新事業進出・ものづくり商業サービス補助金

新事業進出・ものづくり補助金とは?2026年度からの変更点と申請準備のポイント

新事業進出・ものづくり補助金とは?2026年度からの変更点と申請準備のポイント

2026年度から始まった「新事業進出・ものづくり補助金」は、中小企業が革新的な新製品・サービスを開発し、既存のビジネスとは異なる新市場や海外市場へ進出するための大型補助金です。
従来別々に公募されていた新事業進出補助金とものづくり補助金を再編して新たに登場した制度であり、単なる名称変更ではなく枠組みや対象経費・上限額が刷新されています。
本記事では制度概要や旧制度との違い、申請枠や対象経費、早めに準備を進める理由、採択されやすい事業計画の特徴などを整理し、最後に専門家へ相談すべきタイミングや駒田会計事務所のサポート内容を紹介します。

この記事でわかること

✅ 新事業進出・ものづくり補助金の制度概要
✅ 2026年度から変わった点と旧制度との違い
✅ 自社が対象になる可能性がある事業・経費
✅ 早めに申請準備を進めた方がよい理由
✅ 採択されやすい事業計画と不採択になりやすいNGパターン
✅ 駒田会計事務所に相談するメリット

駒田裕次郎

監修: 駒田 裕次郎(こまだ ゆうじろう)

駒田会計事務所 【コマサポ】代表

【来歴】大手監査法人の経験を活かし、創業支援・補助金支援を中心とする「駒田会計事務所」を東京・渋谷に設立。資金調達や事業計画の作成、税務や経営相談まで顧客に寄り添うきめ細やかなサポートを提供。

【実績】創業融資・補助金の支援実績は、累計3,000件以上(2025年1月末現在)

【所有資格】公認会計士・税理士・認定支援機関

「一人ひとりの起業家の成功を願い、日本の未来を明るくする」をモットーに、日々奔走。

Contents

新事業進出・ものづくり補助金とは?

中小企業の新製品開発・新市場進出・海外展開を支援する補助金

結論から言えば、この補助金は中小企業等が行う新製品・新サービス開発や新市場・高付加価値事業への進出、海外市場開拓に向けた国内輸出体制の強化を支援する制度です。
中小企業庁の発表によると、第1回公募は2026年6月29日に開始され、中小企業が革新的な製品・サービスの開発や既存事業と異なる新市場への挑戦、海外輸出体制の強化にかかる設備投資を支援すると説明しています。
補助率や上限額は企業規模や申請枠によって異なりますが、最大9,000万円という従来より高い上限が設定されています。

2026年度から新たに公募された制度である

これまで「新事業進出補助金」と「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」は別の制度として公募されていました。しかし2026年度からは、これらをベースとした新制度「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」が創設されました。公式サイトでも旧制度とは異なる補助金であることが明記されており、公募開始日や申請期間も改めて設定されています。第1回公募では、申請受付が2026年8月31日から9月30日18時までと案内されています。このように公募時期が決まっているため、締切に間に合うよう早めに準備することが重要です。

単なる設備購入ではなく、成長につながる事業計画が求められる

補助金は設備導入を支援する制度ですが、単なる機械の入れ替えや既存サービスの延長では採択されにくい点が特徴です。革新的新製品・サービス枠では、既存プロセスの改善や普及済み製品の開発は補助対象外と明記されています。また新事業進出枠・グローバル枠では、自社にとって新規性のある製品・サービスを新たな市場や海外市場へ展開することが求められています。設備投資は必要ですが、自社の技術や強みを活かした新しい価値提供や事業拡大のストーリーを示すことが採択の前提です。

制度の詳細は、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金公式サイトおよび中小企業庁の公募情報をご確認ください。最新の要件や対象経費は、公募要領で必ず確認しましょう。

制度の目的は新製品開発・新市場進出・海外展開を支援すること。2026年から新制度として公募されており、単なる設備更新ではなく成長につながる事業計画が求められることを理解しましょう。

2026年度から何が変わった?旧制度との違い

旧・新事業進出補助金との違い

旧制度では「新事業進出補助金」として、中小企業が既存事業とは異なる新市場や高付加価値ビジネスへ進出する際の設備投資を支援していました。
補助率は1/2(条件により2/3)、上限額は2,500万〜7,000万円程度(賃上げ特例で最大9,000万円)で、付加価値成長率4%、給与支給総額3.5%増、最低賃金+30円を達成する計画が要件でした。
新制度ではこの枠が「新事業進出枠」に引き継がれ、対象事業の新規性の定義が明確化されています。また、建物費が補助対象に含まれる点が強調され、機械装置か建物費のどちらかが必須となりました。

旧・ものづくり補助金との違い

旧ものづくり補助金は、中小企業の新製品・新サービス開発や海外展開を支援する制度で、補助率は1/2〜2/3、上限は多くの場合4,000万円程度でした。
新制度では、革新的新製品・サービス枠の上限が最大3,500万円(従業員数により750万〜2,500万円)、新事業進出枠・グローバル枠は最大7,000万円(賃上げ特例で9,000万円)と、旧制度より上限が高くなっています。加えてグローバル枠では海外旅費や通訳費が対象に含まれており、海外展開支援が強化されています。

「統合」と表現する際に注意すべきポイント

2026年度の制度は旧制度を統合したと報じられることが多いですが、公式サイトでは「旧・中小企業新事業進出補助金」と「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」とは異なる補助金であると明記しています。
そのため、単純に二つの制度が合体したわけではなく、目的や枠組みを整理して新しく設計された制度と理解することが重要です。

旧制度との比較表

旧制度と新制度を分かりやすく比較します。表ではキーワードや数字のみを示し、詳細な説明は本文で補います。

項目旧・新事業進出補助金旧・ものづくり補助金新事業進出・ものづくり補助金
制度目的新市場・高付加価値事業への進出支援新製品・新サービス開発と海外展開支援新製品開発・新市場進出・海外市場開拓を一体的に支援
申請枠通常枠(新事業進出)高付加価値化枠、グローバル枠革新的新製品・サービス枠、新事業進出枠、グローバル枠
補助上限額2.5〜7千万円(特例で9千万円)多くの場合4千万円最大2,500〜3,500万円(新製品枠)、最大7,000〜9,000万円(新事業進出・グローバル枠)
対象経費機械装置、建物費、運搬費、原材料費、広告費等機械装置、システム費、原材料費、技術導入費等機械装置・システム構築費、建物費、運搬費、技術導入費、知的財産権関連費、外注費、専門家費、クラウド利用費、原材料費、広告宣伝費、海外旅費・通訳費
建物費の扱い対象。機械装置と並び必須経費原則対象外(旧ものづくり補助金は設備投資が中心)新事業進出枠・グローバル枠では建物費が対象で、機械装置か建物費のいずれかが必須。新製品枠では建物費は対象外
注意すべき要件付加価値額年4%増、給与支給総額年3.5%増、最低賃金+30円の計画売上増加・賃上げなどの計画が必要補助事業終了後3〜5年の計画で同様の成長率・賃上げ要件を満たす必要があり、未達の場合は返還義務が生じる
向いている事業者新市場へ事業拡大したい企業新製品開発・生産性向上を目指す企業新製品開発+新市場進出+海外展開を一体的に計画する企業

旧制度と比べて補助上限額が拡大し、申請枠が整理された新制度であることを理解しましょう。建物費が対象になる枠があり、海外展開支援が強化されています。

新事業進出・ものづくり補助金の主な申請枠

革新的新製品・サービス枠

この枠は、自社の技術やノウハウを活かした革新的な新製品・新サービス開発を支援します。
既存製品の改善や普及済みの製品開発は補助対象外で、顧客に新しい価値を提供することが必要です。
補助率は中小企業で1/2(一定条件で2/3)、小規模企業や再生事業者で2/3となります。従業員数1〜5人の場合の上限は750万円(特例で850万円)、6〜20人は1,000万〜1,250万円、21〜50人は1,500万〜2,500万円、51人以上は2,500万〜3,500万円
必須経費は機械装置・システム構築費で、運搬費や原材料費、知的財産権関連費、外注費、専門家費、クラウドサービス費、広告宣伝費などが対象となります。

新事業進出枠

既存事業とは異なる新市場・高付加価値事業への進出を支援する枠で、自社にとって新規性のある製品・サービスであること、新たな顧客層を対象とする市場であることが条件です。
補助率は中小企業で1/2(特定条件で2/3)、上限は従業員規模に応じて2,500万〜7,000万円、賃上げ特例適用時は最大9,000万円
対象経費には機械装置・システム構築費のほか、建物費が含まれる点が大きな特徴であり、どちらか一方は必須経費です。
その他、運搬費、技術導入費、知的財産権関連費、外注費、専門家費、クラウド利用費、原材料費、広告宣伝費などが含まれます。

グローバル枠

海外市場開拓に向けた国内の輸出体制強化を支援する枠です。
新たな海外市場で自社製品を展開するための取り組みが対象であり、取引先主導の事業は対象外とされています。
補助率は中小企業者で2/3、上限は従業員規模に応じて2,500万〜7,000万円、賃上げ特例適用時は最大9,000万円。対象経費は新事業進出枠と同様ですが、海外展開に必要な海外旅費や通訳・翻訳費が追加されています。

どの申請枠を選ぶべきか

申請枠の選択は、取り組み内容や経費の内訳、新規性や市場性で判断します。
例えば、既存技術を活かして新しい製品を開発する場合は革新的新製品・サービス枠、既存事業とは異なる新市場に進出する場合は新事業進出枠、海外輸出を視野に入れる場合はグローバル枠が向いています。
重要なのは、事業の目的・市場・経費が枠の趣旨に合致しているかどうかです。わからない場合は専門家に相談し、枠選びから検討することをおすすめします。

申請枠は3種類。革新的新製品・サービス枠は新製品開発、新事業進出枠は新市場進出、グローバル枠は海外展開を支援します。経費や市場の方向性に合わせて枠を選択することが重要です。

補助対象となる経費

機械装置・システム構築費

すべての枠で必須となる経費です。
新製品製造のための生産設備や加工機械、専用ソフトウェアやシステム構築費などが含まれます。クラウドサービス利用費や運搬費も対象ですが、汎用的なオフィス機器や既存設備の修繕費は対象外となる場合があります。事業計画との関係性を説明できることが重要です。

建物費

新事業進出枠とグローバル枠では、工場や店舗・施設等の建物費が補助対象になります
ただし、建物費は高額になりやすく、見積取得や金融機関との調整が必要です。また、補助金申請前に契約・着工してしまうと対象外になるため注意しましょう。革新的新製品・サービス枠では建物費は対象外です。

広告宣伝・販売促進費

新製品・新サービスや新市場への進出に伴う広告宣伝費や販促費も対象になります。
パンフレット制作、展示会出展、ECサイト構築、Web広告などが該当します。既存製品の単なる宣伝や汎用的な広告費は認められない場合があります。

外注費・専門家経費

開発・設計・試作、マーケティング調査、ITシステム構築などの外注費や、専門家への相談費用も対象となります。
申請代行そのものの手数料は対象外ですが、事業計画作成に必要な専門家サポート費用は計上可能です。外注費の内容が事業の新規性や成長性と結び付いていることを示しましょう。

対象外になりやすい経費

汎用的な業務用備品や事務用消耗品、既存事業の通常経費、役員報酬や人件費、店舗賃料、車両購入費などは補助対象外となりやすい項目です。
また、補助事業と直接関係しない経費は認められません。公募要領を確認し、対象外経費を含めないように注意しましょう。

機械装置・システム構築費は全枠で必須。新事業進出枠・グローバル枠では建物費が認められますが、契約前のタイミングなどに注意が必要です。対象外経費を計上しないよう公募要領を確認しましょう。

どのような事業者が対象になりやすいか

新製品・新サービスを開発する事業者

自社技術を生かした新製品や新サービスを開発し、顧客に新しい価値を提供したい企業は革新的新製品・サービス枠が適しています
例えば、製造業が自社の技術を応用して新たな部品や製品を開発するケース、IT企業が既存データ解析技術を応用して新サービスを開発するケースなどです。商品やサービスが社内にとって新規であり、プロトタイプや試作品の開発費や設備投資が必要な場合、補助対象となりやすいでしょう。

既存事業とは異なる新市場へ進出する事業者

既存顧客とは異なるターゲット層や業界に進出する企業は新事業進出枠が適しています
例えば、飲食店が冷凍食品製造やEC販売に進出するケース、建設会社がドローンを活用した点検サービスを開始するケース、小売業が体験型店舗やサブスクリプションサービスを展開するケースなど、新市場への挑戦に設備投資が必要な場合に利用できます。

建物や大型設備を伴う新規事業を検討している事業者

新工場の建設や大型設備の導入を伴うプロジェクトでは、新事業進出枠やグローバル枠が適しています
例えば、食品製造企業が加工工場を新設する、宿泊業が高付加価値の宿泊施設を新築する、物流企業が倉庫を新設するなど、建物費や大型設備が必要な事業です。建物費が対象となるものの、見積取得や資金計画、融資手続きに時間がかかるため早めの準備が必要です。

海外展開を検討している事業者

自社製品を海外市場に売り込みたい企業はグローバル枠が適しています
例えば、製造業が海外工場向けに部品を供給するため国内工場を整備するケース、飲料メーカーが海外販路開拓のため設備を増強し包装仕様を変更するケースなどです。海外旅費や通訳費も対象経費に含まれるため、現地市場調査や展示会出展に活用できます。

対象になりそうで注意が必要なケース

既存事業の延長に見えるプロジェクトや、単に設備を入れ替えるだけの計画は採択されにくいです
また、申請時点で事業が既に動き出している場合は「新規性」が認められないため対象外となります。
例えば、既存顧客向けに同じサービスを強化するだけの場合や、業界で既に普及している製品の導入などは注意が必要です。不安な場合は専門家に相談し、自社の計画が補助対象となるか確認してみましょう。

自社が対象になるかどうか迷っている方へ。補助金制度は複雑で、自社だけで申請枠や対象経費を判断するのは難しいかもしれません。特に建物費や大型設備を伴う場合は金融機関の融資条件や資金計画との整合性が重要になります。こうした不安を解消し、事業計画の方向性を整理するには、早期に専門家へ相談するのが有効です。

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早めに申請準備を進めた方がよい理由

理由1:制度初期は申請機会を確保しやすい

補助金は国の予算事業であり、回ごとの予算枠や公募回数は変動します。第1回公募では予算が残っている一方、今後の公募回数や採択枠は減少する可能性があります。早い段階から準備することで、申請機会を逃しにくくなります。ただし、早く出せば採択されやすいと断定できるわけではありません。採択の可否は事業計画の完成度や審査基準への適合性によって決まります。

理由2:事業計画書の作成には時間がかかる

補助金申請では3〜5年の事業計画が必須で、付加価値額の年平均4.0%以上増加、給与支給総額の年平均3.5%以上増加、最低賃金+30円などの要件を達成する計画が求められます。市場分析、競合分析、売上・利益計画、資金計画、賃上げ計画を整合性のある形で示す必要があり、短期間で完成させることは困難です。見積書や協力企業との連携体制も含め、十分な準備期間を確保しましょう。

理由3:見積書、資金計画、金融機関相談が必要になる

補助金は後払い(精算払い)のため、採択決定後に設備を発注し、実績報告後に補助金が支払われます。したがって、事前に自己資金や融資による資金調達を計画する必要があります。特に建物費や大型設備を含む場合は、金融機関からの確認書取得が必要となるケースが多く、融資審査や資金計画の整備に時間がかかります。資金計画が不十分だと採択後に事業が進まないリスクがあるため注意しましょう。

理由4:GビズIDや電子申請の準備が必要になる

申請は電子申請システムでのみ受け付けられます。申請者はGビズIDプライムアカウントを取得しなければなりません。GビズIDの取得には1〜2週間程度かかることがあるため、公募開始前から余裕をもって手続きを進めましょう。締切直前はアクセスが集中しやすく、システムエラーや資料不備に対応する時間がなくなるリスクがあります。

理由5:建物費や大型設備を含む場合は調整事項が多い

建物費や大型設備を計上する場合、設計図や見積、施工会社との打ち合わせ、設備の納期調整など、通常より準備が複雑になります。また、建築確認申請や行政手続きが必要な場合もあり、スケジュールが長期化しやすいです。補助金申請前に契約や発注を行うと対象外になるため、発注タイミングの管理も重要です。金融機関との融資交渉も含め、早期に準備を始めることで余裕を持った計画が立てられます。

補助金は予算事業であり、制度初期の方が申請機会を確保しやすい反面、採択は事業計画の質で決まります。事業計画や資金計画、GビズID取得、見積・融資相談などに時間がかかるため、早めの準備が成功の鍵となります。

採択されやすい事業の特徴

新規性・革新性が明確である

審査では、既存プロダクトやサービスとの違いを明確に示し、顧客にどのような新しい価値を提供するかが重要です。例えば、業界初の技術や独自の付加価値を持つ商品、既存技術の組み合わせによる新しいソリューションなどです。自社にとって新しいだけでなく、業界全体での新規性や差別化ポイントを示すことで評価が高まります。

市場ニーズと売上計画に根拠がある

新たな市場や顧客層のニーズを調査し、売上予測の根拠を示すことが求められます。市場規模や競合状況、ターゲット顧客の特徴、価格戦略などを具体的に示し、売上計画の算定根拠を説明しましょう。外部調査データやヒアリング結果など客観的な情報を取り入れると説得力が高まります。

補助対象経費と事業目的がつながっている

計画する設備投資や経費が、事業の新規性や成長戦略と直接結びついていることが大切です。例えば、製品開発のための試作機械や品質検証設備、新市場開拓のための建物やITシステムなど、目的と経費の関係を明確に説明しましょう。単に高額な設備を入れ替えるだけでなく、新事業の成功に必要な投資であると示すことが重要です。

賃上げ要件を達成できる収益計画がある

補助金には賃上げ要件があり、付加価値額や給与支給総額を一定割合引き上げることが求められています。そのため、売上・利益計画と人件費増加計画が整合しているかが問われます。投資による効率化や売上拡大により、賃上げを実現できる収益構造を示しましょう。

会計士視点で見た採択可能性の判断基準

公認会計士の立場からは、以下のポイントで事業計画をチェックします。

  • 売上計画の現実性:市場規模や競合状況を踏まえた実現可能な売上予測か。
  • 利益計画と賃上げ計画の整合性:賃上げ要件を満たしつつ利益を確保できるか。
  • 自己資金と借入のバランス:資金調達の内訳が無理のない範囲か。補助金入金までの資金繰りに耐えられるか。
  • 投資回収期間:設備投資の回収期間が長過ぎないか。補助事業終了後も継続的に収益が見込めるか。
  • 既存事業とのシナジー:新事業が既存事業とどのような相乗効果を生むか。
  • 継続可能性:補助金終了後も自走できるビジネスモデルになっているか。

採択されやすい計画のポイントは、新規性と市場性、経費と目的の整合性、現実的な収益計画、そして賃上げや資金繰りまで考慮した設計です。会計士視点で事業計画をチェックすると抜け漏れを防げます。

不採択になりやすいNGパターン

単なる設備更新に見える

古くなった機械を新しい機種に置き換えるだけの計画は、革新性や市場性が弱く評価されにくいです。補助金は単なる設備更新ではなく、新たな価値創造や市場拡大に使われることが前提です。

新市場性が弱い

既存顧客に同じ製品・サービスを売るだけでは、新市場進出と判断されません。ターゲット顧客や市場の違いを明確にし、新たな顧客層にリーチする計画を示しましょう。

売上予測が楽観的すぎる

根拠のない売上予測や「売上は2年で倍増」というような楽観的な計画は信頼を損ないます。数字の裏付けを示し、慎重な予測を提示しましょう。

対象経費の整理が甘い

対象外の経費や、補助対象外となる個人消費・人件費などを計上するとマイナス評価となります。経費区分や補助上限を正しく理解し、公募要領に沿って整理してください。

賃上げ計画に無理がある

利益計画と連動していない賃上げ計画は、不採択の原因になります。無理のないペースで賃金を引き上げる計画を作成しましょう。採択後に賃上げ要件を達成できないと返還義務が生じるため慎重に設定してください。

実務でよくある失敗例

  • 締切直前に相談して準備が間に合わない:資料不足やGビズID取得の遅れで申請を断念するケース。
  • 見積書の取得が遅れる:見積依頼先が混み合っており、締切までに見積が間に合わない。
  • 資金調達の目途が立っていない:融資審査が間に合わず、自己資金も不足して計画変更を余儀なくされる。
  • 採択後に資金繰りが厳しくなる:補助金が後払いであることを考慮せず、運転資金が枯渇する。
  • 補助対象外の経費を計上してしまう:単なる広告費や汎用機器の費用を含めてしまい減点される。
  • 交付決定前に契約・発注してしまう:交付決定前の支出は補助対象外となる。
  • 賃上げ要件を軽く考えてしまう:採択後に賃上げ要件を達成できず返還義務が生じる。
  • 既存事業の延長に見える計画になってしまう:新規性が不足し、審査で評価されない。

不採択になりやすい事例として、単なる設備更新や新市場性の弱さ、根拠のない売上予測、対象経費の整理不足、無理な賃上げ計画が挙げられます。実務での失敗例を参考に、早めに準備し計画を磨き上げましょう。

新事業進出・ものづくり補助金と相性がよい事業アイデア

飲食業の新商品開発・食品製造事業

飲食店が自社商品を冷凍食品化してEC販売する、または新メニューのための加工設備を導入する場合は、革新的新製品・サービス枠または新事業進出枠と相性が良いでしょう。
補助対象経費には生産設備や食品加工機械、包装機械、オンラインショップの構築費などが含まれます。採択に向けては、新しい市場ニーズを示し、製造プロセスの差別化や販路計画を具体的に説明することが重要です。衛生基準や食品表示等の規制対応も考慮する必要があります。

製造業の新製品開発

自社の技術や製造ノウハウを生かして、新しい部品やデバイスを開発する事業は革新的新製品・サービス枠の対象となります
例えば、精密部品メーカーが医療機器向けの新部品を開発する、機械メーカーが自社技術を応用してロボット部品を開発するケースです。試作や技術検証に必要な機械装置や測定機器、ソフトウェア開発費を補助対象に計上できます。高い技術性や医療や環境分野への貢献など、社会的意義を示すことがポイントです。

建設業の新サービス展開

建設会社がドローンによる点検サービスやBIM(建築情報モデル)を活用した設計・施工支援サービスを開始する場合、新事業進出枠が適しています
必要なドローン機器や解析ソフト、教育費用、システム構築費などが対象となります。新事業であることを示すため、既存事業と異なる顧客層や市場を具体的に定義し、競合優位性を説明しましょう。

小売業の体験型サービス展開

小売店が体験型施設(ワークショップスペース、試食エリアなど)を新設し、顧客体験を強化する場合、新事業進出枠の建物費や内装費が活用できます
また、ECサイトやアプリを開発して顧客接点を増やす事業なら革新的新製品・サービス枠でも検討できます。投資効果として来店者数や購買単価向上を示す計画が求められます。

宿泊・観光業の高付加価値サービス

ホテルや旅館が地域資源を活かした体験プログラムや高付加価値の宿泊施設を新設する事業では、新事業進出枠やグローバル枠が利用できます
建物費や設備投資の規模が大きくなりやすいため資金計画の綿密な検討が必要です。インバウンド需要を意識した海外プロモーションや予約システム開発も計画に組み込みましょう。

フィットネス・福祉・美容分野の新規事業

フィットネスジムがリハビリプログラムや高齢者向けサービスを新設する、福祉施設がICTを活用したサービスを開発する、美容サロンがバーチャル診断やパーソナルケア商品の開発に取り組むなど、新規性の高いプログラムは補助金との相性が良いです。
必要な設備やシステム、専門家費を計上し、社会課題の解決や地域活性化に貢献することを示しましょう。

業種ごとの新規事業アイデアを検討する際は、どの申請枠と相性が良いか、必要な経費は何か、採択に向けてどのような点を計画に盛り込むべきかを整理することが重要です。事例ごとに具体性を持たせることで採択につながります。

補助金申請サポートを専門家に依頼するメリット

自社に合う申請枠を選びやすくなる

制度には複数の申請枠があり、事業内容や経費の内訳によって適切な枠が異なります。専門家は事業の目的や設備投資の内容をヒアリングし、最適な申請枠を選択する手助けをします。誤った枠で申請すると審査基準と合わず不採択となるリスクがあるため、初期段階での相談が重要です。

採択されやすい事業計画に整理できる

専門家は多くの採択事例を熟知しており、採択ポイントやNGポイントを理解しています。市場分析や競合分析の方法、売上予測の根拠の示し方、賃上げ計画と利益計画のバランスなど、審査で評価される項目を漏れなく整理して計画書を作成できます。駒田会計事務所では、採択実績300件以上のノウハウを基にサポートを行っています。

資金繰りや賃上げ要件まで確認できる

補助金は後払いであり、採択後の資金繰りが重要です。専門家は自己資金と借入のバランスや資金繰り計画をチェックし、融資のための金融機関要件取得や資金調達のサポートも行います。また、賃上げ要件を実現できる収益計画を設定するためのアドバイスも受けられます。駒田会計事務所では、税理士・公認会計士として資金繰りや税務面も踏まえたサポートを行っています。

採択後の手続きミスを防ぎやすい

採択後も、交付決定通知、契約・発注、実績報告、入金まで複数の手続きがあります。書類の不備やスケジュール遅延で補助金が受け取れない事例も多いですが、専門家が伴走することで手続きミスや要件未達を防ぎやすくなります。駒田会計事務所は採択後のモニタリングや実績報告のサポートまで一貫して行っています。

専門家に依頼することで、最適な申請枠の選定、採択されやすい事業計画の作成、資金繰りや賃上げ要件の確認、採択後の手続きのサポートを受けることができます。駒田会計事務所は全国対応でオンライン相談も可能です。

よくある質問

新事業進出補助金とものづくり補助金は統合されたのですか?

2026年度から両制度を再編した「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」が新たに公募されています。旧制度を引き継ぎつつも、公式サイトでは旧制度とは異なる補助金であると明記されており、申請枠や対象経費、補助上限額も刷新されています。

早めに申請すれば採択されやすいですか?

早く申請することで申請機会を確保しやすくなる一方、採択の可否は事業計画の完成度や審査基準への適合性で決まります。制度初期だからといって必ず採択されるわけではありません。早期の準備により計画の質を高め、必要書類や資金調達の準備を整えることが重要です。

建物費は補助対象になりますか?

新事業進出枠とグローバル枠では建物費が補助対象になりますが、革新的新製品・サービス枠では対象外です。建物費を計上する場合は機械装置・システム構築費と合わせて必須経費とする必要があります。

どの申請枠を選べばよいですか?

事業内容や投資内容、新規性、市場性によって最適な申請枠は変わります。例えば、新製品開発なら革新的新製品・サービス枠、新市場進出なら新事業進出枠、海外展開ならグローバル枠が該当します。複数枠が該当しそうな場合は専門家に相談し、審査基準に合致する枠を選択しましょう。

申請サポートはいつ相談すべきですか?

事業構想段階や見積取得前から相談するのが理想です。早期に専門家と方向性を整理することで、計画の方向修正や資料準備に十分な時間を確保できます。締切直前に相談すると準備不足で不採択になるリスクが高まります。

採択後すぐに補助金は入金されますか?

補助金は原則後払い(精算払い)で、交付決定後に設備を発注し、事業実施完了後の実績報告が受理されてから支払われます。そのため、採択後も自己資金や融資による資金繰りが必要です。

地方の事業者でも相談できますか?

はい。駒田会計事務所ではオンライン完結で全国対応しており、地方の事業者でも相談可能です。電話・メール・LINEなどで相談できます。

FAQでは、統合の真相、早期申請の影響、建物費の扱い、申請枠選び、相談タイミング、支払い方法、地方対応など、読者が抱きやすい疑問を解消します。

まとめ|新事業進出・ものづくり補助金は早めの準備と事業計画が重要

申請の前にもう一度、無料相談のメリットを思い出してください。自社で判断できないことを抱え込まず、専門家と一緒に計画を練ることで、採択の可能性を高められます。駒田会計事務所は新制度に精通し、全国からの相談に対応しています。

今回は、新事業進出・ものづくり補助金の概要や2026年度からの変更点、早めに申請準備を進めるべき理由についてまとめてきました。ポイントは下記の通り。

  • 新事業進出・ものづくり補助金は、新製品・新サービス開発、新市場進出、海外展開を支援する補助金であり、従来の新事業進出補助金とものづくり補助金を再編した新しい制度です。
  • 旧制度より補助上限額が拡大し、申請枠が整理され、建物費や海外展開費用が対象になる枠もあります。
  • 申請機会を逃さないためには早めの準備が重要。事業計画や資金計画、GビズID取得、見積・融資相談に時間がかかるため、制度初期から着手すると有利になります。
  • 採択には新規性・市場性・収益計画の完成度が求められ、NGパターン(単なる設備更新や根拠のない売上予測など)を避けることが必須です。
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