動画制作の需要が高まる中、企業や個人事業主が質の高い動画コンテンツを制作するには、撮影機材や編集ソフト、広告費などの投資が必要になります。
しかし、これらの費用を全て自己負担するのは大きな負担となるため、補助金の活用が重要です。
本記事では、動画制作におすすめの補助金3選を紹介していきます。
これから動画制作に取り組みたい方や、事業の拡大を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
1. 新事業進出補助金【最も注目すべき補助金!】
新事業進出補助金とは?
新事業進出補助金(正式名称:中小企業新事業進出促進事業)は、既存事業と異なる事業への前向きな挑戦であって、新市場・高付加価値事業への進出を後押しすることで、中小企業等が企業規模の拡大・付加価値向上を通じた生産性向上を図り、賃上げにつなげていくことを目的とした補助金となっています。
補助率は1/2で、補助額は最大9,000万円となっています。
補助額 | ||
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従業員数 | 補助金額 | 大幅賃上げ特例適応時 |
21人以下 | 750万円以上2,500万円以下 | 3,000万円 |
21~50人 | 750万円以上4,000万円以下 | 5,000万円 |
51~100人 | 750万円以上5,500万円以下 | 7,000万円 |
101人以上 | 750万円以上7,000万円以下 | 9,000万円 |
補助対象経費 |
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建物費、構築物費、機械装置・システム構築費(リース料を含む)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費 |
動画制作は、今やマーケティングやブランディングにおいて欠かせないツールとなっています。
企業がYouTubeチャンネルの運営、広告動画の制作、ライブ配信ビジネスなどの新規事業に参入する場合、本補助金を活用することで、機材購入費や編集ソフト、スタジオ設備の導入費を大幅に抑えることが可能です。
新事業進出補助金のメリット
- 高額な補助金が受け取れる
- 建物費が補助対象となるため、スタジオ設営する際にも多額の補助金を狙える
- 動画制作を新規事業として展開する企業に最適
- 幅広い補助対象経費で機材購入にも適用可能
注意点
- 既存の事業拡大ではなく、新規事業が対象
- 審査が厳しいため、事業計画の作り込みが重要(想定採択率は15%とも言われている)
- 補助金の交付は後払い(精算払い)
採択事例(前身の事業再構築補助金)
- デジタルサイネージ専用多言語動画制作と運用管理事業
- 動画による転職サイト(プラットフォーム)事業の立ち上げ
- 動画広告事業の拡大性をリアル市場に取り入れるメディアミックス事業
- SNS×動画で人材マッチング事業を展開
- AIを活用した動画特化型の求人プラットフォームの構築
新事業進出補助金は2025年4月から公募開始となっていますが、これから動画ビジネスを始めたい企業には、最も有力な補助金と言えます。
2. 小規模事業者持続化補助金【低コストで動画制作を始めたい方向け】
小規模事業者持続化補助金とは?
小規模事業者持続化補助金(持続化補助金)は、個人事業主や小規模企業(従業員20人以下)を対象にした補助金で、販路開拓のための経費を支援します。
動画制作は集客・販売促進において効果的な手法であり、補助金を活用して広告用の動画を制作すれば、コストを抑えながら売上向上を目指せます。
- 対象:小規模事業者(従業員5人以下の商業・サービス業)
- 補助金額:最大200万円
- 補助率:2/3
- 補助対象経費:広告宣伝費、ウェブサイト制作費、展示会出展費、設備購入費 など
採択率が40~60%と高いものの、補助上限金額が最大200万円と低いです。
メリット
- 小規模事業者や個人事業主向けで使いやすい
- 広告費や機材費に活用できる
- 審査が比較的通りやすい
注意点
- 補助金額が比較的少額
採択事例
- 地元企業向けECサイト運営代行とそれに伴う動画撮影・制作内製化
- 越境EC向け化粧品商材の開発および動画を用いた販路開拓事業
- 縦型コンテンツ動画制作とライブ配信事業
- 観光が主力産業の地域に動画コンテンツを短納期&低価格で提供
動画制作に関する採択事例も多く、小規模なビジネスで動画を活用したい方にはおすすめの補助金です。
3. ものづくり補助金【高品質な動画制作環境を整えたい企業向け】
ものづくり補助金とは?
ものづくり補助金は、中小企業が生産性向上や業務の効率化を目的とした設備投資を行う際に活用できる補助金です。動画制作に関連する事業でも、採択事例があります。
ものづくり補助金は、革新的な製品・サービス開発や生産プロセスの改善を行う設備投資を支援する補助金です。
簡単な概要は下記の通り。
項目 | 要件 |
概要 | ①<製品・サービス高付加価値化枠>革新的な新製品・新サービスの開発による高付価値化 ②<グローバル枠> 海外事業の実施による国内の生産性向上 |
補助金額 | ■製品・サービス高付加価値化枠 5人以下750万円(850万円) 6~20人1,000万円(1,250万円) 21~50人1,500万円(2,500万円) 51人以上2,500万円(3,500万円) |
■グローバル枠 3,000万円(3,100万円~4,000万円) | |
補助率 | 中小企業:1/2、小規模事業者:2/3、再生事業者(①枠のみ):2/3 ※最低賃金引上げ特例あり。 |
補助対象経費 | 【共通】機械装置・システム構築費(必須)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費 【グローバル枠のみ】海外旅費、通訳・翻訳費、広告宣伝・販売促進費 |
メリット
- 高額な機材や設備投資に対応できる
- 動画制作の業務効率化を図れる
注意点
- 審査が厳しく、事業計画書の精度が求められる(採択率30~40%程度)
- 実績がある企業向け
- 新事業進出補助金や小規模事業者持続化補助金と比較すると動画制作の採択事例が少ない
- 革新的なサービスである必要がある
採択事例
- “本格的な経済を、楽しく学ぶ!”ビジネス動画メディアの開発・提供
- AI×動画で勉強の疑問を丸ごと解決!革新的学習アプリ開発事業
本格的な映像制作事業を行いたい企業向けの補助金です。
まとめ
今回は動画制作におすすめの補助金3選というテーマで解説してきました。
ポイントをまとめると下記の通り。
- 新事業進出補助金:最大9,000万円の高額補助が可能で、新規事業として動画制作を始める企業向け。
- 小規模事業者持続化補助金:最大200万円の補助で、個人事業主や小規模企業が広告動画制作に活用しやすい。
- ものづくり補助金:最大3,500万円の補助で、高品質な動画制作環境の設備投資が可能。
- 審査の難易度:新事業進出補助金とものづくり補助金は審査が厳しく、事業計画の精度が求められる。
- 用途に応じた選択:新規事業なら新事業進出補助金、小規模なら持続化補助金、高額投資ならものづくり補助金が適している。
弊社では、今後公募が開始される予定である「新事業進出補補助金」「中小企業成長加速化補助金」についてもご相談をお受けしております。
弊社はこれまで、ものづくり補助金をはじめとして事業再構築補助金、中小企業省力化投資補助金のサポートも行っており、多数の採択実績があります。また、交付申請や事業化状況報告等の補助金申請後のご相談やサポートも承っております。お困りごとがございましたらお気軽にご連絡下さい。
こちらよりご相談ください。
ものづくり補助金の申請代行サポートについては、こちらよりご相談ください。
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