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AI開発に活用できる補助金2選!活用ポイントと注意点、採択事例を解説

AI開発に活用できる補助金2選!活用ポイントと注意点、採択事例を解説

AI(人工知能)の開発は、企業の生産性向上や業務効率化、新規ビジネス創出に不可欠な要素となっています。
しかし、AI開発には高度な技術力と多額の投資が必要であり、多くの中小企業やスタートアップにとって資金調達は大きな課題です。
そこで、国や自治体が提供する補助金や助成金を活用することで、AI開発のコストを削減し、事業を加速させることが可能になります。

本記事では、2025年最新のAI開発に活用できる補助金について解説し、申請のポイントや活用事例について紹介します。

AI開発に活用できる補助金(2025年版)

AI開発の各フェーズで活用できる補助金を紹介します。

4-1. 新事業進出補助金(新規AIサービス開発・市場開拓向け)

新事業進出補助金(正式名称:中小企業新事業進出促進事業)は、既存事業と異なる事業への前向きな挑戦であって、新市場・高付加価値事業への進出を後押しすることで、中小企業等が企業規模の拡大・付加価値向上を通じた生産性向上を図り、賃上げにつなげていくことを目的とした補助金となっています。
公募開始は2025年4月からとなっており、注目されている補助金です。

補助率は1/2で、補助額は最大9,000万円となっています。

補助額
従業員数補助金額大幅賃上げ特例適応時
21人以下750万円以上2,500万円以下3,000万円
21~50人750万円以上4,000万円以下5,000万円
51~100人750万円以上5,500万円以下7,000万円
101人以上750万円以上7,000万円以下9,000万円
補助対象経費
建物費、構築物費、機械装置・システム構築費(リース料を含む)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費

新規AIサービス開発・市場開拓向けの補助金です。

対象:

  • AIを活用した新規事業の立ち上げ
  • 生成AIを活用した新規プロダクト開発
  • 既存事業とは異なるAI活用ビジネスの構築

ポイント:

  • 社会的責任を果たすAI開発が求められる
  • AIの透明性・安全性確保を明確に記述する

採択事例:(前身の事業再構築補助金の採択事例)

  • 古紙回収業者向け集客ツール及びAIによるポイント自動化開発
  • AIを活用した自動電話応対サービスの開発
  • AI画像診断を用いた半自動集客ツール開発事業
  • AIを活用した商談時の成約率を向上する支援ツールの開発事業
  • 業界初、不正防止機能と、AIを搭載した免税システムの開発

4-2. ものづくり補助金(AI開発・システム導入向け)

ものづくり補助金は、中小企業の生産性向上や新規事業の立ち上げを支援する補助金です。特に、革新的な技術開発や設備投資を必要とする企業に適しています。

【製品・サービス高付加価値化枠 ※第19次公募内容】

補助額
従業員数補助金額補助下限額
従業員数5人以下750万円100万円
従業員数6~20人1,000万円100万円
従業員数21~50人1,500万円100万円
従業員数51人以上2,500万円100万円
補助率
中小企業: 1/2
小規模企業・小規模事業者及び再生事業者: 2/3
補助対象経費
機械装置・システム構築費(必須)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費

※その他特別枠や特別要件あり

対象:

  • AIを活用した新製品・新技術の開発
  • AIによる生産プロセスの自動化
  • AIを組み込んだIoTシステムの開発

ポイント:

  • 公平性・セキュリティ対策」が補助金採択のカギ

採択事例:

  • 「AI×遠隔×自動制御」技術を備えた水やりサービス開発
  • 生成AIによるchatbotを用いた社内資料検索アプリの開発
  • 外構工事に特化した見積・パース自動作成AIシステムの開発
  • AIを活用したバイク最適輸送ルート探索システム
  • 税務領域における生成AIを活用したチャットボットシステムの開発

AI開発における留意点

AIは非常に大きな力を持っている反面、あらゆるリスクがあります。
AIを開発する上での留意点について解説していきます。

1. AI開発の重要性と社会的影響

AI開発は、単なる技術革新ではなく、社会全体に大きな影響を与える技術分野です。特に、生成AIの進化に伴い、システム開発や業務自動化、製造プロセスの最適化など、幅広い分野でAIの活用が進んでいます。

しかし、AIの開発者は、技術の進化だけでなく、社会的責任・倫理・透明性の確保を考慮する必要があります。
具体的には下記の通り。

  • データの適正利用: プライバシー保護とバイアス対策を徹底
  • 安全性の確保: AIの誤動作や不適切な出力を防ぐ
  • セキュリティ強化: AIシステムの脆弱性対策を実施
  • 説明責任と透明性の確保: AIがどのように学習し、出力を生成するかを記録・管理
  • イノベーションと倫理のバランス: 透明性と公正性を確保しながら技術革新を進める

2. AI開発の流れと生成AIの役割

AI開発は、以下の流れで進められます。
(参考資料:生成AIを活用したシステム開発の現状と展望 )

  1. 企画・要件定義

    • 課題の特定とAI導入の目的設定
    • 技術選定(機械学習・ディープラーニング・LLM活用など)
  2. データ収集・前処理

    • データの適正収集(個人情報・知的財産権の遵守)
    • ノイズ除去、データラベリング、特徴量エンジニアリング
    • AIのバイアス排除: 公平なデータセットを利用する
  3. モデル開発

    • 適切なAIモデルの選定
    • 学習データを使ったトレーニングと精度評価
    • 安全性・公平性・バイアス対策を考慮
  4. システム実装

    • AIモデルのAPI化やクラウド環境へのデプロイ
    • フロントエンド・バックエンドとの統合
    • セキュリティ強化(脆弱性診断、アクセス管理)
  5. テスト・評価

    • AIの精度検証、バグ修正
    • 予期せぬ動作のリスク評価
    • AIモデルのパフォーマンス監視
  6. 運用・改善

    • モデルの継続学習、運用時のモニタリング
    • AIの透明性・アカウンタビリティを維持

3. AI開発に関するガイドラインの詳細

総務省・経済産業省から「AI 事業者ガイドライン」が提供されています。
AI開発をする際は下記のポイントを押さえることが重要と言えるでしょう。

(1)データ前処理・学習時のポイント

  • D-2)i. 適切なデータの学習

    • プライバシー・バイ・デザインを徹底
    • 個人情報・知的財産権を遵守
    • データのアクセス管理を強化
  • D-3)i. データに含まれるバイアスへの配慮

    • バイアスを排除するためのデータ管理
    • AIモデルの公平性を確保する

(2)AI開発時のポイント

  • D-2)ii. 安全性の確保

    • 予期せぬ動作に耐えうるAIの設計
    • リスクを最小限に抑える技術(ガードレール技術)の導入
  • D-3)ii. AIアルゴリズムの公平性確保

    • 推論プロセスに含まれるバイアスの最小化
    • AIの公正性を保証するチェック体制の確立
  • D-5)i. セキュリティ対策

    • 「セキュリティ・バイ・デザイン」の導入
    • 不正アクセス・サイバー攻撃対策

(3)AI開発後のポイント

  • D-5)ii. 最新動向の把握

    • 新たな攻撃手法や脆弱性に対応
  • D-6)ii. ステークホルダーへの情報提供

    • AIの技術特性、安全性、リスクなどを開示
    • AIの更新履歴、学習データの収集ポリシーを透明化
  • D-7)ii. 開発関連情報の文書化

    • 透明性向上のためのドキュメント化
  • D-10)i. イノベーションの機会創出

    • AI技術の品質向上
    • 国際標準の開発・参画

まとめ

今回は、2025年最新のAI開発に活用できる補助金について解説し、申請のポイントや活用事例について紹介してきました。
ポイントは下記の通り。

  • 新事業進出補助金 は、新市場や高付加価値事業への進出を支援する補助金であり、AI開発を伴う新規ビジネスの立ち上げに活用できる。
  • ものづくり補助金 は、中小企業の生産性向上やAIシステムの導入・開発に適しており、IoTとの組み合わせや業務効率化に貢献する。
  • AI開発における留意点 として、データの適正利用、安全性、セキュリティ、透明性、説明責任などが重要であり、総務省・経済産業省のガイドラインを遵守することが求められる。
  • AI開発のプロセス は、企画・要件定義から始まり、データ収集・前処理、モデル開発、システム実装、テスト・評価、運用・改善へと続く。
  • AI開発後の対応 として、セキュリティ対策、継続的なモニタリング、ステークホルダーへの情報提供、開発関連情報の文書化、国際標準への適合などが求められる。

今後、AIの活用がますます進む中で、中小企業やスタートアップが持続可能な形でAIを導入するためには、適切な補助金の活用が不可欠です。
AI開発の費用を抑えながらも、高品質なプロダクトを生み出すために、補助金の情報を積極的に収集し、計画的に申請を進めていくことが重要と言えるでしょう。

 

弊社では、今後公募が開始される予定である「新事業進出補助金」「中小企業成長加速化補助金」についてもご相談をお受けしております。

弊社はこれまで、ものづくり補助金をはじめとして事業再構築補助金、中小企業省力化投資補助金のサポートも行っており、多数の採択実績があります。また、交付申請や事業化状況報告等の補助金申請後のご相談やサポートも承っております。お困りごとがございましたらお気軽にご連絡下さい。

お問い合わせ先

中小企業省力化投資補助金申請代行サポートについては、こちらよりご相談ください。
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