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【2026年版】生成AIの導入に使える補助金4選を比較!

【2026年版】生成AIの導入に使える補助金4選を比較!

「生成AIを導入したいが、どの補助金を使えるか分からない」「ChatGPTの利用料も対象になるのか知りたい」と悩む中小企業経営者は少なくありません。 結論からいうと、生成AIの導入に使える制度はあります。

ただし、既製ツールを買うのか、自社専用AIを構築するのか、AIで新事業を始めるのか、社員研修を行うのかによって、第一候補は異なります。 生成AIという名称だけでは対象可否を判断できません。

登録ITツールか、制度目的と導入目的が一致するか、利用料・API・開発費・研修費のどの経費区分か、いつ契約するかが重要です。 本記事は2026年8月28日時点の公式サイト、公募要領、支給要領等を基準にしています。

2026年、2026年度(令和8年度)、令和7年度補正予算による事業を区別し、受付中・受付前・締切済みも分けて記載します。 公募状況や登録ITツールは更新されるため、申請時には必ず最新の一次情報をご確認ください。

この記事を読めば、生成AI導入に使える制度の比較、対象になり得る経費、選定方法、申請手順、採択後の資金繰り、対象外・不採択になりやすいNG例まで整理できます。

この記事でわかること

  • 2026年に生成AI導入で使える主な補助金・助成金の違い
  • ChatGPTなどの既製AIツールと自社専用AI開発で選ぶ制度が異なる理由
  • AIツール利用料、API、システム開発、研修費等の対象可否
  • 採択事例から分かる評価されやすいAI導入計画とNGパターン
  • 駒田会計事務所による補助金申請サポートのメリットと相談方法
駒田裕次郎

監修: 駒田 裕次郎(こまだ ゆうじろう)

駒田会計事務所 【コマサポ】代表

【来歴】大手監査法人の経験を活かし、創業支援・補助金支援を中心とする「駒田会計事務所」を東京・渋谷に設立。資金調達や事業計画の作成、税務や経営相談まで顧客に寄り添うきめ細やかなサポートを提供。

【実績】創業融資・補助金の支援実績は、累計3,000件以上(2025年1月末現在)

【所有資格】公認会計士・税理士・認定支援機関

「一人ひとりの起業家の成功を願い、日本の未来を明るくする」をモットーに、日々奔走。

Contents

結論|生成AI導入で最初に比較したい補助金・助成金は4つ

生成AI導入で最初に比較したいのは、次の4制度です。 補助率の高さではなく、AIを何のために、どの形で導入するかを基準に選びます。

  • 登録済みの既製AIツール・SaaSを導入:デジタル化・AI導入補助金2026
  • 自社専用AIやAIエージェントで大幅に省力化:中小企業省力化投資補助金(一般型)
  • AIを活用した新製品・新サービス・新市場進出:新事業進出・ものづくり商業サービス補助金
  • 社員向けの生成AI・DX研修:人材開発支援助成金

自治体や産業振興財団が独自にAI・DX導入費を支援する場合もあります。 ただし、国と自治体の制度で同一経費を二重に補助してもらうことは原則として認められない場合が多いため、併用可否は個別の公募要領で確認してください。

デジタル化・AI導入補助金2026(通常枠)

  • 向いているAI導入:登録済みのAI搭載SaaS・業務ソフト
  • 主な対象経費:ソフトウェア、クラウド利用料最大2年、設定、マニュアル、研修、保守等
  • 補助・助成の目安:原則1/2。一定の最低賃金近傍の従業員割合を満たす場合2/3/5万円以上450万円以下。150万円以上は4プロセス以上
  • 主な要件:労働生産性向上、GビズIDプライム、SECURITY ACTION等。申請額等により賃上げ要件
  • 2026年8月28日時点の状況:第5次締切は2026年9月29日17時予定
  • 注意点:直接契約や未登録ツールは不可。交付決定前契約は対象外

中小企業省力化投資補助金(一般型)

  • 向いているAI導入:自社工程に合わせたAI、RAG、AIエージェント、AI-OCR等
  • 主な対象経費:機械装置・システム構築費(必須)、クラウド、外注、専門家等
  • 補助・助成の目安:中小企業1/2、小規模・再生事業者2/3。一定の特例あり/従業員数により750万円~8,000万円。特例で最大1億円
  • 主な要件:人手不足、省力化指数、労働生産性、賃上げ、最低賃金等
  • 2026年8月28日時点の状況:第8回は公募要領公開済み。申請受付は9月中旬、締切は10月中旬予定
  • 注意点:単なるアカウント契約は趣旨に合いにくい。要件未達時の返還リスクあり

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金

  • 向いているAI導入:AI新製品・新サービス開発、新市場へのAI事業
  • 主な対象経費:システム構築、クラウド、外注、専門家等。枠により広告・建物等
  • 補助・助成の目安:革新的枠は中小企業1/2、小規模・再生事業者2/3。新事業進出枠は1/2。一定の最低賃金特例は2/3/枠・従業員数により最大7,000万円。特例最大9,000万円
  • 主な要件:新規性、市場性、付加価値、賃上げ、最低賃金、実現可能性等
  • 2026年8月28日時点の状況:第1回公募中。受付開始9月30日、締切10月30日18時予定
  • 注意点:社内業務への単純導入は制度目的に合いにくい

人材開発支援助成金

  • 向いているAI導入:生成AI・DX・デジタル人材のOFF-JT
  • 主な対象経費:外部研修、eラーニング、定額制研修、訓練中賃金等
  • 補助・助成の目安:コース・訓練類型により経費45~75%等、賃金助成あり/1人・1訓練・1事業所単位で異なる。最新パンフレットで要確認
  • 主な要件:雇用保険被保険者、計画届、訓練時間、業務命令、費用負担等
  • 2026年8月28日時点の状況:令和8年度制度を受付中
  • 注意点:通常のAI利用料は研修費にならない。原則1か月前までに計画届

上記の比較は主要条件の要約です。 補助率・上限額・要件の根拠は、各章に掲載する最新の公式公募要領・パンフレットをご確認ください。

対象事業者に該当しても、補助金は審査による採択が必要です。 採択後も、交付決定、実績報告、経費精査、補助額確定を経て入金されます。

この章の重要ポイント

既製SaaS、個別開発、新事業、研修では、制度の入口が異なります。まず導入形態を4分類し、補助率ではなく制度目的との一致で候補を絞りましょう。

生成AI導入前に整理すべき4つの導入パターン

補助金を探す前に、導入計画を4パターンへ分類してください。 同じ「ChatGPTを使う計画」でも、既製サービスの契約と、APIを使った自社システム開発では対象制度も経費区分も異なります。

1.既製の生成AIサービスをそのまま利用する

ChatGPT、Microsoft Copilot、Google Gemini、Claudeなどの法人向けプランを契約し、文章作成、要約、議事録、調査、資料作成に使うケースです。 第一候補はデジタル化・AI導入補助金2026ですが、製品名が有名だから対象になるわけではありません

登録ITツール検索で、プラン名、ITツール番号、提供するIT導入支援事業者、販売経路、補助対象期間を確認します。 メーカーとの直接契約が、登録された販売経路と異なる場合も対象になりません。

2.既存業務システムへ生成AI機能を追加する

CRM、会計、受発注、在庫管理、顧客対応、ナレッジ管理へAI機能を組み込むケースです。 登録済み業務ソフトのAI機能を追加するだけならデジタル化・AI導入補助金、自社データとの連携や個別開発を伴い大幅な省力化を図るなら省力化投資補助金(一般型)が候補になります。

3.自社専用AI・RAG・AIエージェントを構築する

RAGとは、社内規程や過去資料などを検索してから生成AIが回答する仕組みです。 AIエージェントは、回答するだけでなく、複数のシステムを操作し、情報取得、判定、入力、通知などの一連の業務を実行する仕組みを指します。

社内文書、商品情報、顧客対応履歴を参照する専用AIや、見積・受注・報告までつなぐAIエージェントを構築する場合は、個別のシステム構築費が生じます。 導入前後の作業時間を大幅に減らせるなら、省力化投資補助金(一般型)が有力です。

4.AIを活用した新製品・新サービスを開発する

AI SaaS、AI診断、AIマッチング、AI分析サービスを開発・販売するケースは、社内業務へのAI導入とは別の検索意図です。 2026年6月以降の新規公募では、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金のうち、革新的新製品・サービス枠または新事業進出枠への適合性を確認します。

導入形態別の選定フロー

  1. 既製の業務用AIをそのまま使うか
    • 第一候補:デジタル化・AI導入補助金2026
    • 次に確認すること:登録ITツール番号、プラン、販売者、利用期間
  2. 自社工程に合わせた個別開発で大きく工数を減らすか
    • 第一候補:省力化投資補助金(一般型)
    • 次に確認すること:人手不足、省力化指数、投資回収、システム仕様
  3. 顧客へ販売する新しいAI製品・サービスか
    • 第一候補:新事業進出・ものづくり商業サービス補助金
    • 次に確認すること:新規性、市場、売上計画、付加価値、最低補助額
  4. 主目的は社員のAI活用スキル向上か
    • 第一候補:人材開発支援助成金
    • 次に確認すること:対象者、カリキュラム、訓練時間、計画届期限
  5. 目的・KPIがまだ曖昧か
    • 第一候補:補助金申請より先に業務整理
    • 次に確認すること:小規模検証を自己負担で行う方が速い場合もある

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AI事業で使える補助金はどれ?【まとめ】では、AIを使った新規事業・新サービス側から制度を深掘りできます。2026年2月公開の記事で旧制度名を含むため、現在の統合制度の要件は本記事と最新公募要領で読み替えてください。

この章の重要ポイント

「既製AIの利用」「業務システムへの追加」「自社専用AI」「販売するAI新製品」を分けると、候補制度が見えます。ツール名から逆算せず、誰のどの業務をどう変えるかから判断してください。

デジタル化・AI導入補助金2026|登録された生成AIツールの導入向け

既製のAI搭載SaaSや業務ソフトを導入する場合、最初に検討したい制度です。 2026年に旧「IT導入補助金」から名称が変わり、AIを含むITツールの導入による労働生産性向上を支援しています。

対象は「登録ITツール」と「登録された販売経路」

通常枠で補助対象になるのは、IT導入支援事業者が事務局へ事前登録し、採択されたITツールです。 一般のWebサイトから直接契約できるSaaSであっても、登録されていなければ申請できません。

同じ製品でもプラン、機能、販売会社、契約期間が異なれば扱いが変わることがあります。 公式のITツール検索では、業務プロセス、AI機能の有無、IT導入支援事業者などを検索できます。

申請前に、ベンダーからITツール番号と登録された価格内訳を受け取ってください。

通常枠の補助率・補助額・対象経費

  • 補助率:原則1/2。一定の最低賃金近傍の従業員割合を満たす事業者は2/3
  • 補助額:1プロセス以上は5万円以上150万円未満、4プロセス以上は150万円以上450万円以下
  • 対象経費:登録ソフトウェア購入費、クラウド・サブスクリプション利用料最大2年分、機能拡張、データ連携、セキュリティ、導入・活用コンサルティング、設定、マニュアル作成、研修、保守サポート等

2/3の特例は、2024年10月から2025年9月までの間に、改定前後の地域別最低賃金の範囲内で働く従業員が全従業員の30%以上となる月が3か月以上あるなど、所定の条件を満たす場合に限られます。 150万円以上の申請では賃上げ計画が必須です。

150万円未満でも加点または過去の採択歴等により必須となる場合があるため、申請額と過去利用歴を確認してください。 詳しい条件は通常枠公募要領、経費の登録区分はITツール登録要領が根拠です。

ChatGPT、Copilot、Gemini、Claudeは対象になるか

ChatGPT Plus/旧Team/Enterprise

製品名だけでは対象と断定できません。 公開検索でChatGPT関連の登録例は確認できましたが、Plus、Team、Enterpriseの各直接契約が対象という意味ではありません。

確認方法:正式プラン名、ITツール番号、支援事業者、販売経路を確認

Microsoft 365 Copilot

Copilotという名称だけでは判断できません。 Microsoft 365の登録パッケージに含まれる場合も、対象機能と価格内訳の確認が必要です。

確認方法:登録されたMicrosoft 365製品の詳細とAI機能欄を確認

Google Gemini

Geminiを含むGoogle Workspaceの登録例は確認できました。 ただし、Geminiの単体・直接契約が一律対象になるわけではありません。

確認方法:Google Workspaceのプラン、ITツール番号、販売者を確認

Claude

公開検索で法人プランの対象可否を確証できませんでした。 更新や別名称登録もあり得るため、申請時点で確認が必要です。

確認方法:登録検索と販売ベンダーの登録証跡を確認

生成AI機能付き業務ソフト

登録ソフトの業務プロセスと一体で、登録価格に含まれていれば候補になります。

確認方法:AI機能だけでなく対象プロセス、価格、契約期間を確認

公式検索の登録状況は随時変わります。 検索結果のスクリーンショットだけで契約せず、申請画面へ反映されるITツール番号と見積明細をIT導入支援事業者へ確認しましょう。

月額・年額利用料とAPI従量課金の考え方

登録されたクラウド利用料は最大2年分が対象になり得ます。 一方、APIの従量課金は利用量が変動し、申請時点で補助対象額を確定しにくいため、通常枠では対象にしにくい費用です。

登録ITツールの構成要素として単価・期間・上限が事前に定められている場合を除き、対象と決めつけないでください。

申請前の準備と契約時期

申請にはGビズIDプライムとSECURITY ACTIONの「一つ星」または「二つ星」の宣言が必要です。 IT導入支援事業者と共同で申請準備を進めますが、申請内容を理解し、最終的に申請するのは事業者本人です。

交付決定前の契約、購入、利用開始、支払いは対象外です。 無料トライアルが自動的に有料契約へ切り替わる場合も、契約成立日や利用開始日の扱いを事前に確認してください。

2026年の公募日程は公式スケジュールで更新されています。

この章の重要ポイント

デジタル化・AI導入補助金2026は「AIなら対象」ではなく、登録ITツールを登録支援事業者から導入する制度です。契約前にITツール番号、販売経路、対象期間、見積内訳を確認してください。

中小企業省力化投資補助金(一般型)|自社専用AIによる大幅な省力化向け

自社の工程に合わせたAIシステムを構築し、人手不足を解消するなら、中小企業省力化投資補助金(一般型)が有力です。 生成AIの導入自体ではなく、何時間・何人分の作業を減らし、浮いた人材を高付加価値業務へどう再配置するかが問われます。

機械装置・システム構築費が必須

一般型は、個別現場や事業内容に合わせた設備導入・システム構築を支援します。 補助対象事業では機械装置・システム構築費が必須で、単価50万円(税抜)以上の設備・システムを含める必要があります。

生成AI、AIエージェント、AI-OCR、AIチャットボット、AI音声解析、AI画像認識などの採択事業名が公式結果で確認できます。 一方、ChatGPT等のアカウントを契約するだけでは、オーダーメイドの省力化投資という制度趣旨に合わない可能性が高いでしょう。

補助率・上限額と返還リスク

  • 補助率:中小企業1/2、小規模企業・小規模事業者・再生事業者2/3。一定の特例あり
  • 上限額:従業員5人以下750万円、6~20人1,500万円、21~50人3,000万円、51~100人5,000万円、101人以上8,000万円
  • 大幅賃上げ特例:上限が最大1億円まで引き上げられる場合あり

基本要件には、労働生産性の年平均成長率4.0%以上、1人当たり給与支給総額の年平均成長率3.5%以上、事業場内最低賃金を地域別最低賃金より30円以上高くすることなどが含まれます。 賃上げや最低賃金の要件を達成できない場合、補助金の一部または全部の返還を求められることがあります。

必ず第8回公募要領で自社条件を照合してください。

省力化効果を定量化する

導入前後の作業時間、必要人数、月間処理件数、エラー率、リードタイムを測定します。 省力化指数は、概ね「(導入前の作業時間-導入後の作業時間)÷導入前の作業時間」で考えられます。

投資回収期間も重要です。 削減時間に人件費単価を掛け、増加する粗利益と合計して、初期投資と継続費を何年で回収できるかを検証します。

AIの精度や利用率を楽観的に置かず、保守費、API料金、データ更新費も含めてください。

対象外になりやすいもの

汎用パソコン、タブレット、スマートフォン、一般的な文書作成ソフト、補助金申請書の作成支援費、消費税、振込手数料は対象外になりやすい経費です。 サイバーセキュリティ製品も、導入システムと一体で必要なものか、単独導入かによって扱いが変わります。

2026年8月28日時点では第8回公募要領が公開済みで、申請受付は9月中旬、締切は10月中旬予定です。 最新状況は公式スケジュール、採択事業は公式採択結果をご確認ください。

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この章の重要ポイント

一般型で重要なのは、AIの先進性より人手不足と省力化効果です。既製ツールの単純導入ではなく、対象工程、削減工数、再配置、投資回収を数字で示しましょう。

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金|AI製品・サービスの開発や新市場進出向け

顧客へ販売するAI製品・サービスを開発する場合は、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金を検討します。 旧「ものづくり補助金」と旧「中小企業新事業進出補助金」は、2026年6月以降の新規公募で統合されました。

旧制度を現行制度として扱わないことが重要です。 現行公募は中小企業庁の公募案内でも確認できます。

現行の3つの申請枠

  • 革新的新製品・サービス枠:顧客へ新たな価値を提供する新製品・新サービスの開発
  • 新事業進出枠:自社にとって新しい製品・サービスで、新たな顧客・市場へ進出
  • グローバル枠:海外市場開拓等を伴う事業

AI診断サービスの新規開発なら革新的新製品・サービス枠、既存事業とは異なるAI SaaS市場へ参入するなら新事業進出枠が候補です。 単なる社内文書作成の効率化や、既製AIアカウントの導入は制度目的に合いにくいと考えられます。

補助率・上限額・補助下限

革新的新製品・サービス枠は、中小企業1/2、小規模企業・小規模事業者・再生事業者2/3で、従業員数により上限750万円~2,500万円、補助下限100万円です。 新事業進出枠は、小規模・再生事業者を含め原則1/2で、従業員数により上限2,500万円~7,000万円、補助下限750万円です。

両枠とも、所定の地域別最低賃金引上げ特例で2/3となる場合があり、大幅賃上げ特例による上限引上げもあります。 「最低投資額」が一律に定められていると誤解しないでください。

現行要領には枠ごとの補助下限や、必須となる経費区分・金額条件があります。 自社負担を逆算し、規模が小さすぎる計画は補助下限に届かない点に注意します。

根拠は第1回公募要領をご確認ください。

AI開発で対象になり得る経費

システム構築費、事業専用のクラウドサービス利用費、外注費、専門家経費、広告宣伝・販売促進費等が対象になり得ます。 建物費は新事業進出枠とグローバル枠で対象になり得ます。

革新的新製品・サービス枠は機械装置・システム構築費が必須で、新事業進出枠は同経費と建物費のいずれかが必須です。 100万円以上のシステム構築費では、実績報告時に要件定義書または開発費用算出資料が求められます。

一方、汎用パソコン、スマートフォン、一般事務ソフト、申請書作成支援費、消費税、振込手数料は対象外です。 クラウド費も、補助事業期間内に専ら事業で利用する分に限られます。

審査で示したい内容

AIモデルの性能説明だけでは不十分です。 市場性、新規性、顧客の課題、競合との差、付加価値、開発体制、データ確保、販売方法、収益計画、セキュリティ、知的財産の扱いを一つの事業計画として整合させます。

2026年8月28日時点で第1回公募中ですが、申請受付は2026年9月30日から、締切は10月30日18時予定です。 正式日程は公式スケジュールで確認してください。

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この章の重要ポイント

顧客に販売する新しいAI製品・サービスは統合後の現行制度を確認します。社内効率化と混同せず、市場性、新規性、収益計画、必要な開発投資を中心に組み立ててください。

人材開発支援助成金|生成AI研修・リスキリング向け

社員向けの生成AI研修が主目的なら、人材開発支援助成金を検討します。 これは審査で採択者を選ぶ補助金ではなく、雇用主が要件を満たす訓練を行い、支給申請が認められた場合に受け取る助成金です。

検討しやすい2コース

  • 人への投資促進コース:高度デジタル人材訓練、IT分野未経験者の訓練、定額制訓練等
  • 事業展開等リスキリング支援コース:新規事業、DX、業務のデジタル化等に伴い、新しい職務に必要な知識・技能を習得する訓練

生成AIの基礎、プロンプト設計、業務活用、AIガバナンス、データ分析等のOFF-JTは、目的とカリキュラムが要件に合えば対象になり得ます。 OFF-JTとは、通常業務から離れて計画的に受ける研修です。

助成率・eラーニング・定額制研修

人への投資促進コースでは、訓練類型により中小企業の経費助成率が60%または75%、賃金助成が1人1時間当たり800円または1,000円となる場合があります。 定額制訓練は中小企業60%が基本で、一定の賃上げ等で加算されますが、賃金助成はありません。

事業展開等リスキリング支援コースは、中小企業の経費助成率75%、賃金助成は1人1時間当たり1,000円が基本です。 eラーニングは経費助成の対象になり得ますが、賃金助成はありません。

1人当たり上限、定額制の月額上限、事業所ごとの年額上限があるため、最新パンフレットで計算してください。

AIツール利用料は研修費と別に考える

ChatGPT等を通常業務で使う月額利用料が、すべて研修費になるわけではありません。 対象になり得るのは、研修サービスの受講料、入学料、教材費等として、カリキュラム、対象期間、受講者、支払い証憑が確認できる費用です。

研修で一時的に使うツールでも、通常利用分と区分できない費用は対象外となる可能性があります。 eラーニングでは、標準学習時間・期間、学習管理システムによる進捗、受講実績が確認できることが重要です。

2026年度に新設された設備投資助成もありますが、対象訓練や賃上げ等の条件があり、汎用パソコンや通常のネットワーク整備、コンサルティング費は対象外です。

計画届は原則1か月前まで

訓練計画届は、訓練開始日または定額制サービスの契約期間初日の6か月前から1か月前までに提出します。 雇用保険被保険者、原則10時間以上の訓練、業務命令、事業主による費用負担など、訓練類型ごとの条件も確認してください。

最新資料は厚生労働省の人への投資促進コース・パンフレット事業展開等リスキリング支援コース・パンフレットに掲載されています。 提出代行など社会保険労務士の業務範囲に当たる支援は、必要に応じて社労士へ相談してください。

この章の重要ポイント

AI研修は、ツール契約ではなく訓練の目的・カリキュラム・対象者・受講記録で判断されます。契約や研修開始の原則1か月前までに計画届を出せるよう準備しましょう。

自治体独自のDX・AI導入補助金も確認する

国の制度に合わない小規模なAI導入でも、都道府県、市区町村、産業振興財団のDX・デジタル化支援に該当する場合があります。 所在地、業種、従業員数、創業年数、募集期間が限定されるため、全国共通の制度としては扱えません。

確認先は、自治体と産業振興財団の公式サイト、Jグランツ、中小企業庁の中小企業向け補助金活用ナビです。 「AI」「DX」「デジタル化」「業務効率化」「人手不足」を組み合わせて検索し、公開中か、予算上限で早期終了しないかを確認します。

国と自治体へ別々に申請できても、同じAI利用料や開発費を二重計上できるとは限りません。 併用する場合は経費を明確に分け、双方の事務局へ書面で確認しましょう。

この章の重要ポイント

自治体制度は、小規模導入や地域限定支援の受け皿になることがあります。公募中か、対象地域・企業規模に合うか、国の制度と同一経費を重複計上しないかを確認してください。

生成AI導入で補助対象になり得る費用・対象外になりやすい費用

生成AIに関係する費用だから対象になるのではありません。 制度目的、登録区分、経費区分、契約時期、利用期間、事業専用性によって判断されます。

以下は2026年8月28日時点の一般的な整理です。 ◎は中心経費、○は対象になり得る、△は条件が厳しいまたは個別確認、×は原則対象外・趣旨に合いにくいことを示します。

費用区分別の確認ポイント

生成AIソフトウェア購入費

  • 制度別の扱い:デジタル化・AI導入=◎/省力化一般型=△/新事業進出・ものづくり商業サービス=△/人材開発支援=×
  • 主な確認点:登録ITツールか、システムに必要か

月額・年額利用料

  • 制度別の扱い:デジタル化・AI導入=◎ 最大2年/省力化一般型=△ 事業期間内/新事業進出・ものづくり商業サービス=△ 事業期間内/人材開発支援=△ 研修サービスのみ
  • 主な確認点:対象期間、事業専用性、登録価格

API利用料・従量課金

  • 制度別の扱い:デジタル化・AI導入=△/省力化一般型=△/新事業進出・ものづくり商業サービス=△/人材開発支援=×
  • 主な確認点:申請時に金額確定できるか、クラウド費の定義

自社専用AIのシステム開発費

  • 制度別の扱い:デジタル化・AI導入=△ 登録範囲のみ/省力化一般型=◎/新事業進出・ものづくり商業サービス=◎ 新製品等/人材開発支援=×
  • 主な確認点:仕様、工程、省力化または新規性

RAG・AIエージェント構築費

  • 制度別の扱い:デジタル化・AI導入=△/省力化一般型=◎/新事業進出・ものづくり商業サービス=○/人材開発支援=×
  • 主な確認点:個別開発、業務フロー、データ構成

データ連携・移行・機能拡張費

  • 制度別の扱い:デジタル化・AI導入=○ 登録範囲/省力化一般型=○/新事業進出・ものづくり商業サービス=○/人材開発支援=×
  • 主な確認点:導入システムとの一体性

導入設定・マニュアル作成費

  • 制度別の扱い:デジタル化・AI導入=○ 登録範囲/省力化一般型=○/新事業進出・ものづくり商業サービス=○/人材開発支援=△ 教材なら別判断
  • 主な確認点:見積明細と成果物

導入・活用コンサルティング費

  • 制度別の扱い:デジタル化・AI導入=○ 登録範囲/省力化一般型=△ 専門家経費等/新事業進出・ものづくり商業サービス=△ 専門家経費等/人材開発支援=× 原則
  • 主な確認点:単なる助言でなく事業との直接性

保守・サポート費

  • 制度別の扱い:デジタル化・AI導入=○ 最大2年の登録範囲/省力化一般型=△ 事業期間内/新事業進出・ものづくり商業サービス=△ 事業期間内/人材開発支援=×
  • 主な確認点:期間、登録、実施事業との一体性

AI研修・eラーニング費

  • 制度別の扱い:デジタル化・AI導入=○ 登録導入研修/省力化一般型=△/新事業進出・ものづくり商業サービス=△/人材開発支援=◎
  • 主な確認点:導入操作研修か、人材育成訓練か

GPU・サーバー

  • 制度別の扱い:デジタル化・AI導入=× 通常枠/省力化一般型=△ 専用設備なら/新事業進出・ものづくり商業サービス=△ 専用設備なら/人材開発支援=△ 2026設備助成の条件
  • 主な確認点:汎用品か専用機器か、必須性

パソコン・タブレット

  • 制度別の扱い:デジタル化・AI導入=× 通常枠/省力化一般型=× 原則/新事業進出・ものづくり商業サービス=× 原則/人材開発支援=× 原則
  • 主な確認点:汎用品は対象外になりやすい

クラウドサーバー・ストレージ

  • 制度別の扱い:デジタル化・AI導入=○ 登録範囲/省力化一般型=○ 事業期間内/新事業進出・ものづくり商業サービス=○ 事業期間内/人材開発支援=×
  • 主な確認点:補助事業専用、期間、数量根拠

セキュリティ対策費

  • 制度別の扱い:デジタル化・AI導入=○ 登録範囲/省力化一般型=△ システム一体/新事業進出・ものづくり商業サービス=△ システム一体/人材開発支援=×
  • 主な確認点:単独導入か、必要な構成要素か

補助金申請の支援費用

  • 制度別の扱い:デジタル化・AI導入=×/省力化一般型=×/新事業進出・ものづくり商業サービス=×/人材開発支援=×
  • 主な確認点:申請書作成・代理費用は補助対象外

消費税・振込手数料

  • 制度別の扱い:デジタル化・AI導入=×/省力化一般型=×/新事業進出・ものづくり商業サービス=×/人材開発支援=最新要領で確認
  • 主な確認点:税抜額を基準に見積・資金計画を作る

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この章の重要ポイント

費目の名称だけで可否は決まりません。見積書をソフト、API、開発、設定、研修、保守、ハードへ分け、制度ごとの経費区分と対象期間へ当てはめてください。

部門別|生成AI導入の活用例と補助金の選び方

採択されやすい計画は「AIを使う」ではなく、対象業務と測定指標が具体的です。 部門ごとに、AIが担う作業、人が確認する工程、導入前後のKPIを決めましょう。

営業

  • 導入例:提案書案、商談要約、顧客情報整理、メール案作成
  • 削減・改善する業務:議事録、CRM入力、提案初稿
  • 測定したい指標:1案件当たり作業時間、提案件数、成約率、回答時間
  • 適合しやすい制度:登録SaaSはデジタル化・AI導入、個別CRM連携は省力化一般型

カスタマーサポート

  • 導入例:FAQ検索、問い合わせ分類、回答案、AIチャットボット
  • 削減・改善する業務:一次回答、担当振分け、過去事例検索
  • 測定したい指標:初回回答時間、処理件数、一次解決率、エスカレーション率
  • 適合しやすい制度:既製ツールはデジタル化・AI導入、専用RAGは省力化一般型

経理・財務

  • 導入例:AI-OCR、仕訳候補、予実分析、経営レポート案
  • 削減・改善する業務:証憑入力、照合、集計、定型コメント
  • 測定したい指標:処理時間、月間件数、エラー率、月次締め日数
  • 適合しやすい制度:登録会計ソフトはデジタル化・AI導入、個別連携は省力化一般型

人事・総務

  • 導入例:求人票、社内問い合わせ、規程検索、研修教材
  • 削減・改善する業務:定型質問対応、文書検索、教材初稿
  • 測定したい指標:回答時間、問い合わせ件数、検索時間、受講率
  • 適合しやすい制度:RAGは省力化一般型、研修は人材開発支援

製造・建設

  • 導入例:技術文書検索、見積作成、報告書、図面・画像解析
  • 削減・改善する業務:資料探索、積算補助、検査、報告入力
  • 測定したい指標:見積リードタイム、検査時間、不良率、手戻り件数
  • 適合しやすい制度:専用システムは省力化一般型、新製品化は統合補助金

小売・EC

  • 導入例:商品説明、顧客対応、需要予測、広告運用支援
  • 削減・改善する業務:商品登録、問い合わせ回答、レポート作成
  • 測定したい指標:登録時間、欠品率、回答時間、広告費、売上、粗利益
  • 適合しやすい制度:既製SaaSはデジタル化・AI導入、専用エージェントは省力化一般型

マーケティング

  • 導入例:企画案、顧客分析、広告文、レポート作成
  • 削減・改善する業務:情報収集、初稿、集計、定型分析
  • 測定したい指標:制作時間、外注費、リード数、獲得単価、成約率
  • 適合しやすい制度:既製ツールはデジタル化・AI導入、新AIサービス販売は統合補助金

売上や成約率は外部要因の影響が大きいため、省力化計画ではまず作業時間、処理件数、回答速度、エラー率など、AI導入との因果関係を説明しやすい指標を置きます。 そのうえで、浮いた時間を営業や改善活動へ再配置し、付加価値額や粗利益へどうつなげるかを示します。

この章の重要ポイント

部門名ではなく、工程単位でAI導入前後を比較してください。作業時間や処理件数など直接効果を測り、売上・付加価値への波及を二段階で説明すると計画が明確になります。

生成AI導入の補助金額と自己負担額を計算する方法

補助金額は、支払総額に補助率を掛けるだけでは計算できません。 税抜の補助対象経費を抽出し、補助率を掛け、上限額と比較します。

消費税、対象外経費、対象期間外の利用料は全額自己負担です。

例1|既製AIツール・設定・研修を税抜合計200万円で導入

デジタル化・AI導入補助金2026の通常枠、補助率1/2を仮定します。

  • 税抜事業費:200万円
  • うち対象経費:登録ソフト、設定、登録研修等180万円
  • うち対象外経費:申請支援費や未登録サービス等20万円
  • 消費税:20万円
  • 支払総額:220万円
  • 概算補助額:180万円×1/2=90万円
  • 入金後の実質自己負担:220万円-90万円=130万円

交付決定後、事業者はまず220万円を支払います。 実績報告で180万円全額が認められた場合に限る概算であり、登録価格、対象期間、経費精査で減額されることがあります。

例2|自社専用AIシステムを税抜合計1,000万円で構築

省力化投資補助金(一般型)の中小企業、補助率1/2を仮定します。

  • 税抜事業費:1,000万円
  • うち対象経費:専用システム構築、連携、事業期間内クラウド等900万円
  • うち対象外経費:汎用PC、申請支援費等100万円
  • 消費税:100万円
  • 支払総額:1,100万円
  • 概算補助額:900万円×1/2=450万円
  • 入金後の実質自己負担:1,100万円-450万円=650万円

仮に税抜1,000万円が全額対象として認められれば概算500万円ですが、採択時に満額が保証されるわけではありません。 交付申請や実績報告で経費が精査され、最終の補助金額が確定します。

会計士視点では入金までの資金繰りを先に確認する

補助金は原則後払いです。 採択は「候補に選ばれた」段階であり、交付決定、契約・導入・支払い、実績報告、補助額確定を経て入金されます。

採択されても満額交付されるとは限りません。 月額利用料の対象期間外部分、導入後のAPI料金、保守費、データ更新費、社内運用人件費は継続して発生します。

投資回収期間は、初期投資と継続コストを、削減人件費と増加粗利益で何年かけて回収するかで考えます。 補助金がなくても投資回収できる計画かを確認してください。

採択結果を待つことで導入が遅れ、機会損失が補助額を上回るなら、小さな範囲を自己負担で先に検証する方が合理的な場合もあります。

この章の重要ポイント

補助率は税抜の認定対象経費へ掛けます。入金までの立替額、対象外経費、消費税、継続API・保守費を含め、補助金なしでも回収できるかを確認しましょう。

生成AI導入で補助金を申請する流れ

最も避けたいのは、ツールやベンダーを先に決め、有料契約後に制度を探す進め方です。 次の順序で、課題、制度、見積、申請、導入をつなげます。

  1. 経営課題と対象業務を決める:人手不足、残業、属人化、回答遅延などを工程へ落とす
  2. 導入形態を整理する:既製ツール、個別開発、新事業、研修のどれかを決める
  3. 導入前の数値を測る:作業時間、件数、人数、外注費、エラー率、売上等を記録する
  4. 制度を比較する:目的、経費、規模、スケジュール、賃上げ要件を照合する
  5. 事前準備を行う:GビズID、SECURITY ACTION、労働局への訓練計画届等を準備する
  6. 見積と提案を取得する:IT導入支援事業者、AIベンダー、研修会社から仕様と内訳を得る
  7. 事業計画を作る:効果、収益、資金繰り、セキュリティ、運用責任、人の確認工程を設計する
  8. 申請書類を提出する:公募要領と審査項目を照合し、申請者本人が内容を確認する
  9. 交付決定後に契約・発注・導入・支払いを行う:対象期間と支払い方法を守る
  10. 実績報告・支給申請・効果報告を行う:契約書、請求書、支払証憑、利用実績、成果物を保存する
  11. 補助金・助成金を受け取る:補助額確定後の入金まで資金を確保する

人材開発支援助成金は「交付決定後に契約」という補助金の流れとは異なり、所定期限までの計画届、訓練実施、支給申請という手順です。 デジタル化・AI導入補助金はIT導入支援事業者との共同準備、省力化一般型と統合補助金は事業者主体の電子申請など、提出先と手順が異なります。

この章の重要ポイント

課題測定と制度選定を、契約・発注より先に行うことが基本です。制度ごとに交付決定、計画届、共同申請の手順が異なるため、共通フローをそのまま流用しないでください。

採択事例から分かる生成AI導入で評価されやすい計画

中小企業省力化投資補助金(一般型)の公式第6回採択結果から、生成AI関連の事業名を3件取り上げます。 公表事実は採択事業名と採択された事実に限られます。

会社名は記載せず、導入前の課題、業務フロー、効果、採択理由は、事業名と審査項目に基づく執筆者の分析・仮説として明確に区別します。

事例1|引合いから製造までを一気通貫で管理し、生成AIを活用

公表されている事実

採択事業名は「引合〜製造を一気通貫で管理する基幹システム・生成AI活用による全社省力化事業」です。

事業計画の分析・仮説

  • 導入前の課題:問い合わせ、見積、受注、製造指示が別々に管理され、転記や確認が多かった可能性
  • 導入システム:基幹システムへ生成AIによる要約・文書生成・検索を組み込んだ可能性
  • 業務フロー:引合情報を一度入力し、見積・受注・製造指示へ連携。AIが文書初稿や確認候補を提示し、人が承認
  • 測定指標:案件登録時間、転記回数、見積リードタイム、手戻り件数、1人当たり処理件数
  • 効果:間接作業を減らし、営業・製造の対応件数と納期精度を高める余地
  • 評価されたと考えられる点:単独部署のAI利用ではなく、複数工程をつなぐシステム投資として省力化を説明しやすい
  • 応用ポイント:部門横断の転記・確認作業を棚卸しし、同じデータを何回入力しているか測る

事例2|生成AIでクラウドファンディング業務を省力化

公表されている事実

採択事業名は「生成AIでクリエイターの挑戦を後押し!クラファン業務省力化」です。

事業計画の分析・仮説

  • 導入前の課題:企画内容の整理、掲載ページ作成、審査、更新文、問い合わせ対応に時間がかかっていた可能性
  • 導入システム:企画情報を基に文章案、チェック候補、回答案を生成する専用支援基盤の可能性
  • 業務フロー:申請情報を構造化し、AIが初稿・不足情報を提示。担当者が事実・表現・権利を確認して公開
  • 測定指標:1案件当たり作成時間、確認往復回数、初回回答時間、担当者1人当たり支援件数
  • 効果:同じ人数で扱える案件数を増やし、クリエイターへの伴走時間を確保する余地
  • 評価されたと考えられる点:反復単位が「1案件」と明確で、工数と処理量を比較しやすい
  • 応用ポイント:AIに任せる初稿作成と、人が担う審査・品質保証を分ける

事例3|生成AIで社内ナレッジを統合し業務を省力化

公表されている事実

採択事業名は「生成AI活用による社内ナレッジ統合・業務省力化基盤構築」です。

事業計画の分析・仮説

  • 導入前の課題:規程、手順書、過去案件が分散し、検索や有識者への質問に時間がかかっていた可能性
  • 導入システム:社内文書を検索して回答案を作るRAG等のナレッジ基盤が想定される
  • 業務フロー:利用者が質問し、AIが根拠文書と回答案を提示。重要判断は担当者が原文を確認
  • 測定指標:検索時間、社内問い合わせ件数、初回回答時間、有識者の対応時間、根拠提示率
  • 効果:属人化を抑え、教育期間の短縮、回答品質の平準化、担当者の高付加価値業務への再配置が期待できる
  • 評価されたと考えられる点:ナレッジ分散という課題と、全社共通基盤による省力化の対応関係が明確
  • 応用ポイント:文書を集めるだけでなく、更新責任、閲覧権限、引用元表示、誤回答時の連絡先を設計する

出典は中小企業省力化投資補助金(一般型)第6回採択結果です。 採択された理由や実際の削減効果は公表されていないため、上記分析を実績値として引用しないでください。

この章の重要ポイント

採択事業名から読み取れる共通点は、対象工程と省力化単位が具体的なことです。公表事実と分析を分け、自社では導入前の実測値と人の確認工程まで示しましょう。

生成AI導入の補助金申請で不採択・対象外になりやすいNGパターン

対象外や不採択の多くは、AI技術の不足ではなく、制度目的との不一致、契約時期、効果測定、経費区分、運用設計の不足から起きます。

  • 「流行しているからAIを導入したい」だけで経営課題がない
  • ChatGPT等のアカウント契約だけで高額補助を受けられると思っている
  • 登録ITツールか確認せず、メーカーサイトから直接契約する
  • 既製ツール導入と自社専用開発を混同する
  • AI導入前後の工数、件数、品質、外注費が数値化されていない
  • AIの出力を誰がどの業務で使うか決まっていない
  • 社内データの整備、更新、連携方法が決まっていない
  • 情報漏えい、個人情報、営業秘密、著作権への対策がない
  • AIの誤回答を人が確認する体制がない
  • 交付決定前に契約、発注、利用開始、支払いをしてしまう
  • 対象外となるAPI料金、汎用ハードウェア、申請支援費を含める
  • 月額利用料だけを見て、設定、教育、運用、保守費を見落とす
  • 賃上げ要件、効果報告、事業化状況報告を実行できない
  • 補助金入金前の支払い資金が不足する

実務で起こりやすい3つの失敗

無料トライアルから有料契約へ自動移行していた

申請前に無料版を試す場合、有料版への自動更新日、カード登録、利用規約上の契約成立日を確認します。 有料移行が交付決定前なら、対象外になる可能性があります。

AIベンダーの「補助対象です」をそのまま信じた

ベンダーが補助対象と説明しても、登録ITツール番号、公募要領の経費区分、交付決定日を確認しなければ足りません。 営業資料ではなく、事務局の登録情報と申請画面の内訳を基準にします。

PoCで終わり、現場へ定着しなかった

PoCは概念実証のことで、小さく技術や効果を確かめる工程です。 精度検証だけで終わり、現場手順、権限、データ更新、教育、KPI測定が決まっていないと、本番利用へ進めません。

申請時から定着までの責任者と移行条件を定めましょう。

この章の重要ポイント

契約時期、登録番号、定量効果、運用体制は、技術仕様と同じくらい重要です。無料トライアル、自動更新、ベンダー説明も公募要領と交付決定日へ照らして確認してください。

補助金だけで生成AIを選ばない|導入後に失敗しないための注意点

補助率が高くても、安全に使えず、現場に定着せず、継続費が効果を上回るツールは良い投資ではありません。 削減したい業務とKPIを先に決め、小規模検証から本格導入へ進みます。

  • 入力ルール:入力してよい情報と、個人情報・営業秘密・顧客データなど禁止情報を定める
  • 契約設定:法人向けプランのデータ保存、モデル学習利用、データ所在地、削除方法を確認する
  • 権限管理:利用ログ、役割別権限、共有アカウント禁止、退職者アカウント停止を運用する
  • 著作権・引用:生成物の類似性、引用元、商用利用条件、事実確認のルールを定める
  • 誤回答対策:ハルシネーション(もっともらしい誤回答)を前提に、人間の確認工程と承認基準を残す
  • 継続性:ベンダーロックイン、API仕様変更、サービス終了、値上げに備え、データ出力と代替手段を確認する
  • 効果測定:利用率、削減時間、回答品質、事故件数、継続費を月次または四半期で確認する

利用者が少ない場合は、原因がツールの精度とは限りません。 ログインが面倒、どの業務で使うか不明、上司の確認基準が曖昧、入力禁止情報が広すぎる、といった運用上の障壁を調べます。

最終的には、補助率の高さより、安全に使い続けられ、投資効果が出るかを優先してください。

この章の重要ポイント

AI導入の成否は、契約後のデータ管理、権限、人の確認、教育、効果測定で決まります。補助金を使わず小さく試し、KPIと安全性を確認してから拡大する選択も合理的です。

生成AI導入の補助金で採択可能性を高めるポイント

採択可能性を高めるには、AIの機能説明より、経営課題、業務改善、投資効果、実行可能性を中心に書きます。 専門家へ依頼しても採択は保証されませんが、制度選定や数字・書類の整合性を第三者が確認する価値はあります。

  1. 経営課題を起点にする:人手不足、残業、受注停滞、品質ばらつき等とAIの役割を結ぶ
  2. 導入前後の業務フローを可視化する:入力、処理、AI出力、人の確認、登録まで示す
  3. 効果を数値化する:削減時間、処理件数、外注費、回答速度、エラー率を根拠付きで置く
  4. 見積と計画を一致させる:見積書、仕様書、機能一覧、システム構成図の名称・数量・期間をそろえる
  5. AIが必要な理由を示す:ルールベースや一般SaaSでは解決できない非定型文書・大量データ等を説明する
  6. 人の運用を示す:教育、運用責任者、回答確認、例外処理、事故報告を決める
  7. データ管理方針を示す:取得根拠、個人情報、閲覧権限、暗号化、バックアップ、廃棄を整理する
  8. 投資回収を検証する:導入費とAPI・保守・教育等の継続費を、削減費と増加粗利益で回収できるか確認する
  9. 補助金なしでも成立させる:減額・不採択でも縮小実施できる代替案を持つ
  10. 公募要領と審査項目を照合する:提出前に要件ごとの根拠箇所をチェックする

会計事務所や補助金支援者は、候補制度の比較、対象要件、定量効果、収益計画、資金繰り、見積と事業計画の整合性確認を支援できます。 ただし、申請者本人が計画を理解し、最終的な申請主体となることが前提です。

この章の重要ポイント

強い計画は、課題、業務フロー、数値、仕様、資金繰り、運用・安全対策が一貫しています。専門家の役割は採択保証ではなく、制度選定と計画・証憑の整合性を高めることです。

生成AI導入に使える補助金に関するよくある質問

Q1.ChatGPTの利用料は補助対象になりますか?

登録ITツールとして、登録されたプラン、IT導入支援事業者、販売経路で導入する場合は候補になります。 ChatGPTを公式サイトから直接契約すれば自動的に対象になるわけではありません。

Q2.Microsoft Copilot、Gemini、Claudeも対象になりますか?

製品名ではなく登録ITツール単位で判断します。 Geminiを含むGoogle Workspaceの登録例はありますが、各社の全プランや直接契約を意味しません。

申請時点の公式検索でITツール番号を確認してください。

Q3.無料版から有料版へ変更する費用は対象になりますか?

交付決定後に、登録された有料プランを所定の販売経路から契約する場合は候補です。 無料トライアルの自動更新等で交付決定前に有料契約が成立すると、対象外になる可能性があります。

Q4.APIの従量課金は補助対象になりますか?

一律ではありません。 デジタル化・AI導入補助金では申請時に金額が確定しない従量課金は対象にしにくく、他制度でも事業専用性、対象期間、積算根拠、クラウド費の定義を確認します。

Q5.自社専用の生成AIやRAG開発は対象になりますか?

大幅な省力化を目的とする個別開発なら省力化投資補助金(一般型)、顧客に販売する新サービスなら新事業進出・ものづくり商業サービス補助金が候補です。

Q6.生成AI研修だけでも助成金を利用できますか?

要件を満たすOFF-JT、eラーニング、定額制研修なら人材開発支援助成金の候補です。 対象者、訓練時間、業務命令、費用負担、計画届期限を確認してください。

Q7.AI導入用のパソコンやGPUも対象になりますか?

汎用パソコン、タブレット、スマートフォンは多くの制度で対象外です。 GPUやサーバーは補助事業専用の機械装置・システムとして必要性を説明できる場合に候補となりますが、個別要領で確認が必要です。

Q8.個人事業主でも申請できますか?

制度ごとの対象者要件を満たせば申請できる場合があります。 ただし、人材開発支援助成金は雇用保険適用事業所の事業主等が対象で、従業員がいない場合は利用できない訓練があります。

Q9.すでに契約しているAIツールは対象になりますか?

原則として、交付決定前に契約・利用開始・支払い済みの費用は対象外です。 既存契約の更新や追加ライセンスも、契約の同一性と対象期間を事務局へ確認してください。

Q10.補助金はいつ入金されますか?

原則後払いです。 交付決定後に導入・支払いを行い、実績報告と経費精査を経て補助額が確定した後に入金されます。

申請から入金までの運転資金を確保してください。

Q11.複数の補助金を同じAI導入費用に併用できますか?

同一経費への重複受給は原則認められない場合が多いです。 プロジェクトを分けても実質的に同じ経費なら問題になるため、双方の事務局へ事前確認してください。

Q12.AIベンダーへ申請を任せてもよいですか?

ベンダーから仕様・見積・効果根拠の支援を受けることは有用です。 ただし、申請者本人が内容を理解し、最終申請と宣誓を行います。

申請支援費は補助対象外です。

Q13.補助金を使ったAI導入でもセキュリティ対策は必要ですか?

必要です。 入力禁止情報、アクセス権、ログ、保存・学習設定、退職者管理、個人情報、著作権、誤回答の人による確認を運用ルールへ落としてください。

Q14.採択されたら必ず満額を受け取れますか?

いいえ。 採択後に交付申請があり、実績報告で契約・支払い・成果物・対象経費が精査されます。

認められない経費があれば、補助額は申請額より減ります。

Q15.補助金が使えないならAI導入を見送るべきですか?

必ずしもそうではありません。 少人数・短期間で試し、効果が確認できたら拡大する方が、申請待ちの機会損失や過大投資を避けられる場合があります。

この章の重要ポイント

よくある誤解は、製品名だけで対象が決まり、採択後は満額がすぐ入金されるというものです。登録、目的、経費、契約時期、実績報告を分けて確認してください。

まとめ|生成AI導入は目的と制度目的の一致から選ぶ

今回は、生成AI導入に活用できる補助金・助成金について比較してきました。 ポイントは下記の通り。

  • 登録済みの既製AIツールは、デジタル化・AI導入補助金2026を第一候補にする
  • 自社専用AI、RAG、AIエージェントで大幅に省力化するなら、省力化投資補助金(一般型)を検討する
  • AI新製品・新サービス・新市場進出は、統合後の新事業進出・ものづくり商業サービス補助金を確認する
  • 生成AI研修は人材開発支援助成金の対象訓練と計画届期限を確認する
  • 補助率だけでなく、交付決定前契約、後払い、継続費、投資回収、セキュリティ、現場定着まで判断する

導入したいAIの種類、対象業務、概算費用、導入希望時期が分かれば、制度を選びやすくなります。 まだ決まっていない場合も、まず対象業務と現在の作業時間を整理してください。

契約・発注・有料利用を始める前に、駒田会計事務所へ相談すれば、制度適合性だけでなく、投資効果と資金繰りを含めて検討できます。 監修:公認会計士・税理士 駒田裕次郎。本記事は一般的な情報提供を目的とし、採択・交付・支給を保証するものではありません。申請時は最新の公募要領、支給要領、事務局回答を優先してください。

参照元一覧

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