補助金を管轄する中小企業庁から2025年の補正予算案が公開されています。
内容を見ると、2025年中小企業や小規模事業者にとって重要な補助金制度が大幅に拡充される見通しとなりました。
中小企業にとっては大きなチャンスの年となりそうです。
そこで本記事では、2025年に注目すべき補助金の概要や活用ポイントについて詳しく解説します。
新しい補助金制度や既存補助金の見直しを最大限活用し、事業の成長につなげましょう。
2025年補助金の全体概要
2025年の補助金制度は、既存の大型補助金6種類に加え、新たに2種類の補助金が創設され、合計8種類の補助金が展開されます。
これにより、中小企業や小規模事業者が多様なニーズに応じた支援を受けやすくなることが期待されています。
中小企業庁の補正予算案の内容は下記の通り。
内容について具体的に解説していきます。
新たに創設される2つの補助金
新たに創設される補助金は「新事業進出補助金」と「中小企業成長加速化補助金」です。
特に注目すべきは新事業進出補助金です。
2つの内容について解説していきます。
新事業進出補助金
新事業進出補助金は新事業創出と構造転換への投資を重点的に支援する、ポスト事業再構築補助金という性質をもつ補助金です。
内容は下記の通り。
- 予算規模: 1,500億円
- 目的: 中小企業の新事業進出や事業転換を支援
- 対象経費:建物費用、機械装置費、システム構築費、技術導入費。専門家経費
- 要件:新規性が高い事業であることと賃金向上要件を満たすことか
この補助金は、これまでの事業再構築補助金に似た内容であり、特に新規事業進出を目指す企業にとって大きな後押しとなるでしょう。
まだ公募要領など細かい内容は公開されていませんが、およそ下記の内容になるのではないかと予想されます。
- 採択率・・40~50%
- 採択件数・・約8,000~約1万社
- 補助率・・1/2(または2/3)
- 補助上限金額・・1,500万円~2,000万円程度
- 補助対象経費・・建物費、機械装置・システム構築費(リース料を含む)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費、研修費など幅広い可能性が高い
- その他の要件・・賃上げすると補助率や補助額があがる要件などは追加される可能性あり
細かい内容については下記の記事でも解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
中小企業成長加速化補助金
中小企業成長加速化補助金は売上高100億円をめざしている中小企業への設備投資支援やM&A、海外展開、人材育成をメインとした補助金です。
概要は下記の通り。
- 目的: 売上高100億円を目指す中小企業を支援
- 対象経費:建物費用、機械装置費、ソフトウェア費、外注費、専門家経費
- 要件:明確な成長ビジョンを持つこと、賃金向上要件を満たすことか
飛躍的な成長を目指す企業にとって、この補助金は設備投資や新規事業展開のための重要な資金源となります。
名称や概要が大規模成長投資補助金と似ており、大規模成長投資補助金の縮小版になるのではと予想されています。
そのため、新事業進出補助金よりも用途が限定されており、採択率も低くなるのではないかと予想されます。
細かい内容については下記の記事でも解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
既存補助金の見直しポイント
大きなポイントしては上記の2補助金が追加されたことですが、既存の補助金6種類も見直しが行われ、さらに使いやすい制度へと改善される見込みです。
主な改善点は下記の通り。
ものづくり補助金
- 補助率を「1/2」から「2/3」に引き上げ(最低賃金引き上げによる事業者のみの可能性)
- 21人以上の中小企業向けに補助上限を引き上げ。
IT導入補助金
- 補助率を「1/2」から「2/3」に引き上げ(最低賃金引き上げによる事業者のみの可能性)
- セキュリティ対策枠の補助上限を引き上げ。
- 汎用ツールの導入や運用後の支援も補助対象化。
小規模事業者持続化補助金
- 通常枠と創業枠に再編。
- 経営計画の策定が要件に加わり、補助対象額も増額の可能性。
事業承継・M&A補助金
- 新たにPMI(ポストマージャーインテグレーション)推進枠を創設。
- デューデリジェンス費用の支援が拡充。
中堅・中小成長投資補助金
大規模設備投資を支援する内容を継続。
省力化投資補助金
オーダーメイド型支援を新設し、使いやすさを向上。
最も注目すべき改善点はこの省力化投資補助金です。
従来省力化投資補助金はカタログからしか選べませんでしたが、商品のラインナップがあまりに微妙過ぎてほとんど使われていませんでした。
しかしながら、オーダーメイド型が新設されることで、自社に適した商品を導入することができます。
元々大型の予算が組まれている省力化投資補助金なので、採択率も高くなる可能性が高いです。
2025年度新事業進出補助金と並び注目の補助金となるでしょう。
資金繰り支援や関連施策も充実
2025年は補助金だけではなく、資金繰り支援や再チャレンジ支援も強化されます。
以下の支援策が挙げられます。
- 資本性劣後ローンの要件見直し: 資本整備や省力化投資を支援。
- 信用保証制度の新設: 保証料補助を3年間実施(初年度1/2、以降1/3・1/4)。
- 経営改善計画策定支援: 経営改善に向けた計画立案を支援。
これらの施策により、事業者が抱える資金繰りの課題を大幅に緩和することが可能になります。
早めの準備が成功の鍵
2025年の補助金は、例年通り1月後半に公募が開始され、春頃に締め切られる見込みです。
補助金を最大限活用するためには、早めの準備が重要です。
下記の準備を行い、スムーズに補助金申請できるような体制を整えましょう。
- 事業計画書の作成:具体的な目標や予算を明確にする。
- 専門家への相談:認定支援機関や中小企業診断士のアドバイスを受ける。
- スケジュール管理:公募開始から締め切りまでのスケジュールを把握し、計画的に対応する。
まとめ
今回は2025年に注目すべき補助金の概要や活用ポイントについて詳しく解説してきました。
ポイントは下記のとおり。
- 2025年は新たに「新事業進出補助金」「中小企業成長加速化補助金」が創設され、事業転換や成長を支援。
- 既存補助金も補助率の引き上げや新枠追加などで使いやすく改定予定。
- 資金繰り支援策として、資本性劣後ローンや信用保証制度が充実化。
- 補助金活用には事業計画書の作成や専門家相談、スケジュール管理が重要。
- 早めの準備が補助金採択と事業成長の鍵となる。
弊社では、2025年(令和7年)に開始する「ものづくり補助金」や今後公募が開始される予定である「新事業進出補助金」「中小企業成長加速化補助金」についてもご相談をお受けしております。全国各地からオンラインでの初回無料で打ち合わせが可能となっています。
弊社はこれまで、ものづくり補助金をはじめとして事業再構築補助金、中小企業省力化投資補助金のサポートも行っており、多数の採択実績があります。また、交付申請や事業化状況報告等の補助金申請後のご相談やサポートも承っております。お困りごとがございましたらお気軽にご連絡下さい。
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ものづくり補助金の申請代行サポートについては、こちらよりご相談ください。
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