活用しやすいケース
- 原材料依存度の高い事業から高付加価値事業へ転換したい
- 既存技術を活かして新商品を開発したい
- 省エネ型サービスや環境対応商品に進出したい
- DXを活用して新しい販売モデルを構築したい
- 新市場への参入に必要な設備投資を行いたい
例えば、包装資材を扱う企業が、環境対応型素材やリユース型サービスに進出する場合などは、新事業進出補助金との相性が考えられます。
ただし、新事業進出補助金は「単なる既存事業の延長」ではなく、既存事業とは異なる市場や高付加価値領域への挑戦であることが求められます。
新事業進出補助金は、原材料高騰で既存事業の利益率が下がっている企業が、新市場・高付加価値事業へ挑戦する際に検討したい補助金です。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者であれば、小規模事業者持続化補助金も検討できます。
小規模事業者持続化補助金は、販路開拓や業務効率化に取り組む小規模事業者を支援する補助金です。補助上限額は大きくありませんが、広告宣伝、チラシ作成、ウェブサイト制作、展示会出展、機械装置等の導入など、比較的幅広い経費に使える点が特徴です。
活用しやすいケース
- 価格転嫁に向けて新しい販路を開拓したい
- ECサイトやホームページを整備したい
- 新商品をPRしたい
- 業務効率化のために小規模設備を導入したい
- 地域顧客以外の販路を広げたい
原材料価格が上がっても、販売単価を上げられない企業は少なくありません。その場合、販路拡大やブランディングにより、価格競争から抜け出す取り組みも必要です。
小規模事業者持続化補助金は、販路開拓や小規模な業務改善に使いやすい補助金です。大規模な設備投資よりも、まず販売力を高めたい小規模事業者に向いています。
対象になる企業・活用しやすい企業
ナフサ価格や原材料価格の高騰に悩んでいる企業の中でも、以下のような企業は補助金活用を検討しやすいです。
- 包装資材やプラスチック製品を多く使う企業
- 燃料費や電気代の負担が大きい企業
- 人手不足により残業や外注費が増えている企業
- 在庫管理や受発注業務に手間がかかっている企業
- 既存事業の利益率が低下している企業
- 省人化・自動化設備の導入を検討している企業
- 新商品や新サービスに挑戦したい企業
特に、コスト高の影響を受けながらも「何から対策すればよいかわからない」という企業は、補助金の対象になる可能性を一度確認しておくべきです。
ただし、補助金は申請すれば必ず採択されるものではありません。制度ごとの要件を満たし、事業計画の妥当性や投資効果を説明できることが重要です。
「自社が対象になるか分からない」「どの補助金を選べばよいか不安」という方は、早めに専門家へ相談することで、無駄な準備や申請ミスを防ぎやすくなります。
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補助金の対象になるかどうかは、業種名だけでは判断できません。投資内容、事業計画、数値根拠によって可能性が変わるため、早めの確認が重要です。
補助金活用で重要なのは“コスト削減の根拠”
単なる設備更新では採択されにくい
補助金申請で重要なのは、「設備を買いたい」という希望ではなく、設備投資によってどのような効果が生まれるかです。
特に省力化投資補助金では、以下のような説明が必要になります。
- 現在どの業務に時間がかかっているのか
- どの工程を省人化できるのか
- 何時間の作業削減につながるのか
- 人件費や外注費をどれだけ抑えられるのか
- 削減した時間をどの業務に振り向けるのか
- 売上や利益率がどう改善するのか
会計士視点では「投資回収」が重要
会計士視点で見ると、補助金申請では投資回収の考え方が重要です。
例えば、500万円の設備を導入する場合、補助金で一部が補助されたとしても、自己負担は発生します。また、補助金は原則として後払いのため、先に支出する資金も必要です。
そのため、以下のような視点で計画を作る必要があります。
- 自己資金や融資で先に支払えるか
- 補助金入金までの資金繰りに問題はないか
- 設備導入後にどれだけ利益が増えるか
- 何年で投資回収できるか
- 賃上げ要件を達成できるか
補助金は「もらえるお金」ではありますが、事業として成立しない投資を行うと、かえって資金繰りを悪化させる可能性があります。
補助金申請では、設備導入によるコスト削減額、生産性向上、投資回収期間を数値で説明することが重要です。補助金ありきではなく、事業として成立する投資かどうかを見極めましょう。
補助金申請でよくある失敗
補助金ありきで計画を作ってしまう
よくある失敗は、「補助金が出るなら設備を買いたい」という考え方です。
補助金は、あくまで事業成長や生産性向上を支援する制度です。設備を買うこと自体が目的になっている計画は、審査で評価されにくくなります。
数字の根拠が弱い
「作業が楽になる」「効率化できる」といった表現だけでは不十分です。
採択を狙うなら、以下のような数値根拠が必要です。
- 月間作業時間が何時間減るのか
- 人件費が年間いくら削減されるのか
- 生産量が何%増えるのか
- 売上がどれくらい増える見込みか
- 利益率が何%改善するのか
設備導入後の運用計画が曖昧
設備を導入しても、従業員が使いこなせなければ効果は出ません。
そのため、導入後の教育体制、運用フロー、担当者、スケジュールを具体的に示すことが重要です。
制度要件を読み違える
補助金ごとに対象経費、対象事業者、申請期限、賃上げ要件、事業実施期間などが細かく定められています。
特に、省力化投資補助金や新事業進出補助金では、要件を満たさない計画を作ってしまうと、申請前の段階で対象外になる可能性があります。
補助金申請では、補助金ありきの計画、数字根拠の不足、導入後の運用計画の曖昧さが失敗につながります。制度要件を正しく読み解き、投資効果を明確にすることが重要です。
採択事例から見る成功パターン
省力化投資補助金で採択されやすい事業の特徴
省力化投資補助金の採択事例を見ると、単なる設備導入ではなく、業務工程全体の改善を目的とした計画が多く見られます。
事例1:自動包装機の導入
食品加工業や小売業では、包装作業に多くの人手がかかることがあります。
自動包装機を導入することで、包装作業の時間短縮、作業品質の安定、人的ミスの削減が期待できます。
採択されやすい理由としては、作業時間削減の効果を数値化しやすく、人手不足対策としての妥当性が説明しやすい点が挙げられます。
事例2:AI検査装置の導入
製造業や食品加工業では、検品作業に多くの人員が必要になるケースがあります。
AI検査装置を導入することで、不良品の見逃し防止、検査時間の短縮、品質安定化が期待できます。
採択されやすい理由は、省人化だけでなく、品質向上やクレーム削減にもつながるためです。
事例3:在庫管理システムの導入
小売業、卸売業、物流業では、在庫管理の属人化が課題になりやすいです。
在庫管理システムを導入すれば、棚卸作業の短縮、欠品防止、過剰在庫の削減につながります。
ナフサ価格高騰による資材費上昇に対しても、在庫ロスを減らすことは有効なコスト削減策です。
採択されやすい事業は、設備導入によってどの工程がどれだけ省力化されるかが明確です。作業時間、人件費、品質、売上への効果を具体的に示すことが成功パターンです。
駒田会計事務所の補助金申請サポート
補助金選定から事業計画までサポート
駒田会計事務所では、補助金申請に不安を抱える中小企業経営者や個人事業主に向けて、補助金選定から事業計画の作成、申請手続きまでサポートしています。
ナフサ価格や原材料価格の高騰に悩んでいる場合でも、すぐに「ナフサ補助金」を探すのではなく、自社の課題に合った補助金を選ぶことが重要です。
たとえば、省人化・自動化が目的であれば中小企業省力化投資補助金、新市場への挑戦であれば新事業進出補助金、販路開拓であれば小規模事業者持続化補助金が候補になります。
会計士視点で数値計画を作成
補助金申請では、事業計画の数字が重要です。
駒田会計事務所では、公認会計士の視点から、売上計画、利益計画、投資回収、資金繰り、賃上げ計画などを整理し、審査で伝わりやすい事業計画づくりを支援します。
単に申請書を作るのではなく、「その投資が本当に会社の利益改善につながるか」を重視してサポートする点が特徴です。
全国対応・オンライン対応が可能
補助金申請は、地方都市の企業でも全国対応の専門家に相談できます。
駒田会計事務所ではオンラインでの相談にも対応しているため、東京都内だけでなく、地方の中小企業や個人事業主でも相談しやすい体制があります。
駒田会計事務所では、補助金の選定、事業計画作成、数値計画、申請手続き、採択後フォローまで対応しています。補助金を取ることだけでなく、利益改善につながる投資計画を重視しています。
まとめ
今回は、ナフサ補助金の有無と、コスト高対策として活用できる補助金についてまとめてきました。ポイントは下記の通り。
- 現時点では、中小企業向けに広く公募されているナフサ専用補助金は一般的ではありません。
- ナフサ価格そのものを下げるより、省力化・自動化・高付加価値化で利益体質を改善することが現実的です。
- コスト削減や人手不足対策には、中小企業省力化投資補助金の活用がおすすめです。
- 新市場への挑戦には新事業進出補助金、小規模な販路開拓には小規模事業者持続化補助金も選択肢になります。
- 補助金申請では、投資効果の数値化と制度要件の正確な理解が重要なため、不安がある場合は専門家への相談をおすすめします。
まずは無料相談から始めてみませんか?
「自分の事業が補助対象になるか分からない」「どのように申請すればいいか不安」という方も、まずはお気軽にご相談ください。
駒田会計事務所では、初回無料相談を通じて、事業内容やビジョンに合った補助金の活用方法をご提案しています。
✅ 駒田会計事務所では、補助金申請のご相談を全国対応で承っております (監修:公認会計士 駒田裕次郎| プロフィールを見る)
- 採択実績300件以上:ものづくり補助金・事業再構築補助金等
- 「新事業進出補助金」にもいち早く対応し、各業種で申請支援中
- 公認会計士が直接対応:制度に詳しい専門家が丁寧にサポート
- オンライン完結・地方対応OK:全国どこからでも相談可能です
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